大晦日。朝から天気がいいので、家でじっとしているのがもったいなくなった。そこで今年最後のトレッキングに出かけることにした。今年さんざんお世話になった長者原~坊がつるコースである。このところ、穏やかな天候が続いていたので、雪はほとんど期待できなかったが、長者原に到着すると、山のてっぺんがうっすらと白くなっている。

積雪はなくても、あれくらい凍っていれば歩きやすいだろう。一番困るのは、雪や霜が溶けて、登山道がずるずるになってしまうことだ。


山の中に入ると、とりあえず申し訳程度に雪がある。

ウサギだろうか、何かの小動物の足跡が雪の上に残されている。

それにしてもいい天気だ。ダウンジャケットを着てきたが、すぐに暑くなり脱いでしまった。トトも暑いとみえて、ときどき雪をかじってのどの渇きを癒している。


坊がつるには雪はなかったが、山のてっぺんが凍りついているのが見える。



終点は法華院山荘。ここには温泉もある。トトとおにぎりを分け合い、ドーナツも二等分した。
帰り道、ぞくぞくとご来光を拝むためにテントを担いで登ってくる人たちとすれ違った。大晦日の夜を、テレビも除夜の鐘もない山の上で過ごすなんて、実にロマンチックではないか。しかしながら僕は、ベランダに布団を干してきたので、とりあえず帰らなければならない。
下山途中、お坊さんともすれ違った。
「弘法大師も犬と一緒に山に登りました。きっとご利益があるでしょう。その犬はなんという名ですか」
「トトです」
「今日はその犬から元気を分けていただきました」
そういうとお坊さんは深々と頭を下げた。





















