暦の上では、今日は立春。とりあえず春ということになっている。とは言うものの、春が来た実感はおろか、東北の春はまだまだ先の話なのである。
立春は冬至と春分のちょうど中間の日にあたる。今日から立夏までが暦上の春だ。僕は知らなかったが、「夏も近づく八十八夜」という歌は、元旦から八十八夜ではなく、立春から数え始めて八十八夜なのである。元旦から八十八夜だと三月下旬が夏になるから、おかしいというのはちょっと考えればわかることだが、ちっとも疑問に思わなかったというのは、意味なんて考えずに歌っている証拠だろう。
それにしても、天気予報を見ていると、「今日は真冬に逆戻り。東京の気温は10度を切って寒いでしょう」なんて話しているのを聞くと、福島では最高気温5度の日でも、「今日は暖かいですね」という挨拶が当たり前だったりするので、10度を切るくらいの寒さは屁でもない。寒い日というのは、最高気温が0度以下の真冬日になって初めて使えるのである。
二十四節気は、もともとは中国から輸入した考えで、一年の始まりは立春からだった。古今和歌集にも立春の歌が載っているので、暦の輸入と一緒に入って来た考えなのであろう。
「年のうちに 春は来にけり 一年（ひととせ）を去年（こぞ）とやいはむ 今年とやいはむ」
暦の語源は、「日（か）を読む」から来ているという。
