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おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

初夏の気配

2025-04-17 11:20:20 | ランニング
 昨日まで冷たい雨が降り続き、せっかく満開になったソメイヨシノもさっぱりだ。おまけに散歩の途中で雹まで降ってきて、寒いのなんの。とてもゆっくりお花見をしているどころではないのだ。

 ところが今日は夏日予報だ。一気に10度近く気温が上がるというので、チャンスを逃さないように予定を繰り上げランニングに出ることにした。途中で暑くなるだろうから、ウインドブレーカーも必要ないだろう。

 ソメイヨシノは満開を迎えたが、山桜はこれからだ。桜は日本の花だとはよく言われているが、ソメイヨシノだとちょっとイメージが違う。「敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花」(本居宣長)と歌われたように、日本の花は桜だが、その桜は山桜でないといけない。



 山桜の可憐さは、何と言っても葉っぱと花のコラボレーションの美しさだ。エンジ色の葉っぱと花の淡い色の組み合わせは、いかにも日本的な繊細で奥ゆかしい彩りなのである。普通に見て、ソメイヨシノの柄の着物よりも、山桜の着物の柄の方が上品に思えるのは僕だけだろうか。

 田んぼはあちこちで耕運機が田おこしを始めている。昨日までの雨で、田んぼはすっかり水浸しだ。そんな田んぼから、今日はカエルの鳴き声が一斉に聞こえてくる。田んぼの脇の道路を走りながら、カエルの大合唱を聞くのは夏が来たようで楽しい。

 田んぼの土手には今は菜の花が満開になっている。青い空を切り裂くように、小さなツバメが飛び回っている。



 久しぶりの快晴の下、20キロを2時間かけて走ったが、いつもより軽い気持ちで楽々と走れたのであった。
 

桜のトンネルを走る

2025-04-12 12:02:06 | ランニング
 ようやくソメイヨシノの満開が近くなってきた。あと二、三日で見頃だと思うが、あいにく明日からは雨の予報だ。とりあえず今日のうちに走ってこようと出発する。

 1時間半ほどあちこち走って小さな公園に到着する。ここは川沿いに桜並木があり、散歩がてら桜を見る人、自転車でやってきてカメラを構えている人がいた。東京だったら大変なことになるだろうが、この辺ではソメイヨシノくらいでは人は集まらない。









 桜のトンネルを走り、通り抜けたところで休憩がてら同じ道を引き返した。今度は歩きながらの鑑賞である。

 ランニングをしていると、ストレス解消になるという話を聞くことは多い。確かに体を動かしていると、少々の悩みなら小さなことのように感じて、くよくよしていることがバカバカしくなる。が、それはあくまでもクタクタになるくらい体を動かした後のことで、走り始めの時には案外考えなくてもいいようなことばかり頭をよぎり、かえってストレスが溜まりそうなときもある。

 それはちょうど見たくもない夢を見てしまった後のようで、夢に見なければこんな気持ちにならないのになあというのと同じだ。単調なリズムで走っていると、すっかり忘れていたようなことまで思い出したりして、足が重くなったりするのである。

 が、そこからが頑張りどころである。悪夢を振り払うようにがむしゃらに足を前に進めているうちに、体はランニング以外のことにはエネルギーを使わなくなり、世の中のほとんどのことがどうでも良くなってくる。目標はただひとつ、なんとか家まで帰りつきたいということに限られてくるのである。おまけにエネルギーが切れ、何かを口に入れないと前に進めなくなるような場合は、家に帰ったらあれを食おうこれを食おうということしか考えられなくなり、自分がいかに人間である前に、生物でしかないのだと痛感する。


ヒバリの声を聞きながら

2025-03-27 11:17:05 | ランニング
 昨日は一日中、暴風が吹き荒れた。トラックはひっくり返っているわ、屋根は吹っ飛んでるわ、新幹線は止まっているわで、我が家も今にも壊れるんじゃないかというくらい、ガタガタとうるさいほどだった。少しでも風が弱まればランニングに出ようと思っていたが、結局夜まで強風は吹いていたため、家の中でじっと過ごした。

 そんなわけで、今日は風がおさまっているので早速ランニングに出た。今日の最高気温は20度を超えるようなので、ジャージをやめてランニングのタイツと短パンといういでたちだ。上は風が出てきた時用にウインドブレーカーは着て行くことにする。汗をかいたところに風が吹くと、体が冷えやすいからである。最高気温は高くなるとはいえ、午前中はまだまだ寒い。

 暖かくなって嬉しいのは、靴底が冷たくないことである。真冬の間は凍りついたような路面から、しんしんと冷たさが足の裏に伝わり、走りながら足の裏の感覚がなくなっていくほどである。それはちょうど正座をして足が痺れた状態に似ているので、走っている際の着地がなんともおぼつかなくなる。ヘタをするとくねっと捻挫する可能性だってあるのだ。それがなくなるだけでも、暖かいのは嬉しい。

 昨日はテオの散歩でさえ、マスクがないと喉が痛くなるほど黄砂がひどかった。今日は花粉は飛んでいるようだが、黄砂はないようだ。ぼんやりとした春霞が空を覆い、そよそよと風が吹く。久しぶりの気持ちのいいランニング日和にテンションは上がる。

 阿武隈川の土手を走っていると、土おこしが済んだ田んぼの上をヒバリが盛んに鳴きながら飛んでいる。ピーチクパーチク鳴く声を聞くと、春が来たなあと気持ちになる。ウグイスとヒバリが、僕の中では春の訪れを告げる二大野鳥かなと思う。などと考えながら、2時間20キロを走ってきた。

 雲雀より 空にやすらふ 峠哉(芭蕉)

 天に雲雀 人間海に あそぶ日ぞ(一茶)
 
 夕ひばり 鎧の袖を かざしかな(蕪村)

 雲雀たつ 荒野に生ふる 姫ゆりの 何につくとも なき心かな(西行)

天気がいい日はランニング

2025-03-10 11:51:21 | ランニング
 昨日まで路肩に雪が残っていたので、今日こそはとランニングに出ることにした。雪が積もっていたり路面が凍っていたりすると、いつ転ぶかしれたもんじゃない。メガネをかけていても、足元はかなり怪しいからだ。今まで転んだ回数は数知れず、中でも一番ひどかったのが、下り坂を全力で走っていた時に、路面のアスファルトのシワみたいなほんのちょっとした突起につま先を引っ掛け、2、3メートルは吹っ飛んだことがある。両膝、両肘は擦り剥け、両手首は数ヶ月間痛みが取れなかった。

 で、どうしても滑りやすい路面の時には、最初から走らないことに決めている。近所に年がら年中走っている人がいるので、「路面が凍っている日や積雪が多い日はどうしてるんですか」と尋ねると、「トレラン用のシューズだから大丈夫」という返事。トレランとはトレイルランニングの略で、登山道やら舗装していない道やら、獣道みたいなところを走るスポーツだ。

 だからと言って僕がトレラン用のシューズで走ったら、やっぱり凍った路面でツルッと行きそうだ。そんなこともあって、高価なトレラン用のシューズを諦め、普通のランニングシューズで走っている。そういうわけなので、天候次第でどうしても走れない日ができてしまう。5日に一回ペースで走りたいが、冬場は1週間は走れないということも多い。



 天気予報では今日は晴れ。午前中は5度、お昼には10度まで上がる。風は強いものの、今日を逃すと次またいつ走れるかわからない。最近は春めいてきて、三寒四温を繰り返しているからだ。



 朝起きた時から、何となく頭痛がしていたが、走っている最中は気にならない。人間、体がキツくなればなるほど、軽い痛みは忘れてしまうものだ。悩みも同じで、くよくよしているくらいなら、くたくたになるまで自分に嘘をついてでも没頭するのが良い。

転ばないように

2025-01-14 11:04:20 | ランニング
 三日前に降った雪のせいで、ランニングに出るのを延期していた。積雪の上をザクザク走るのも楽しいといえば楽しいのだが、雪の下の道路が凍結していたりすると、いつずるっと滑るかわからないので、走りに集中するよりも、足元の確認に忙しい。それではとてもランニングとは言えないのだ。

 昨日は大丈夫かなと思ったが、朝の散歩ではまだまだ日陰に凍った場所があちこちにあった。雪かきしていても、そこから溶け出した水が道路一面を流れ、それが凍るので積雪よりも始末が悪い。アスファルトの黒い濡れているような場所は、スケートリンクのようにツルツルになっていることが多い。ランニングシューズでは、間違いなく踏ん張れない。

 というわけで、予定を1日繰り下げ、今日はランニングに出発した。まだまだ凍っている場所があるので、日当たりのいい阿武隈川の堤防の上を行ったり来たりして2時間ほど走った。完全に日陰の部分は、一旦立ち止まって抜き足差し足千鳥足でゆっくりと凍った場所を抜ける。せっかくリズム良く走っていても、そこで調子が乱れペースが掴めない。雪山を歩いたり、雪の積もった里山を歩くのは楽しいが、ランニングには雪はまったく向かないのだ。



 というものの、5年前に比べても雪はめっきり減った。日本海側は馬鹿みたいに降っているが、それもこれも地球温暖化のせいである。寒いより暖かい方がいいのは人間だって猫だって同じだが、暖かければ暖かいでいろいろ支障が出てきてしまうというのが、人間の生活の厄介なところなのである。


初ランニングへ

2025-01-03 10:55:43 | ランニング
 初詣はまだ行っていないが、書き初めはやった。お屠蘇は飲んでないが、日本酒は飲んだ。年賀状の返事も書いたし、とりあえずお正月らしい日々を送っている。

 天気予報では今日の夕方から雪になるようで、明日にかけ降るとなると朝には道路が凍っているかもしれない。走るとしたら今日しかないと、朝食後はすぐに着替えてランニングに出発だ。

 年末年始は面白いテレビ番組もないので、ネットでクライマー山野井泰史さんの映画を観る。すでに一度見ているが、何度見ても感動するのだ。事実アマゾンプライムでの評価は5段階の満点なのだから。ちなみに山野井さんと妙子さん夫婦は、長い間奥多摩に住んでいたが、最近伊豆に引っ越した。それが僕の妹の嫁ぎ先と同じ地区なのでビックリだ。妹夫婦に「最近世界的クライマーの山野井さんという人が近くに越してきたはずだが」と聞いてみたが、「さあ」という返事だった。確かに僕に「近くに有名なパチプロがいるはずだよ」と仮に言われたとして、「さあ」というくらいの興味しかないのは仕方がない。

 それはともかくも、とにかく改めて感動した。「潜在能力のすべてを出し切らないと帰還できない」という趣味というのは、一体どういうものなのだろう。ただ自分の好きなことだけをやり続けて、それで生計が立っているわけだから、人生の達人だとも言えるのである。

 で、そういうものを観た後でボヤボヤ人生を過ごしているわけにはいかないので、今日は限界まで走ってみることにした。いつもは30分に一度くらいは熱中症対策に水分補給の休憩を入れているが、今日は行けるところまで行って水分補給をし、休憩なしに2時間走ることに決めていた。

 腕時計のストップウォッチでタイムを計測しながら、とにかく頑張って走る。気分一新にと、いつもとコースを変えてバイパスの側道を走ることにする。普段は車の通りが多くて排気ガスを吸うのが嫌で避けているが、この時期ならそんなに車も多くはないだろう。





 日陰になっているところでは時々凍っているところもあったが、滑ることもなく1時間半ほど走って水分補給する。あまりの急な上り坂についに足が止まったのである。



 そのあとは再び快調に走り、2時間ジャストで家に帰り着いた。ほぼ2時間走りっぱなしだったので、これで20キロを走っていたら大満足である。

 着替えを済ませ、リュックからスマホを取り出すと、万歩計のアプリで距離を確認する。と、いつになっても準備中の表示が出て、なかなか計測した距離が表示されない。どうした。新年で正月ボケしたか。

 するとようやくアプリが起動し、ステップ、距離ともにゼロの表示。なんてこった。どうしたわけか全然動いていなかったじゃないか。ああ、残念。せっかくの新年初走りだったのに。うー、スマホのいけず。

寒冷順化

2024-12-08 12:12:15 | ランニング
 暑熱順化という言葉がある。消防士なんかはどんなに暑くても防火服に身を包み、炎の燃え盛る場所で仕事をしなければならないから、日頃から猛烈な暑さに順化するための訓練をしている。

 暑熱があるのなら、寒冷順化があるのかどうかは知らないが、この季節、九州の生ぬるい気候に慣れた体で東北に移動するというのは、体がビックリしてしまうのである。

 今日はそろそろ新幹線のチケットを取っておいたほうが無難だろうと、最寄りの駅までランニングすることにした。足がないので5キロほどの道のりを、自分の足で行くかチャリで行くしかない。一見自転車のほうが楽だろうと思うだろうが、今日はどんよりと曇り、氷雨でも落ちてきそうな寒さである。日本海側は大雪予報が出ているくらいだ。おまけに風も強いので、こういう時の自転車は地獄である。ちっとも前に進まないし、寒いばかりで温まらない。



 その点ランニングなら汗びっしょりになる。それに今のうちに寒冷順化を済ませておいたほうが、東北に戻ってから寒さにビックリしなくて済むのだ。

 駅でチケットを取ると、最近の傾向だが「窓側の席の指定はありません」と言われる。おそらく外国からのツアー客が早々と予約しているのだろう。そのくらい新幹線や駅のホームは外国人だらけなのである。



 チケットを購入したあとは、そのままランニングを続けた。途中ランニングをしている若い人とすれ違ったが、僕のようなジジイで走っている人は見かけなかった。近頃はランニングしていても、以前と比べひとつだけ階段を上がった気がしている。短距離なら若い頃には負けるだろうが、5キロ以上なら今のほうが断然早い気がする。10年前よりも5年前よりも、体力がついたみたいだ。



 このまま歳を取り続けて行けば、どこまで体力と記録は伸びて行くのだろう、と普通と反対のことを考えながら、寒空の下で走っているアベさんなのである。

冬の海浜公園

2024-12-04 12:16:36 | ランニング
 天気がいいんだか悪いんだかわからない変な天気だが、寒いときには走るに限ると出かけることにした。先日読んだ86歳のランナーの新聞記事も少し刺激になっているのである。

 さて、今日はどこを走ろうかな。どうせならまだ走ったことのないところを走りたい。海か山か。よし、昔よくトトを車に乗せて連れて行った和間海浜公園まで走ってみようかな。車でしか行ったことがないから、どのくらい距離があるのかわからない。前回がお隣の中津市の境界近くまで走ったので、今日は反対側のお隣になる豊後高田市方面だ。どのみち同じ市内を走るのだから、走れない距離ではないだろう。



 あやしげな雲の下を1時間ほど走ったところで、海に通じる直線道路に出た。突き当りあたりに海浜公園があるはずだ。天気も心配していたほどではなく、海の方は晴れているようだ。



 そう言えば、このあたりは何年か前に、調子が悪くなった飛行機が不時着したというのでニュースになっていた。操縦士も民家が少ないのをなんども空を行ったり来たりして確認し、田んぼに着陸したということだった。確かに民家らしい民家はないのである。



 ということで1時間ほどで到着。この海浜公園はトトとしょっちゅう散歩に来ていた思い出の場所だ。チャプチャプと打ち寄せる冷たそうな波を眺めながら、ドリも福島から連れてきたときに連れてきたことがあったんじゃないかななどと、しばし思い出にひたり、もうだいぶ昔の話になったなあと感慨深くなっているアベさんなのである。



 さて、来るには来たが、ここから同じ距離を走って帰らなきゃならない。海へ向かうときには青空が見えていたが、帰り道は山の上に広がる不気味な雲を見ながらのランニングになる。



 幸いにして、雨に降られることもなく無事帰宅。距離にして約25キロ。時間にして2時間半の旅であった。

いつまでも走り屋

2024-12-02 11:29:44 | ランニング
 普通に「走り屋」というと、車好きが走って回ることを指す。過激なのになると暴走族になる。最近も190キロを超えるスピードで運転して死亡事故を起こし、それが危険運転致死傷罪かたんなる過失かということで裁判になっていた。

 が、僕に言わせると「走り屋」という定義は今ひとつピントが外れているように思える。走っているのは車であって、運転手ではない。正確には「走らせ屋」である。

 と、屁理屈を言いたくなったのは、今朝の毎日新聞に86歳の「超人ランナー」のことが紹介されていたからだ。いくつになっても自分の足で走ることができてこそ、本当の意味での「走り屋」なのではないだろうか。

 で、新聞記事によると、月岡さんは埼玉県に住んでいる。いまだに登山道を走るトレイルランニングの現役選手だそうだ。日本山岳耐久レース(71.54キロ)の大会にすでに6回出場している。去年は160キロを走る大会で完走した。

 月岡さんは長野県の豪雪地帯で生まれ、家は炭焼きや養蚕で生計を立てていて、学校から帰るとたくさんの炭を背負って売りに行く日々を送ったという。20歳でタクシー運転手になるが、休日は時間があるからと走り始めた。それから転職や借金で働き詰めの生活が続き、走るどころではなくなり、再びトレーニングを始めたのは還暦を過ぎてからだったという。初マラソン挑戦は69歳だった。

 健康でいることさえ難しくなる年齢で、どれだけストイックな生活を送っているかと思えば、ラーメンも食べれば晩酌もする。「とにかくやりたいことを、好きなようにやるだけ」ということが、長続きの秘訣のようだ。だから、走る距離も決めず、近所の市営のスポーツセンターや河川敷で走ることもあれば、足を伸ばして高尾山周辺まで出かけ、40キロを走る日もあるという。

 近頃は他の若い選手に負けないよう、歩幅を大きめにするように意識して走っているというから、挑戦に限界はなさそうなのである。

田園一周コース

2024-12-01 11:34:15 | ランニング
 昨日までは冷え込みがひどく、ニュースではくじゅう連山の登山口となる牧の戸峠が雪で薄っすらと白くなっていた。車があればすぐにでも登りに行きたいところだが、残念ながらママチャリしかないので指をくわえているしかない。

 今日は一転気温も上がり、風もなく穏やかだ。ふたたび秋に逆戻り。こんな日はランニングしないともったいない。というわけで朝飯を食うとすぐに着替えてランニングに出る。たまにはコースを変えようと、今日は宇佐平野をグルっと回ってくることにした。家を出て海岸方面へ出ると、隣の中津市の境界を目指して走る。市境まで走ったところで今度は山の方へ向かって走り出す。それから山のふもとを走って戻ってくれば、宇佐平野周遊コースになるのだ。



 ほとんどの田んぼは今度は麦の準備に忙しそうだが、中には飼料用のお米なのか、いまだ刈り取られずにいる田んぼもある。ときどき野焼きをやっているのに出くわすので、風向きによっては煙たくって走れたもんじゃない。こういう光景も都会では見られなくなっただけに、田園の秋の風物とも言えるのかもしれないが。

 平野の向こうにお隣の中津市のシンボル的な八面山が正面に見える。



 この山は吉田類さんがやっているNHKの「日本百低山」で最近紹介されたところだ。山のてっぺんまで車で行けるので、歩いて登ったことはない。案外近い山ってのは、つい楽をしてしまうものなのかもしれない。

 稲刈りが終わった田園地帯を走っていると、広い風景をほぼ独り占めしているようで爽快だ。たまにすれ違うのは軽トラックに乗った老人たち。こういう場所こそランニングし放題なのだが、なかなか走る人がいないというのは残念だ。東京の皇居の狭いところにはランナーがひしめき合っているというのに。





 走れど走れどほとんど風景は変わらないが、ビルの合間を走るのとは違って気分は上々、疲れ知らずで約20キロを走り終わった。九州の晩秋は暖かくて良い。