桜見物は学生の頃にスタートさせた。その頃読んだ本の影響で、桜の満開に出会うのは年に1回、ほんのわずかなチャンスなので、一生に見ることができる桜の名木の数に限りがある、ということだった。なるほどなあ、じゃあ早いほうがいいのか、と毎年あちこちへ足を伸ばして桜を見に行ったが、今年ほど桜ばっかり見た春は初めてだ。
四月初めに九州で満開の桜を堪能し、葉桜になると同時に日本を大移動したので、福島で再び桜三昧の日々を過ごすことになった。おかげで、最も楽しみにしていた滝桜を見る前に、すっかり桜に対して食傷気味になってしまった。
今朝、午前五時に起きて滝桜の見物に出かけてみたが、早朝にもかかわらず、すでにかなりの観光客があふれ、葉っぱが交じった枝垂桜を取り巻いていた。これなら絵葉書か映像で見る滝桜のほうがよほど見ごたえがある。せっかく出かけてきたが、ここで早朝の爽やかな時間を過ごすのがもったいなくなり、近くのさくら湖に行き先を変更した。
桜が多い福島県、全県で1万本の桜があるというのだが、そのうちさくら湖周辺にその三分の一が植えられている。





名木はないが、人がいないということが、何よりも桜を堪能するには重要な要素だということを強く感じた朝だった。



























