天気予報では、午後から雨になっていた。が、朝から今にも降りそうな気配で、もしかしたらランニングの途中で雨に降られるかなと思ったものの、どうせ降ってもポツポツ程度だろうし、走っていれば頭からも背中からも汗が吹き出し、雨に濡れているのとたいした違いはない、と家を出発した。
九州では35度以上の中、連日のように走っていたが、福島ではお盆後初めてのランニングとなる。気温は25度を超えるくらいだから、前回のランニングと比べると10度くらい低い。これだったらちっとも暑くないし、おまけに曇り空だから熱射病の心配もなさそうだ。
広い阿武隈川の土手の上に出ると、霧雨状の風が吹き抜けて涼しい。こりゃ快適だ。春に背中を切開後、すっかりなまっていた体は、長い距離を走れなくなっていたのだが、今日は折り返し地点まで休まずに走り切った。
と、ここで急に雨脚が強くなって、頭からシャワーを浴びたようになった。運悪く、広々とした河川敷で、近くに避難できそうな場所はない。800メートルほど先に林があるので、とりあえずそこまで移動してみたが、木々の枝を伝って落ちて来る雨粒の量が半端じゃなく、おまけに雨粒がでかいので、かえってビショビショになった。
どうせ走っていれば全身ビショビショになるし、たいした違いはないとたかをくくっていたが、靴の中までビショビショになるとさすがに気持ち悪い。走るたびに靴の中でグチョッ、グチョッと音を立てる。ああ、水虫になりそうだ。
それにしても、雨の中を走るなんて、子供の時以来かもしれない。昔は、夏といえば必ずと言っていいほど夕立が降った。一日中外で遊んでいた子供たちは、全身ずぶ濡れになって走って家に帰ったものだ。中には、おかしなテンションになって、水たまりに飛び込むものまでいた。