都会に住んでいた時には野生動物の写真が撮れるなんて考えたこともなかったが、山歩きを始め、日本各地をプラプラするようになると、意外に野生動物に遭遇する機会が多いことに驚く。
鹿児島の佐多岬に行った時には、巨大なイノシシが有料道路の料金所で通せんぼしていたり、宮崎では野生の猿の群れに遭遇したり、山の中ではウサギやアナグマともバッタリ遭遇した。
北海道を旅行している時には、キタキツネやエゾシカに遭い、福島に住むようになると、いきなり日本カモシカに出くわしてビックリした。挙句の果てにはツキノワグマと接近遭遇したわけだが、そういった野生動物の姿をカメラに収めるとなると、なかなかうまくいかない。まず、カメラを持っていることが必要だが、相手がすぐに逃げて行ってしまうというのも、写真に撮れない理由だ。
そんな中でも、一番と言っていいほど見かける機会が多く、なおかつ写真に撮れないのがリスだ。すばしっこさもさることながら、木立の中を移動する姿を撮るのは至難の技だ。「ピント、ピント」と焦っている間に林の中へと消えていく。
ところが今朝は、目の前のクルミの木の幹を何やら黒い影が登って行ったので、リスだと咄嗟に判断して目を凝らして逃げて行った方向を探してみた。
と、不動の姿勢でじっとこちらの様子をうかがっているリスを発見。「逃げるなよ」と心の中で念じながら、何枚かシャッターを切る。心配なのは、まだ夜が明けたばかりで薄暗いのと、木陰にいるため光があまり届いていないのとで、下手をすればシルエットしか撮れていないことだ。
しかしながら、家に帰ってパソコンに取り入れてみると、どうにかリスの表情まで確認することができた。長年撮りたいと思っていたリスを、初めてカメラに収めることに成功した瞬間であった。


手に持っているのはクルミの実。ああ、かわいい。おかげで朝からすっかりテンションが上がったアベさんなのである。
















