おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

キラキラ

2012-11-30 12:50:48 | 福島

 昼間、カフェを営業している間は、犬たちは外にある自分の小屋の中で、惰眠をむさぼっている。陽射しがあり暖かい日などは、腹が減った時だけごそごそと小屋から這い出し、サッシの向こうからおやつをくれと催促する。おやつがもらえないときは、わざとキャンキャンワンワン吠えて、ご近所に迷惑になる程度に騒ぐ。そうすると飼い主が堪忍袋の緒を切らして、おやつを投げて寄越すことがあるからだ。

 が、実際はそう簡単にはおやつは手に入らない。結局、小屋の中へとごそごそと退散して、再び冬の日の惰眠をむさぼるのだ。

 犬たちの食事は、朝晩の2回、どちらも散歩の後と決まっている。これだけは衆議院が解散しようと変えられない我が家の決まり事だ。そういうわけで、犬たちは腹が減ると、まず散歩に連れて行けと催促する。だから、雨が降ろうと凍りつくような風が吹こうと、散歩ほど楽しいものはない。お腹の中の不要になった大きいのも小さいのも、散歩のときはすべて出す。

 帰って来ると、お待ちかねの食事の時間だ。このときばかりは、こいつらこんなに行儀が良かったのかと飼い主が驚くくらいに言うことを聞く。言わなくてもお座りする。座るだけでは足りないと思ってか、ペタッと伏せまでする。

「まだだぞ。待てよ」

 食器を前に、両手をきちんと揃えて、背筋をピンと伸ばしてお座りをする犬たちの瞳は、夜空の星のようにキラキラと輝く。こんなふうに。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クチコミ

2012-11-29 09:10:38 | 福島

 何度かのやり取りをした後、昨日からクチコミ情報サイト「ふくラボ」に掲載されるようになった。まずは新着情報とアトリエ・カフェ青い犬の基本情報のふたつ。今後、カフェ日和というコーナーでも取り上げたいということなので、もっと詳しく紹介してもらえる予定だ。

 ふくラボ

 今までは、宣伝もせず道路に立てた案内板も1枚きりでは、近所の人と知り合いくらいしか来るはずもなく、他の人に言わせれば「そんなんでやる気あるのか」というところだっただろうが、なにしろ何もかもがど素人が始めたことなのだ、いきなりエンジン全開でぶっ飛ばすわけにはいかない。普段使わない脳味噌を使いながら、えーと、エンジンをかけたらサイドブレーキを戻すんだっけな、それから、そうそう、ギアを入れなきゃな。前後左右の安全も確認しとかなきゃなと、車の運転に例えるとこんな感じで、いきなりわっと押しかけられても対応に困るのだ。

 で、ぼちぼちとやって来たが、これからはもっと対応をスムーズにしたり、メニューを増やしたりと、次の段階へとステップを踏みたい。それにはそろそろ宣伝をして、お客さんを徐々にでも増やして行かなければならないだろう。

 というようなわけで、「アトリエ・カフェ 青い犬」に来たことがない人も、あることないことデマやらでっち上げでも、せっせとクチコミサイトに書き込んで、青い犬を盛り上げようではないか(と、あくまで他人任せなアベさんなのである)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初氷

2012-11-28 08:36:30 | 福島

 昨日、ちらほらと舞った初雪に続き、今朝は初氷というのかどうかは知らないが、鋤き返されてできた田んぼの水たまりに氷が張っていた。やはり東北だなあと思っていたら、去年に比べても、10日以上早い初雪だったらしい。

 氷点下になるという予報だったが、幸いにして風がないので、身を切るような冷たい空気だが寒さは感じない。坂の上までジョギングするだけ、早くも体はポカポカだ。

 寒いと野鳥のさえずりもあまり聞こえなくなる。木々も落葉が進み、裸になったものも多い。我が家のマスコットであるヤマガラは、餌にしていたエゴの木の実がなくなるにつれ、給仕台に播いた餌の中から、ヒマワリの種ばかりをさらって行く。スズメと違い度胸があるのか、僕がすぐ近くまで寄っても、何喰わぬ顔で餌をついばんでいる。

 ドリもトトも寒くなったので、日中は外の小屋の中にいることが多くなった。誰かがやって来ると、パッと飛び出しワンワンやるので、犬嫌いの人は怖がって近寄れない。看板犬としてよりも、番犬として客を追い払うほうに懸命になっているようだ。

 夕方、一日の勤めを終えた犬たちを家の中に入れてやると、ドリは大喜びで跳ね回り、トトはストーブの前で自分の毛をチリチリと焼いている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初雪

2012-11-27 12:41:50 | 福島

 天気予報では、今日は雨か雪と言っていた。まだ11月だというのに、もう雪の予報なんて、気が早すぎるんじゃないかと思っていたら、なんと窓の外でハラハラと白いものが舞っている。いやあ、やっぱり東北、寒いなあ。

 そういえば、昨日美術館に行ったときに、車窓の近くをふわふわと雪虫が舞っていた。雪虫を見ると雪が降る、と地元の人が言っていたが、本当に雪になった。ちなみに雪虫は、別名しろばんばと言うそうだ。それなら知ってる。小学校のとき、読書感想文を書くための参考図書になってたやつじゃなかったろうか。怠け者の僕は本は読まなかったが、そのタイトルから、白髪のヤマンバの話だと思っていた。「お客さん、今日はいい肉が手に入ったで、ゆっくりしていきなされ」と、出刃包丁を砥いでいるところを勝手に想像していたのである。

 それにしても、こう寒くっちゃあ、カフェの客足は遠のくばかりだ。暇なのでパソコンを立ち上げると、この前取材を受けた口コミサイト「ふくラボ」から原稿が完成したとメールが来ていた。NEW OPENのページと、カフェ青い犬の基本情報の2ページを校正してほしいとのこと。2、3訂正し、返信しようとしたら、メールの下のほうにまだリンクが貼ってある。なんだろうとクリックすると、同じ「ふくラボ」の中に、編集部が遊びでやっているような写真のコーナー「ふくしまを、キリトル」というページが出てきた。そこになんと、アベさんが臆面もなくオッサン顔をさらしているではないか。

 個人情報の流出どころの話ではない。なんということだ。もし、ハッカーがこれを見つけていたずらしようと思ったら、鼻毛や野太い眉毛を描き加えることなど屁でもないだろう。

 編集部の人も悪趣味だなあ。福島を切り取りたいのなら、もっと他に切り取るものがありそうなものを。趣味のいい人たちは、断じて「ふくラボ」の中に、アベさんを探さないように。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書を見に行く

2012-11-26 16:55:40 | 福島

 定休日の月曜日、先週に引き続き雪の安達太良山にでも行こうかと考えていたが、天気予報では雨になるというのであきらめ、代わりにいわき市にある「金澤翔子美術館」に書を見に行くことにした。なぜ、書かというと、 「アトリエ・カフェ 青い犬」の店名にもなっているアトリエは、イラストや彫刻のほか、書も飾ってあるからだ。正確にはカフェをやっていないときは、書道教室も開いているのだ。

 いや、もっと正確には、もともと書道教室をやっていたのを、僕がそれ以外の時間を利用して、カフェをやらせてもらっているのである。

 さて、僕は知らなかったが、金澤翔子という人は、NHK大河ドラマの「平家物語」のタイトルを書いた女流若手書家だ。ダウン症というハンディを母親とふたりで乗り越え、書に生きる道を見出したことは、健常者としては頭が下がるばかりだ。この物語はテレビでも紹介され、今や人気書家となったのである。

 僕は素人なので、上手なのかへたくそなのかは全然わからない。ただ、どこまでものびのびとした書体が、ダウン症というハンディをまったく感じさせないことに、ただただ感心するばかりなのだ。

 ただ、どうしても気になることがひとつある。それは書家本人には関係なく、周囲の人間によって「純粋な」とか「無垢な」とかいう形容詞がたくさんつけられてしまうことだ。私利私欲とか野心とかいう言葉はまったく入り込む余地のない、神の子であるかのような感想が、僕に新興宗教を想像させてしまうのである。

 あらためていうが、書にはひどく感心した。そこには、喜びも悲しみも、書に託すことしか知らない人の作品がある。それ以外の感想は、僕にはいぶかしく感じる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

里山歩き

2012-11-25 08:38:04 | 福島

 連休最終日、寒さも柔らぎ天気もなんとか持ちそうだ。が、明日の休みには再び山歩きに出かけようと思っていたが、こっちのほうは明日は雨らしく、どうやら無理なようだ。

 雲が多くどんよりとした空だが、雲間から朝日が差し込むと、雑木林はパッと明るくなる。里山は紅葉もそろそろ終わろうとしている。風もないのにハラハラと枯葉が舞う。

 毎日歩く散歩道だが、季節の移り変わりでいろんな表情を見せる。カメラを持って出るだけで、散歩もレジャーに早代わり。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

通信簿

2012-11-24 10:11:03 | 日記

 毎日新聞の記事に、民主党が政権を取っていた間に、マニフェストをどれだけ達成したかを、通信簿みたいに5段階評価したというのがあった。子育て・教育の3.2が最高で、外交の1.6が最低、平均2.2という成績だった。小学生の頃の通信簿だったとしたら、親に見せるのがはばかられる点数だ。

 そんなことで、民主党の先生方は選挙を前にして一生懸命自分たちがふがいなかったことを謝罪する。力が及ばなかったので今度こそと言う。いやいや、国民の生活を実験台にしてもらっては困るのだ。

 だから経験のないところは困ったものだ、ここはひとつ十分な経験を積んだ僕らに日本の舵を取らせて欲しいと、自民党の先生方は鼻息も荒い。いやいや、あなた方が長い間政権についていた間に、日本という国は硬直化し、利権争いで虫食いだらけになってしまったんじゃなかったか。そんな政治に国民が愛想を尽かしたのは、ほんの3年前である。

 じゃあ、第3極と呼ばれる勢力に期待するか。改革を声高に公約に掲げる姿は、3年前にすでに見た。政権を取るためには、主義主張の異なる人たちとも手を握る姿も3年前に見た。今回は違うと訴えようと、信用はできない。

 通信簿には、生活態度の評価があったり先生からの連絡欄があったりする。せめてそんなものでもないと、今のままでは誰が本気で誰が適当に調子を合わせているか、なかなか見抜くことは難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宣伝活動

2012-11-23 13:30:42 | 福島

 お客さんから、「雑誌か何かで紹介してもらったことはあるの」と聞かれ、「リビング郡山という広報紙に」と答えたついでに、「この後3時から、別のところの取材も受けるんですよ」と教えると、面白そうだからそれまでいようということになった。3時過ぎ、「ふくラボ」とロゴの入った派手な車が到着すると、「わあー、なんて派手な車」とおばちゃんたちはテンションが上がっていた。

 お店のセールスポイントなど、ありきたりな受け答えをしていたら、記者の人から「関西の人ですか」と尋ねられた。関西弁ではないが、西日本から来た人間のイントネーションだったのかもしれない。「大分です。まだ、住所は大分のままで、カフェを作るのに二ヶ月ごとに行ったり来たりしてました」と言うと、途端に興味深々だ。

 去年、仕事を辞めてのんびり日本中を旅行するはずが、旅行の寸前に東北の地震があったこと、原発事故で大騒ぎになっている福島で案内をしてもらったのをきっかけに、人のつながりができ、旅行を途中で辞めてその資金でカフェを開設することにしたことなどを話すと、「感動しました」と目をきらきらさせている。おそらく勝手にシナリオを書き上げたのだろう。

 「応援します」という、やたらに乗る気になった記者は、テレビとかの媒体の取材は受けましたか、とか、1月号のカフェ特集では、もう一度詳しく取り上げるのでそのときはよろしくお願いしますだの、人物紹介のようなコーナーがあるので、写真を撮らせてもらっていいですかと、僕の顔をアップで撮りはじめる。「はい、カメラ目線で。今度は目線をそらせて」と、グラビアアイドルだ。オッサンなのに。

 オープン景気が過ぎ、次第に客足が減ってきているだけに、今回の取材は大きな宣伝になるかもしれないなという打算の中、耳まで真っ赤にして写真を撮られるアベさんなのであった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電話

2012-11-22 10:44:34 | 福島

 今日、「ふくラボ」という情報誌が取材に来る。ネットで紹介してもらうためだが、申し込んだのが1ヶ月前とあって、むこうから取材の申し込みの電話があったときには何のことやら見当がつかなかった。そういうわけで、電話の応対もキャッチセールスかオレオレ詐欺に対するみたいにぶっきらぼうになってしまった。電話で応対しながら「事務的な話し方だなあ」などと考えながら応対していたが、むこうはむこうで申し込んでおきながらぶっきらぼうな受け答えなので、なんだこいつ、と思ったに違いない。

 この前「リビング郡山」という広報紙に取り上げてもらい、「リビング郡山を見て来ました」というお客さんには、絵はがきを1枚プレゼントすることになっているのだが、いまだそんなことを言いながらカフェにやって来るお客さんはいない。広報紙や情報誌を見る人は多いが、だからといって行動に移す人が多いのかというと、そんなことはない。

 かつて、パソコンを購入したとき、無料でHPが開設できるならやらないのはもったいない、とばかりに「田舎で暮らす」を立ち上げた。あの頃はブログやツイッターなどはなかったから、あちこちから興味を持ってもらえた。西日本新聞や大分合同新聞などの地方紙、車やペットの雑誌など、HPの紹介欄で取り上げられたが、だからといって特別アクセス数が増えるということはなかった。

 そういうこともあり、宣伝というものに関しては僕は懐疑的だ。行列ができるとなると並びたくなる人、新製品が出るというと、三日も前から店の前で野宿して一番乗りを目指す人を動かすのが関の山だろう。そんなのが来ても来なくても、僕としてはどうでもいい。受け答えが、ぶっきらぼうになるのは仕方ないのだ。

 電話と言えば、最近車検を出した車屋から、「自賠責保険」の書類を書き間違ってましたので、正しいのと交換したいと言ってきた。大分にいないので、郵送でやり取りするしかなく、こちらの住所を伝えた。自分の持ち家にいるわけではないので、当然のことながら福島県の住所の最後で「××宅でお願いします」と付け加えた。と、受話器から聞こえてきたのは「たく様方ですね」という、トンチンカンな返事だった。

「いえいえ、たく様方ではなく、××宅というのは××方という意味です。様方じゃありません」
「はい、たく、様方ですね」
「いいえ、××方です」
「はい、わかりました」

 こいつ、絶対わかってないなと思いながらも、これ以上説明するのは面倒臭いので放っておいたら、届いた郵便は「××卓様方」になっていた。どうにも電話というのは、正確には伝わらない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安達太良おろし

2012-11-21 07:43:20 | 福島

 安達太良山に行っていた間だけが、馬鹿みたいに天気が良かった。青空が広がっただけでなく、ほとんど無風状態だった。ここ数日は、嵐のような日が続く。登山中にこんな天候に遭ったら、低体温状態になって体が動かなくなる、ということだってあるだろう。実際、山頂に向かう牛の背は、まさに牛の背中の上を歩いているようなものなので、会津の方から上って来た冷たい風が、猛烈に吹いていた。

 いつもこの時期はこんなに荒れるのか、と地元の人に尋ねると、この辺は風の強いところだからという答えが返ってくる。ミストラルとか、シロッコとか、風にもいろいろ名前がついている。日本でも六甲おろしとか、からっ風とか、地方によって独特の名前がついている。この辺のは、安達太良おろしというそうだ。あの尾根で受けた風が、尾根を越えて郡山方面に吹き下ろすということなんだろう。

 政治の世界でも、最近「野田おろし」とか、ちょっと前なら「菅おろし」だのいうのが話題になっていたが、あれも猛烈に激しい風だったんだろうな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする