おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

雪の朝

2012-02-29 08:16:25 | 福島

 朝起きると、雪が降っていた。ようやく春の気配がしてきたかなと思っていただけに、まだまだ遠いのかなという気分になる。明日から三月。九州だったら、早春から本格的な春へと移行する時期だ。

 しっかりと防寒対策をして、散歩に出る。あたりはすでに雪化粧している。無風の中、細かい雪が静かに静かに降っている。風がない分、普段よりも暖かく感じる。トトが雪の吹きだまりに向かって片足を上げ、勢いよく用を足す。トトにとっても僕にとっても、生涯の中でひと冬にこれだけ雪を体験するのは初めてだ。

 散歩から帰ってくると、家の前の雪かきをする。急な坂道になっているので、しっかり雪かきをしておかないと四輪駆動ではない僕の車では、スルスルと滑ってうまく登れない。雪国の人にとっては面倒なだけの雪かきも、この歳になって初めて経験する僕には新鮮な体験だ。せっせと道路の両側へ雪を押しやると、30分もしないうちにうっすらと汗ばむ。

 すっかりきれいになった道路に満足して家の中に引き上げるが、雪は音もなく降り積もり、1時間もすると道路は雪の下に隠れてしまう。

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古い映画

2012-02-27 08:14:55 | 日記

 一日動きまわっていると、夕飯を食うとどっと疲れが出て眠くなる。おまけにテレビ番組も面白いと思うものが少ないので、いつの間にやらコックリコックリやっている。家からDVDのソフトも持ってきていたが、全部観てしまった。小さな活字の本を読むのも睡眠薬にしかならない。

 こういうときは、レンタルビデオ屋で映画を借りてくるに限る。けれども借りてきたものが面白いとも限らず、昔観たものが中心になってくる。先週は「パピオン」と「バグダッドカフェ」を観た。「パピオン」は子供の頃に観たものだったので、記憶がいろんな映画とごちゃ混ぜになっていた。今週は新しい映画を観たかったのでスピルバーグの「スーパー8」、動物のノンフィクション「ライフ」、そしてまたまた古い映画「卒業」を借りた。

「スーパー8」は子供たちが主演の冒険活劇みたいなものを考えていたのだが、スピルバーグにしては中身の薄い映画で、監督も少し老いぼれたかなと感じてしまった。「ライフ」はまだ出だしを観ただけだが、さすがに映像はきれいで、自然界のシビアな環境と、信じられないほどの美しい映像に、よほど頭がはっきりしているときに観たいと、後回しにしている。

「卒業」は言わずとしれたダスティン・ホフマン主演の映画である。もう何度も見返した映画だが、若い頃に観たときとは印象はずいぶん変わって来た。初めて観たときは、ドラマチックな恋愛映画だと思っていたが、あるときから恋愛はあまり扱っていないのに気付いた。ミセスロビンソンとの不倫にしても、恋人のエレーンとの関係しても、映画の中で描かれるのはほんのわずかである。恋愛らしいものは、どこを探してもないのだ。描かれるのは、将来に対して漠然とした不安を抱える若者の、エゴと倦怠である。

 後のドラマに多大な影響を与えたと言われる花嫁奪取のラストシーンも、ただの恋愛映画ではないと感じさせるのは、ふたりが手と手を取り合って教会から逃げ出し、バスに乗り込んだ瞬間、「このふたりはすぐに別れるだろうな」としか見えないからである。これは観客ばかりが感じることではない。当の本人たちからして、そんな顔をしてバスに乗っている。今見ても新鮮なのは、このドラマがハッピーエンドを迎えることなく、やはり人生は難しいなあと思わせるところなのである。

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雪中行軍

2012-02-26 08:03:01 | 福島

 朝から降り出した雪は、お昼にはたっぷりと積もった。九州では夜が明けた途端、いくら降ったところで雪は溶けていく一方なので、これにはびっくりだ。朝、散歩の後に家の前の雪かきをしたのに、もうどこをやったのかわからなくなっている。雪国の人が、雪下ろしや雪かきにうんざりするのも当然だろう。

 午後、近くのダム湖に行ってみた。ここは広い自然公園になっているが、こんな天気の日に遊びに来る人はいないので、犬にとっては広々としたドッグランへと早代わりする。

 トト、楽しいかい?

 

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春一番後

2012-02-25 09:07:40 | 福島

 昨日一日、天気は良く気温も高かったが、猛烈に風が吹き荒れた。福島の人の話だと、このあたりでは春一番は吹かないということだったが、どこから見ても春一番にしか思えなかった。

 福島に来ると同時に積もった雪は、少しずつ溶けながらも、ずっと庭の隅に居座っていた。それがここ数日の陽気で一気に溶け、春の訪れをようやく感じられるようになった。

 その矢先、今日はなんと再び雪が積もっているではないか。春一番は吹いたけれども、本格的な春はまだもうちょっと先にあるということなのだろう。なんたって、東北にいるんだもんな、当たり前と言えば当たり前か。

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食の安全

2012-02-24 11:46:04 | 福島

 昨日、福島県の県中保険所に「食品衛生責任者」の資格を取りに行ってきた。資格といっても試験があるわけではなく、朝9時から午後4時まで講習を聞くだけだ。フォークリフトの資格などは講習の後に筆記試験があったので、なるべく聞き洩らさないように気を張っていたが、どんな形であれ椅子に座っているだけで資格が与えられるとなると、ほとんど頭に入らないのは講習を受ける前から想像できる。

 それでも講習が始まると、講師はしゃべり慣れているのか、マイク片手に聴衆を飽きさせないように努力しているのがわかる。話は面白いものではないが、食品添加物や細菌やウイルスによる食中毒の話なので、日常生活をするうえでも役に立つ話で、あっというまに午前中は終わった。

 これなら残りの講習も楽勝かなと思っていたら、午後から地獄の時間となった。というのも、講師にやってきたのは若い男の職員なのだが、こいつがサービス精神ゼロで、とにかく与えられた仕事をしているだけといった感がある。スクリーンに細かい字でなにやら写しだすと、終始原稿に目を落としたまま、つっかえつっかえたどたどしく読み上げるだけである。おまけにこの声が小さく、半分も何を言っているのかわからない。試験がないので、聞こえようが聞こえまいが、時間さえすぎればそれでいいのだが、食の安全を一手に引き受ける役所とすれば、しっかり理解してもらわなければ意味がないのではないか。

 教室を見渡してみると、睡魔に襲われているのは僕だけはなく、30人ほどの受講者のうち半分はこっくりこっくりしている。年配の人の中には、すでに熟睡している人もいる。子守唄を歌わせれば、こんなに適任者もいないだろう。

 最後に別の講師にバトンタッチしたが、睡魔と闘い続けた受講者の疲労の色は濃い。「今日はみなさんとてもお疲れのようで」と、講習の最後に講師のひとりが言ったが、先輩たちはちゃんと後輩を指導したほうが良い。こんなことでは、ミートホープや汚染米、ユッケや偽装表示のような問題はなくならない。

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雨時々止む

2012-02-23 18:01:11 | 福島

 テレビを見ていて、自分が普段の生活圏から離れているなあと感じるのは、地方のコマーシャルと天気予報である。とりわけ天気予報は、見慣れない地図が出てくるので、なんだか実感が湧かない。

 昨日天気予報を見ていたら、会津地方の明日の天気、「雨時々止む」と表記されていた。「雨時々曇り」というのが普段見慣れた表記だが、「雨時々止む」というのはどうだろう。止むといっても、曇りのときもあれば晴れのときもあるだろう。「止む」と断言されても、どんな天気かよくわからないのだ。福島ではこういう言い方が普通なのだろうか。

 ちなみに僕が今いるところは中通りと呼ばれる地方である。地震で津波や原発事故の影響が大きいのは浜通りである。

 中通りも今日は朝から雨。夕方には止んでいたが、不思議な空模様だったので、カメラを持って散歩に出た。同じ時刻の空なのに、いろんな表情の空を一望できた。雲フェチのアベさんとしては、嬉しいかぎりである。

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一歩一歩

2012-02-22 18:24:48 | 福島

 日一日だんだんと春めいて来るのがわかる。九州ではたぶん今頃は春一番が吹き、梅の花が咲く頃だろう。福島ではまだ梅の花を見かけないところをみると、開花はもう少し先なのだろうか。桜の開花も4月の20日頃と言うから、2週間以上は春の訪れは遅い。

 日没もずいぶん遅くなり、午後5時45分でもまだ明るい。九州とは40分くらい時差があるので、九州では6時過ぎでも明るいはずだ。自信を持って言えないのがなんとも情けないが、人間というのは順応性が高いだけに、一年前のことでさえ思い出せないということになる。

 福島県いわき市で、春の訪れを告げる福寿草の花が咲いたという。梅の花や春一番、フキノトウに春の到来を強く感じることはあっても、福寿草を春の使者だと感じたことはない。土地柄とはこういうことをいうのだろうか。機会があれば、福寿草の花を見に行きたいものだ。

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早春の便り

2012-02-21 19:25:34 | 福島

 ニュースを見ていたら、視聴者からの声として、今年もフキノトウが地面から顔を出していたが、放射線量が心配なので食べるのは控えようと思う、といった話が紹介されていた。

 そろそろフキノトウの季節だなと思っていたが、東北はもっと先の話だろうと考えていたので、早春の便りにちょっぴり嬉しくなった。大分では毎年他の人に採られないうちにせっせと収穫していたので、だんだんと収穫量が減っていただけに、福島では誰も手を出さないのだとすると、独り占めできるのである。放射線なんて、天ぷらにして食べちゃえば関係ないのだ。

 そう思いながら、犬の散歩をしながら地面ばかりを眺めながら歩いているが、いまだフキノトウの姿を見かけることはない。おおい、春よ。君は一体どこにいるんだ。

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三歩進んで二歩下がる

2012-02-20 17:56:16 | 福島

 せっせとリフォームに励んでいるが、資金があればさっさと工務店さんに任せたい仕事も多い。それをしないのは、少しでも節約したいためなのだが、ときどき本当に節約になっているのか頭をひねるようなことも多い。

 床を畳からフローリングにリフォームした際、工務店さんに頼んでキッチンとリビングの間の壁に開口部を設けてもらったのだが、この開口部が大きすぎるので、今日は半分まで窓を狭くするために、大工仕事に励んだ。工務店さんのほうから、「そこまでやりましょうか」という話はあったが、簡単な仕事なので自分でやることにした。それに、あとで好みの色を塗ろうと思っていたので、仕上がりのきれいさはあまり求めてなかったのだ。

 で、朝からのこぎり片手にせっせと開口部にあわせて窓枠を製作し、中にプラスチックの半透明の板を入れた。あとはカンナをかけてサイズを微調整して色を塗れば、開口部に取り付けるだけである。意外と早く片付いたなと、自分の仕事に満足していたが、少しだけ強度に不安があるので、見てくれは悪くなるが、ビスを打って強度を増すことにした。

 ところが、電動のインパクトでビスを打ち込むと、なんということだろう、完成したばかりの窓枠がパッカリと割れてしまったのだ。しまったと思ったときは後の祭りだ。すっかりへこんでしまったアベサンだが、こういうことが日常茶飯事に続いているのだ。もはや慣れっこになってしまった。素人が一発で完成させようということのほうが、うぬぼれているのだ。

 ということで、明日また一からやり直すことにした。こんなことでは全然節約になってないが、ながーい目で見れば、きっと自分のためになるだろう。前に進むのは、行ったり来たりの繰り返しなのだろう。

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日没

2012-02-19 18:58:50 | 福島

 九州と東北で違いを感じるのは、日没の時間である。桜の時期が一ヶ月違うなんてのは納得が行くが、一日の終わりが違うのは、実際に体験するとかなり変な感じである。この時間ならこのくらいの暗さだと思っていると、あっという間に日が落ちて、真っ暗になってしまうのだ。

 1月に福島に来た当初は、午後5時になると暗くなり始めていた夕暮れも、最近は午後5時半から暗くなり始める。九州と比べると40分は早いだろうが、それでも日一日と長くなっていく日没の時間に春の到来を感じるのである。

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