福島にいる。九州にいるとほとんど過ぎ去ったニュースだが、東北ではいまだ除染の問題は、切羽詰った目の前の問題である。九州の人間にとって除染の問題は実感のない、どこか絵空事のように思えるが、東北の人たちにとっては、除染の問題が絵空事なんて言ってることのほうが絵空事に違いない。
除染のニュースと言えば、地面の表土を剥ぎ取るか、どぶさらいをしたり、ホースで高圧洗浄する映像が流れる。それで安全なような印象を与えるが、剥ぎ取った表土も、流した水も汚染されていることには違いがない。別の場所に移動させられるというだけの話である。
東北の自治体が、汚染された瓦礫や土などを集めておく中間管理場の設置を拒んでいる。当たり前の話で、部屋を掃除したあと、そのチリを部屋の隅に置くバカはいないのである。「除染」と言うと、なんとなく放射線がなくなるようなイメージを与えるが、実際は放射線量は低くはならない。ただ薄く広く延ばすしかないのだ。ということは、僕のようにあちこちを移動している人間というのは、必然的に放射線を全国にばら撒いていることになる。日本国民全員で原発事故の解決をしようという気があるなら、日本中に広く薄く汚染物質をばら撒けばいいのだ。それで、年間1ミリシーベルトになれば、儲けものではないか。


















