気温がぐんぐん上昇したせいで、路面の雪が一気に溶けていく。これだったら久しぶりにジョギングに出ても、ツルッとこけることがないかなと、長靴からジョギングシューズに履き替えて家を出た。
久しぶりに体を動かすので、体が重くって仕方がない。なかなか体力はつかないが、なまるのは簡単だ。もっともこれは体だけのことでなく、脳味噌だって動かさなければすぐに腐る。
路面の凍結に注意しながら、ハアハアゼエゼエ坂道を上る。遠く安達太良山が、青空の下、雲ひとつない姿を見せて爽快だ。風がないので、少し走っただけで汗ばんでくる。手袋をしてきたけれども、全然必要なかったな。
ときどき朝早く会う老人が、むこうから杖をつきながら歩いてくる。早朝は凍っているので、陽が高くなってから歩いているのだろう。「おはようございます」と声をかけると、ジイさんはビックリしたように「おお、20代か30代の若者が走っているのかと思った」と応える。
僕らの年代は、普通は走らない。電車にでも乗り遅れそうなときは走るかもしれないが、それだって小走りだ。本格的には走らない。走るのは若者と相場が決まっている。というわけで、白髪のオッサンも遠目には若者に見えてしまう。
ジイさんに若者と間違われたので、ジイさんを追い越したあとは、余計に張り切って走らなければならない。せめて、ジイさんの目から見えなくなるまでは。
家に帰り着くと、汗が滝のように吹き出した。冬にたっぷりの汗をかくのはいいものだ。





























