どうしても背中のコブが痛いので、ネットで調べてなるべく近くの病院に行くことにした。術後も消毒やら何やらで、きっと一度っきりというわけには行かないだろうと考えたからで、それならアクセスが良く、すぐに行ける場所にしたかったからだ。で、三春町の町立病院にはピロリ菌の時に一度お世話になっているから(その時には胃潰瘍の後だったので検査は取りやめになった)、場所も勝手もわかっているので行くことにした。外科も皮膚科もあるので、場合によっては「あっちへ行ってください」ということもあるだろうから、いろいろあるほうがきっと便利とも考えたのだ。
で、ネットでは午後の外来は2時からとあったので、間に合うように出かけ、受付で症状を話すと、「今日は内科の診療だけなんです」と言われてしまった。そんなことはHPには書いてなかったぞ。じゃあ、次はいつ来たらいいんですかと聞くと、「ちょっとお待ちください」と言う。で、ぼんやり椅子に腰掛けて待つが、待合室には人がまばらにしかいない。内科の診察だけとなると、こんなもんなのかなとも思う。
と、受付の人が、内科の先生が外科も見てくれるらしく、会議の後の3時くらいからなら診察できますがという。じゃあこのまま待っていますとお願いした。問診票を渡されたので、机に向かって書いていると、看護婦さんがやって来て「この背中のコブがそうなの。服の上からでもわかるね」と感心される。
ところが、半分も書き終わらないうちに、「今から診察しますので」と、急遽会議の前にやることになったようで、そのまま診察室に連れて行かれる。服を捲り上げ背中を見せると、先生は一瞥するなり「粉瘤ですね」とパソコンの中のカルテに病名を打ち込んでいる。前もって調べて来たからどんな症状かわかるが、「それだけかい」と心の中で思う。耳で聞いただけじゃあ、「噴流」とか「奮竜」とかの文字を思い浮かべそうだ。火山の火砕流か相撲取りのシコ名みたいではないか。
すぐに後ろのベンチに横たわると、心の準備もなしに処置が始まる。「麻酔はかなり痛いので我慢してください」と言われ、注射針の痛みを想像していたら、何やら棒のようなものを背中の中に突っ込まれ、ゴリゴリグリグリこねくり回されるような激痛が続く。おまけにちっとも麻酔が効いてるとは思えない痛さで、そのあとの切開も、膿を出すために再びゴリゴリグリグリやられるのも、何やらを吸引するのも、針で縫うのも、すべて感触が丸わかりで、終わった時にはヘトヘトになっていた。
薬局により処方箋どおりの薬ができるのを待っていると、薬局の人に「風邪気味ですか」と尋ねられる。「いえ、背中を切開して膿を取り出して来たんです」と、背中に座布団みたいにガーゼを貼り付けられ、セムシ男みたいになっているのを見せてあげる。
で、今朝は朝9時から診察しますからと予約をしてくれたので、早速出かけてみると、病院は年寄りで超満員だった。僕は予約しているので、「アベさ〜ん」と呼ぶ声を聞きながら余裕で立ち上がる。が、診察室に行くのかと思いきや、連れて行かれたのは病室のベットのひとつで、ここでうつ伏せになって待つようにと言われる。背中を見るだけと思っていたので、嫌な予感に包まれるが、先生はやってくるなり説明もせずに背中の消毒を始めた。
これがまた痛いのなんの。麻酔もないまま、一旦縫った傷口を開け、そこに消毒液を流し込んだり、傷口をゴリゴリして、再び縫って傷口を閉じるまで、僕は自分で自分の唇を食いちぎるんじゃないかと思うくらいの力で踏ん張っていなければならなかった。麻酔も痛いのかもしれないが、麻酔なしもやっぱり痛いぞ。
では、「また三日後」と言い残し先生は去って行ったので、一体この拷問がどこまで続くのだろうと、傷口の処置をしてくれている看護婦さんに症状を尋ねると、「背中を4センチくらい縦に切っていて、化膿状態が悪かったので、ダメな細胞をすべて除去して傷口がきれいになったら縫合します。でないと、縫った後で再び化膿しますからね」とのこと。「消毒した傷口にはたっぷり軟膏を塗り込んでますからね」とは、大変ありがたいことである。それにしたって、まだ縫合手術は手付かずだったのか、と今更ながらに驚くアベさんなのである。