(冒頭写真は、朝日新聞記事より転載した「駒込ピペット」の写真。)
この「駒込ピペット」を小学校時代の理科の実験にて使用された方々は数多いことであろう。
こと原左都子に関して言うならば。
おそらく私も小学生時代から“これ”をいじったことがあったかもしれないが。
我が明瞭な記憶としては 郷里過疎地の大学医学部時代に、確かに「駒込ピペット」の名の下に、何度も使用した。
当時「駒込ピペット」と聞いて、(そういう名のピペットなんだ)と思ったのみで、その名の由来を知りたいなどの思いは一切湧かなかった。
参考だが、ピペットとは各種実験において“液状の物質”を適量吸い取る時に使用するガラス器具であり、幾つもの種類があったことを記憶している。
そんなピペット類の中で、一番“大雑把な量”を吸い取ればよい実験時に使用するのが駒込ピペットだったものだ。
微細なものでは、マイクロ単位の液体採取目的のピペットも当然存在するのだが。
私の場合はその種のマイクロ単位ピペットを使ったのは、40代半ば頃に採用された理化学研究所にて実験の際に使用したのが初体験だったのだが。 既に微細実験作業をする程の腕前が消え失せようとしていた頃であり、大いに難義させられたものだ。😫
話題を、「駒込ピペット」に戻そう。
先週の日曜日に新聞を読んでいて、この「駒込ピペット」を取り上げた記事に遭遇した。
やはり、過去に医学実験経験がある身としては この手の記事は興味深い。
そして記事を読み進めていくうちに、「駒込ピペット」の命名の由来が判明した!
その由来とは、JR山手線「駒込」駅に近い「駒込病院」由来であるそうだ。
5代目院長の二木謙三氏が最初に開発したピペットであるとのことだ。
こちらが、駒込ピペット開発者の二木謙三氏。
二木氏のご経歴を少し紹介しておくと。
東京帝国大学卒業後、駒込病院に着任。 赤痢原因菌が複数ある事を発見したほか、日本感染症学会も立ち上げられた人材で、当時は「駒込と言えば二木、二木と言えば駒込」と言われたという。
二木先生がお若い頃には、患者の血液を手術中に浴びた仲間がペストで死に至ったり等の背景もあって。 二木氏による「駒込ピペット」は、安価で使い捨ても出来るピペットとしての先駆けだったようだ。
にもかかわらず、二木氏は自らの発見菌にもピペットにも自分の名前は付けず、多くの人々が使い始めて後も特許取得もしておられないらしい。
この私も 「駒込ピペット」の名の由来を、今回読んだ朝日新聞記事にて初めて知った。
私事になるが 駒込と言えば我が亭主の出身地(正確に言えば出生地は東京・日本橋で、3歳時に駒込に転居したそうだ)であり、亭主と晩婚直後期に半年間のみ私も駒込に住んでいる。
後に産まれた娘を、駒込病院まで連れて行った記憶もある。
朝日新聞記事を読んで、亭主に聞いてみた。
「あなたは、『駒込ピペット』の名の由来を知ってた??」
亭主応えて、「知ってるに決ってるじゃないか!」
更に私が、「それにしても 『駒込ピペット』って 小学生から医学現場まで幅広く使用される実験・医療器具である割には、その名の由来を知らない国民が多いよね」
亭主返答無しだが。😶
私にとっては、長き我が人生に於いて初めて知った「駒込ピペット」の名の由来に感激しきりの一時だった。😭 😃