おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

日没

2013-02-28 17:19:02 | 日記

 日が長くなった。冬至の頃は午後4時半になれば暗くなっていたが、この時期になると日没はずっと遅くなり、午後6時に暗くなる。外につないだ犬たちは、薄暗くなってくると「おい、そろそろ散歩の時間じゃないのか」と騒ぎ出す。日没に合わせて騒ぎ出すので、日が長くなればそれだけおとなしくしていてくれる時間が長くなる。

 カフェの西側は全面がガラス張りになっている。夕暮れはまぶしいほど夕日が差し込む。夏は暑くていられなくなるんじゃないかと心配しているが、この季節は窓から差し込む夕日がぽかぽかと温かい。

 明日から3月。3月の声を聞くと、いよいよ春到来といった気分になる。裏の空き地にも、普段にもまして野鳥がひっきりなしに飛び交っている。冬鳥たちはそろそろどこか遠いところへと旅立って行くのだろう。引き替えに、また別の種類の野鳥たちが顔を見せるに違いない。

 

 

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桃太郎伝説

2013-02-27 11:54:30 | 福島

 カフェの開店前に、トトと40分ほどジョギングする。こういう日はカメラを持って出ないのだが、そういうときに限って野鳥の姿をやたらに見かける。きっと昔懐かしいマーフィーの法則が働いているんだろう。マーフィーの法則がどういうものかは知らないけれども。

 羽に特徴的な模様のあるカワラヒワらしき姿を見かけ、薮の中ではエナガが群れてエサを探しているところに出くわした。少し春めいただけで、普段の数倍の野鳥が姿を現している。が、残念ながらカメラを持って来ていないので、今日はさっさと通り過ぎることにする。と、突然バサバサと大きな羽音を立てて1羽の大きな鳥が飛び立った。すぐ目の前を横切って行く姿は、まぎれもなくキジだ。トトも不意をつかれ、ワンワンと大騒ぎだ。

 今まで散歩の途中に、どこからかケーンケーンと鳴くキジの声は聞いていたが、至近距離で見たのは初めてだ。とっさに、近くに野猿でもいないかとキョロキョロする。これで猿が揃えば、犬、猿、キジをと桃太郎の家来の構成員が勢揃いすることになる。もしこの光景を第三者が見たら、僕は桃太郎以外の何者でもないだろう。きっと福島テレビあたりで、「たしかに見たんです。犬と猿とキジを連れたオッサンの桃太郎を」とニュースに流れただろう。

 昨日、すぐご近所の人たちが昼食を食べに来た。給餌台にやってくるヤマガラやシジュウカラに、「あれはこの辺では見かけない珍しい鳥だけど、なんという鳥だろう」と食事をしながら話をしていたので、オレンジのがヤマガラ、白黒のツートンカラーがシジュカラと教えてあげた。数軒隣の家の庭にも、ひっきりなしに飛んでいるので、興味がないというのはまったく目に入らないんだなあと、今更ながら驚いた。

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やせ我慢

2013-02-26 14:31:35 | 福島

 九州にいるときは、真冬でも食事の時にストーブを使うくらいで、ほとんど灯油はいらない。テレビを観る時は毛布にくるまって観る。机について、読書や絵を描く時にはさすがに足先が冷たいのでストーブを使うが、なるべく我慢するようにしている。

 新田次郎の小説「孤高の人」の主人公は、将来エベレスト登山を夢見て、普段から交通手段はなるべく自分の足を使い、冬も庭先で寝袋にくるまって寝るという徹底的な生活を送る。それを真似しているわけではないが、普段からアウトドアで過ごす時間を長くすれば、寒さには強くなる。

 とはいえ、カフェの客に寒い思いをさせるわけにはいかないので、室内はなるべく15度以上に保つようにしている。と、トトとジョギングして返って来たあとでは、15度の室内というのは、メガネが曇り、額から玉のような汗が噴き出す温度なのだ。汗だくだくになって、灯油を大量に消費するのだから、こんなもったいないことはない。

 そんなわけで、九州から来ているわりに、東北の人よりは寒さは感じていない。昔東京で働いていたときに北海道から来た若者が、「東京の冬は寒い。北海道は外に出ないかぎりは半袖で大丈夫なくらい温かい」と言っていたが、かえって北国の人のほうが寒さに弱いのかもしれない。九州の学校には暖房設備はないよと言うと、「えっ?」そんなの信じられないという返事が返って来るの顔をされる。

 そういえば、田舎にいるほうがタバコを買いに出るのでさえ車を利用するので歩かなくなる。そのくらい歩いて行けばと言うと、「えっ」と言われる。都会の人は実によく歩く。文明の利器があるんだから利用しない手はないと考えるか、やせ我慢をしてでもシンプルに生きるかは、人それぞれというところか。

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春はどこに

2013-02-25 17:41:16 | 福島

 最強の寒波が日本列島の上を通過したらしい。あまり実感がないので、あくまで「らしい」としか言えないが、天気予報では最高気温が氷点下2度と言っているので、どうやら寒いらしい。

 カフェがお休みの今日は、カメラを持って近所をぶらぶらした。トトと2時間、ドリと1時間。里山が連なる三春では、3時間も歩けば結構な山歩きをした気分になる。風が強く、おまけに氷点下という寒さだったが、歩いているうちに寒さも吹き飛ぶ。残念なのは、野鳥も吹き飛んでしまったらしく、あまり鳥の姿は見かけない。

 セグロセキレイが凍った池の上を歩いている。

 不思議な足跡が雪の上に残っていたが、ピョンピョン跳ねたような形跡があるので野うさぎだろうか。

 野鳥もいないし、強風のせいで晴れたり曇ったりの天気なので、ただひたすらせっせと歩き回ることにした。

 ローカルな磐越東線。確か2両編成じゃなかったかな。ガタゴトと走りすぎる電車を見ていると、むずむずと春を探しに行きたい気分が盛り上がってくるアベさんなのである。

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地吹雪

2013-02-24 11:34:56 | 福島

 昨日雪かきしたばかりなのに、今朝も起きるとあたりは白くなっていた。積雪はたいした量じゃないが、日中で完全に溶けてしまわないと、翌朝には凍結してどうしようもなくなる。カフェの前の道路は、急坂な上、昼間陽が当たりにくいので、雪かきを怠ると痛い目に遭う。

 今日は最高気温も氷点下なんだそうだ。こんな日でもカフェが始まる時間には、犬たちには外の小屋で過ごしてもらう。世の中には、年がら年中外につながれて飼われている犬も多いんだから、文句言うんじゃないぞ。それに大体トトは子供の頃からずっと外で暮らしてきたんじゃなかったのか。近頃は家の中の快適さにすっかり慣れきり、ストーブの前で腹を見せ、自堕落な毎日を送っている。

 窓から外を見ると、積もった雪が猛烈な風に吹き飛ばされ、吹雪のようになっている。安達太良山の頂上で遭遇した吹雪はこんなものじゃなかったが、それにしても何という風だろう。これが西日本なら間違いなく春一番と呼びたくなる。

 トトは自分の小屋には入らず、大きなドリ小屋へと避難している。そのほうが自分の小屋にいるより温かいと思っているのか、それとも二匹でいるほうが心強いとでも思っているのか。大きな物音の苦手なトトにとっては、雷や風の強い日は、緊張の連続なんだろう。

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再びの雪

2013-02-23 09:32:40 | 福島

 青森の方で観測史上最高となる積雪量を記録したというニュースが流れていたが、朝起きると、5センチほど雪が積もっていた。この季節だから、白くはなっても積もることはないだろうとタカをくくっていたが、まだまだ雪かきが必要な季節は終わってはいなかった。

 トトも近頃はすっかり雪にも慣れたと見えて、朝から散歩に連れて行けとテンションが高い。

 トト同様、最初の頃は「ゆっきー」とはしゃいでいた僕も、雪景色はすっかり見慣れた光景になってしまった。

 物事は慣れてしまうと感動はなくなる。これじゃあいけない、初心に返り、雪を新鮮な目で見ないと、そこに写真の題材を見つけることはできなくなる。

 散歩から戻り、1時間ほど雪かきをした。今までは雪かきの最中に新たに雪が積もり、どこを雪かきしたのかわからないことが多かったが、今朝は雪かきをしている端からどんどんと溶けて行く。終わる頃には、僕が雪かきをした場所はすでにアスファルトが顔をのぞかせていた。それだけ暖かくなったということだろう。

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ピンを抜く

2013-02-22 13:14:57 | 福島

 朝からすっきりと晴れ上がっている。風はあるが、陽射しはずいぶん強くなった。窓から見る外の景色は、もうすっかり春本番といった雰囲気だ。ニュースではあちこちで梅祭りが行われているようだが、残念ながらこの辺の開花は3月になってからだという。もっとも、三春町と梅と桃と桜が一度に楽しめるところから、三春の名があるとも言われているので、梅を愛でる頃には気持ちは桜へと移っているだろう。

 風は冷たいが、少し走れば体は温まる。体が温まれば心も温まる。哲学者のアランによれば、イライラしている人や機嫌の悪い人は、性格だの環境をとやかく言いたがるが、大概は立ち仕事を続けただとか、変な姿勢を取り続けていただとか、そのくらいの理由のことが多いと言う。「幸福論」の最初にある「名馬ブケファルス」では、こんなエピソードが語られる。赤ん坊が真っ赤な顔をして火のついたように泣いている。周囲は、父親に似たんだとか、かんしゃく持ちの気があるとか、いろんなことを言う。が、赤ん坊のパジャマの中にピンが1本紛れ込んでいただけなのだ。妙な理屈を考える前に、まずピンを抜け、と。

 走って体が温まれば、カフェの掃除も楽勝だ。窓拭きも雑巾での床掃除も、寒くて体がこわばっていたときの数倍もはかどる。水仕事だって、火照った体には気持ちがいい。

 カフェの準備が終わった頃には、体はいい具合に疲れているので、お客を待つ間は、ただコックリコックリと舟を漕ぐばかりだ。窓の外ではスズメがチュンチュン、ヤマガラがジージーと飛び交っている。

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雪解け

2013-02-21 14:51:41 | 福島

 都合のいいことに、カフェの裏の空き地は誰も買い手がつかないため、カフェの庭として借景させてもらっている。空き地には数本の柿の木が植えられ、空き地のむこうは雑木林になっているため、ここが住宅地の一角だとは思えないのである。雪が積もると、誰の手も入らないので、いつまでも雪が残る。足跡をつける人もいないので、いつまでも雪は白いままだ。

 1月に積もった雪は、いまだに隣りの空き地を覆っている。が、2月も終わりに近づき、だんだんと雪の量が減り、あちこち地面が見えてきた。ぽつぽつと丸く穴のあいた雪景色は、僕に雪解けの季節がきたことを教えてくれる。毎日寒い寒いと言っていても、春はもうそこまで来ている証拠だろう。

 秋から冬にかけて見かけていた野鳥たちは、暖かくなればどこかへ移動して行くのだろうか。そのときには、また別の野鳥たちが裏の空き地に顔を見せるのだろうか。以前はまったく興味のなかった野鳥だが、近頃はそんなことばかり気にかかる。

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田園と里山

2013-02-20 11:58:27 | 福島

 昨日は、最高気温が氷点下という寒い一日だった。最高気温が氷点下なんてのは、九州にいたら考えられない。大体最低気温が氷点下になることさえビックリするのに。

 今日は陽射しが戻って来ている分、家の中は暖かい。体感気温というのは、何も風が吹いたときだけのことではなく、窓の外がぽかぽかと暖かそうなときには、目から入ってくる情報で、ずいぶんと心の温かさが違う。

 寒い時こそジョギングだと、トトを連れてお宮まで走って来る。青空が広がり、畑のあちこちにはまだ雪の残る世界。強烈な陽射しが、雪の上に青い影を作れば、春先の雪解けを思い起こさせる。風は冷たいが、体はぽっぽと熱を持ち、木々の間を抜けて来る風が気持ちいい。

 九州では田園地帯に住んでいたため、どこまでも平らな世界が広がっていた。ぐるりと周囲を見渡せば、半径500メートルに誰もいないのが確認でき、広い空と大地を独り占めしている気分にさせてくれた。

 それに引き替え、三春町は小さな里山が連なってできたような土地だ。幹線道路も谷に沿ってクネクネと曲がり、数キロの直線道路なんてのはどこにもない。従って、視界はひどく利かず、写真を撮ろうにも、どこも雑木林ばかりで代わり映えがしないなと感じていた。

 が、住めば都である。田園とは違い、ここは野鳥の宝庫である。田園では春はどこまでも麦、夏はどこまでも稲穂と単調な風景が続き、季節の営みは人間の営みとシンクロする。里山の雑木林は、紅葉や新緑、夏鳥や冬鳥といった季節の移り変わりが、人間とは関わりなく息づいているのである。住めば都とは、その土地は住んでみなければわからない味わいがあるということである。旅行くらいではわからないものが、たくさんある。

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白鳥の川

2013-02-19 07:54:51 | 福島

 近くの阿武隈川に白鳥が飛来しているというので、見に行くことにした。阿武隈川は、高村光太郎の詩、「あれが阿多多羅山(あたたらやま) あの光るのが阿武隈川(あぶくまがわ)」で有名な第一級河川だ。

 カフェから車で5分ほど、あっという間に白鳥飛来地に着く。川の土手には、飛来地を示す看板が立っている。車を河原に止めると、すでにカメラを構えた野鳥おじさんたちがいる。三脚にでっかい望遠レンズのついたカメラと、機材はプロ並みだ。でも、初期投資はかかっても、趣味としてはパチンコなんかに比べると安上がりだろう。

 それにしても、車を降りた途端、ギャーギャーと物凄い鳴き声だ。数年前に鹿児島の出水市に鶴を見に行ったことがあるが、あそこほどではないにしても、餌付けをしているらしく大変な賑わいだ。

 先日会津若松に電車で行ったときには、雪の積もる田畑の上を1羽の白鳥が優雅に飛んでいて、北国の風情を盛り上げてくれた。が、餌付けをされた白鳥を見るというのは、動物園と同じで野性味は少なく、その分感動も薄い。

 カメラを構えてはみたが、動物園で写真を撮るのと同じで、これだったら家に来るスズメを撮っているほうが楽しい。

 泳ぐ姿は確かに優雅そのものだなあ、と感心していたら、餌付けされている悲しい性で、人の姿を見つけるとどんどんと集まってくる。しまいには、目の前に白鳥やらカモやらが、ラッシュアワーのように集まってきた。気持ちわるっ。

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