おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

はせがけ

2013-09-30 16:00:51 | 福島

 今日は定休日、そして明日から長期のお休みとなるため、朝はゆっくりしていてもいいのだが、早起きのトトが「はやく散歩に行こうよ」と、寝ている人の顔をペロペロなめるので、普段通りに散歩に出る。どんなに眠い朝も一歩外に出れば、虫の声に野鳥の姿、空に浮かんだ雲が迎えてくれ、ああ、やっぱり早くから出てきて良かったと思う。

 道端で目立つのは、丸い花を咲かせているアザミだ。

 田んぼでは早朝から稲刈りに忙しい。田んぼの中に組んだ稲木にワラの束をせっせとかけている。

 はせがけは地方によって呼び方が違っていて、稲掛け(いねかけ、いなかけ)、稲機(いなばた)、稲架(はさ、はざ、はせ、はぜ、はで)などとも呼ぶらしい。

 田んぼのあぜ道に彼岸花はないが、自然に生えたらしい彼岸花が土手にいくつか花を咲かせていた。2週間後に福島に戻って来た時には、稲刈りはすっかり終わり、景色は一足飛びに冬の到来を感じさせるものになっているんだろうな。

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稲刈り

2013-09-29 16:38:54 | 福島

 少しだけ季節が逆戻りしたのか、気温は夏日を示している。と言っても、地球温暖化の影響なのか猛暑日が続く真夏の暑さに比べると、真夏日でさえ驚くに当たらない。夏日なんてのは、涼しすぎて逆にビックリするくらいだ。昔は25度を超えると夏日だったんだなあ。

 近くのコンビにまで用事があって歩いて行くと、稲刈りをやっている田んぼがあった。大勢の人が総出で刈り取った稲の束を竹を組んで作った枠にずらりと並べ、はせがけにしている。田園地帯では近頃は大型のコンバインが一気に袋詰めにしてしまうが、この辺はひとつひとつの田んぼが小さいせいか、結構はせがけをしている田んぼが目につく。

 お米は天日干しにしたほうがおいしいと言う。が、おいしさを追求すればおのずと手間ひまがかかることになる。これでは市場での競争力はない。きっとこの辺のお米は、自分ちや親戚に配る程度の収穫なのかなと思う。

 関係ないけど、我が家の裏の物干竿を置いてあるところに、エゴの木が一本ある。この枝に、びっしりとボンボンみたいな実がぶら下がっている。この実を大好物にしているのがヤマガラで、秋から春にかけて、せっせせっせとついばみにやって来る。今年はまだ来ない。いつ最初の一羽が現れるか、今から大変楽しみなのである。

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長期の休み

2013-09-28 08:31:42 | 福島

 10月1日から15日まで、2週間ほどカフェをお休みする。去年の10月13日に開店したので、ほぼ1年が経過したことになる。その間、何もかもが初めての経験なので、月曜日の定休日以外はほぼ毎日店を開けた。大雪の日も台風の日も、ゴールデンウイークもお盆も、一切関係なく店を開けていた。最初からこちらの思惑で店を開けたり閉めたりしていては、お客の動向が見えなくなると思ったからだ。

 面白いのは、連休が続くからきっとたくさん来るだろうと期待しているのに、さっぱりということもあれば、こんな嵐の日には誰も来ないだろうなとタカをくくっていると、「大丈夫ですか。やってますか」とぞろぞろやって来たりするので気が抜けない。

 気が抜けないということで言えば、平日はひとりでやっているので、トイレに行くのもなんだか気持ちが焦ってゆっくり行けない。とりあえずお客が来ない時を狙って、まず窓の外から誰も歩いていないかを確認してトイレに飛び込む。たまに、トイレに行こうかなと思っている矢先に、この時を狙っていたのではないかというタイミングで、カランコロンとお客が玄関を開けたりする。

 そういうわけで、暇そうに見えるカフェだが、働くオッサンは一日緊張して過ごしている。暇そうに見えるかもしれないが、オッサンは意外と疲れが溜まっているのである。とにかく手探りの1年であったが、一度ゆっくり振り返って、反省するところは反省し、次の1年がもっと楽しくなるように知恵を絞りたいと思う。

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暑さ寒さも

2013-09-27 12:07:16 | 福島

 暑さ寒さも彼岸までと言うが、ここに来てぐっと朝晩が冷え込むようになった。涼しいなんてのを通り越して、長袖を着るか上着を羽織らなければ朝晩の散歩は寒いほどだ。

 台風20号が通り過ぎ、少しだけ天気が悪かったが、上空の埃を吹き飛ばしてくれたのか、今日は朝から真っ青な空が広がっている。空は高く、フワフワとした薄い雲が浮かんでいる。

 稲穂も黄金色に輝き、重い頭を垂れている。ぼちぼち稲刈りが始まったようで、早くもはせがけをしている田んぼもある。

 お米を狙ってスズメの群れがチュンチュンと稲穂の間を飛び回っている。そういう行為によって、スズメをは害鳥と呼ばれている。稲穂につく虫を食べる鳥は益鳥と呼ばれるので、スズメも好き嫌いは言わずにどんどん虫を食べてもらいたい。

 家に帰る途中、電線にスズメの群れがいたが、よく見るとスズメにしては茶色が薄い。顔の模様も違うようだ。あれはきっと「シメ」だな。日頃から図鑑を眺めているうちに、いまだ会ったことがない野鳥の名前が出てきたりして、自分で自分にびっくりする今日この頃である。 

 

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冬用の畑

2013-09-26 17:55:33 | 福島

 借りている畑に植わっていた野菜のうち、ネギとサツマイモを残してすべて引っこ抜いた。畑とは名ばかりで、キュウリやナスが終わった後は雑草が伸び放題で、どこまでが畑なのかわからないほどだ。

 草刈り機を持って行き、周囲をバリバリと刈り取り、野菜を引っこ抜いた畑は、クワですべて掘り返した。おかげで全身筋肉痛なのだが、きれいになった畑を見ると筋肉痛も苦にならない。

 さて、きれいになった畑に何を植えようかな。すっかり涼しくなった今日この頃、何を植えても手遅れらしいが、ホームセンターで大きめの苗を買ってくればまだ間に合うかもしれない。

 ネギは立派なのができているので、後は白菜やら大根やらといった鍋の材料になるものができると嬉しいのだが、作るのは難しそうだ。

 それにしても家庭菜園をやるのはいいが、近所の人と同じようなものを収穫することになるので、収穫の時期には同じものをたくさん頂くことになる。結果、貰い物を処分するために、我が家の野菜を食べる暇がない。

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夏鳥・冬鳥

2013-09-25 11:23:27 | 福島

 春から夏にかけて、雑木林でにぎやかだったホトトギスやウグイス、田んぼの上をスイスイ飛んでいたツバメの姿はめっきり見なくなった。野鳥によっては、季節によって住む場所を変えるのがいて、これにより夏鳥だの冬鳥だの呼ばれている。実際にはいなくなるわけではない。北へ移動するのや南に移動するもの、また里から高山へ移動するものなど、鳥には鳥の事情があって、われわれ人間が身近に見られなくなるだけの話なのである。

 先日、浄土平に行った時、一切経山への登山途中でシジュウカラの群れを見た。シジュウカラは里でもよく見られるが、こんな高山地帯にもいるのを発見して少なからずビックリした。と同時に、知り合いにあったかのような親しみを感じた。

 そんなことを思い山登りの写真を見ていると、2年前、同じく浄土平を出発点にして東吾妻山に登ったときのことが急に思い出された。その下山の際、なにやら色鮮やかな野鳥と遭遇し、写真に撮ったことを思い出したのだ。その頃は今と違い野鳥に興味があるわけではなく、警戒心の薄い野鳥が身近まで寄って来たなあくらいにしか考えていなかった。

 早速昔の写真を確認すると、そこにはなんと「ウソ」がつがいで、オスとメスが一緒に写っているではないか。「ウソ」と言えば今年の春、三春のダム湖周辺の自然公園で、桜の木の上にいるのを発見し興奮しまくったのだ。が、そのときには梢にいるウソまでは距離がありすぎて、ピンぼけ写真しか撮ることができなかったのである。

 あわてて図鑑で調べてみると、夏の間は高山で繁殖し、冬は里で過ごすとある。東吾妻山に登ったのが7月、三春で出会ったのが3月だったので、まさに図鑑の通りである。知識がないというのは、まったく世界を狭くしてしまうものだ。そもそも知識がないと、好奇心でさえ湧かない。

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紅葉を見に行く

2013-09-24 05:35:58 | トレッキング

 ひと月前に行ったばかりの一切経山~鎌沼トレッキングに、今回はタミちゃんを同行して出かけた。トトはドリと留守番。

 朝からどんよりと雲が垂れ込め、山歩きには最悪のコンディションだが、もしかしたら山のテッペンは雲の上に頭を出しているかもしれないと、一縷の望みをかけて出発する。というのも、以前小雨模様の天気の中を出かけたものの、山は雲の上に頭を出し、一日見事な青空で、下山して来ると下界はまだ小雨が降っていたことがあったからだ。

 が、そんな望みも浄土平につくと見事に裏切られ、あたり一面真っ白な霧に包まれている。駐車場で観光客相手に玉コンニャクを売っていたお店の人も、今日は一日こんなだろうと諦めていた。

 まあ、霧は霧で普段とは違った山歩きができるだろう。幸い霧は濃いが雨は降っていない。残念なのは、タミちゃんが一切経山からの眺望を楽しめないことだ。 

 標高1600mの駐車場をスタートする。気温は10度を切っているだろう。吐く息も白い。やっぱり山の秋はひと月早い。ひと月前はうだるような暑さで、トトも僕も汗だくだったのが、今回は雨合羽を着ているのにそれでも寒い。途中で指が凍りそうになってきたので、あわててザックから手袋を取り出さなきゃならなくなるほどだ。

 一切経山に登る避難小屋の分岐点に到着しても、山の頂きはまったく見えない。

 これが一か月前に同じ避難小屋を撮った写真。このひと月で、季節がずいぶん進んだのがわかる。

 同じく鎌沼でも、この一か月で紅葉はずいぶん進んでいる。

 大体福島と九州で秋の訪れがひと月は違うのに、山の上はさらにひと月早いのだから、僕の季節感からすればふた月も秋を先取りしたことになる。九州でお彼岸の時期と言えば残暑が厳しくまだまだ辺りは緑が覆い、真っ赤な彼岸花が田んぼのあぜ道を埋めつくしている頃だ。

 昼飯はサンドイッチを用意してきていたが、コンロでホットコーヒーとコーンスープを作ると、熱い液体が体中に染み渡り冷えきった体をほっかほかにしてくれた。不思議なことに、食事休憩をしている時だけ一瞬霧が晴れ、鎌沼の上に青空が顔をのぞかせた。 

 

 

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ところによって

2013-09-22 16:15:25 | 福島

 明日の定休日はどこ行こうかな。最近びっくりするくらい天気がいいし、やっぱり山歩きだろうな。じゃあ、この前トトと行った一切経山にタミちゃんでも連れて行くかな。鎌沼から東吾妻山のルートは歩いたけど、一切経山にはいまだ登ったことがないからな、福島県民のくせに。となると、トトとドリは留守番だな。

 なんてことを考えていたら、夕方近くなって怪しげな風が出て来た。生暖かい東風が、灰色の雲を連れて来る。が、天気予報では福島県郡山あたりは今日も明日も晴れマークだ。ところによっては雲が広がりにわか雨が降るかも、なんて言っている。ところによって雨なんて言っておけば、天気予報は絶対に外れないじゃないか。そんないい加減な予報があるもんか。

 午後4時、まだまだ暗くなるには早い時間なのに、あたりは薄暗くなってきた。と思ったら、ザーと雨が降り始めた。なんだなんだ、「ところによって」の「ところ」とは三春のことだったのか。これからは、「ところによって」なんて言わず、三春ではとはっきり言ってもらいたい。

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霧の里

2013-09-21 08:49:20 | 福島

 秋晴れが続いている。が、小さな丘がボコボコと続く三春の里は、天気のいい朝には必ずと言っていいほど霧が出る。朝早いほど霧が濃いので、早々とウォーキングに出たジイさんなどは、傘を持参していたりするほどだ。「こんなに天気がいいのに、とみんなに笑われたよ」と照れ笑いを浮かべる。

 霧の立ちこめた朝は、日が届かずにしっとりとして半袖では肌寒い。そう思ってウインドブレーカーを着ていくと、日が高くなる午前7時には霧が晴れ、たちまち暑くなってくる。

 霧が晴れると、稲穂が大きく育った田んぼが黄金色に輝く。空は高く、辺りは秋色に包まれる。

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人生の不思議

2013-09-20 17:11:29 | 福島

 この前、郡山近辺で流れているラジオにゲストで呼ばれた。おいしいコーヒーゼリーを食べさせるカフェということでの出演だったが、ゲストに選ばれたのはコーヒーゼリーが特別なものだったからではない。僕が九州からやって来たのが珍しいから、というのが最大の理由だ。

 震災後、旅行の途中で立ち寄った福島にそのまま留まり、まったく経験のないカフェを始めたのが余程面白かったらしく、「ふくらぼ」の取材を受けるうちに、もしよろしかったらラジオで喋ってもらえませんか、ということになった。

 本人にすれば、人生というのはずっとつながった一本の線で、どこで途切れることなく連綿と続いてきたわけだから、自分のやっていることが特別なこととは思っていない。そうなるようにしかならなかったし、いろいろ考えているうちにこんなことになってしまった、というだけなので、平々凡々な人生だと思っている。が、他人の目には、突然目の前に現れた得体の知れない人間なのだから、その人生も一風変わったものだったに違いない、という思いに捕われる。それはちょうど、子供の頃、転校生がやって来ると、僕らとは違う不思議な存在に見えていたのと同じなのだろう。

 そんなことを考えてしまうのも、この前「かわいいカフェ」に青い犬が紹介された際、旅行の途中で立ち寄った福島でカフェを始めた大分のアベさん、というふうに記事が出たので、それを見てやってきた人は、僕にもっと詳細を話すよう催促してくるからだ。「特別なことはないんですけどね」「ここに来るまでには、いろんなことがあったんでしょうね。そりゃそうよ、そうじゃなきゃ福島なんかにいるわけないもの」

 こういうとき、僕の頭にはいつも星野道夫さんの書いた文章が思い浮かぶ。「人生とはなにごとかを計画している時に起こる別の出来事のこと」。

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