郷里の高齢者自立支援施設に暮らす実母は、例年正月に我が家に電話を寄越してくるのだが、今年はそれが無かった。
こちらから掛けてもいいのだが。
実際問題高齢者の相手とは、特に電話を通してのそれは難儀な業である。
電話が無いのをラッキーと考え、放っておいたところ。😝
昨日午前中に郷里の実母から電話があった。
一番の要件は、オミクロン株感染急激増だ。
実母曰く、「東京の感染者数が物凄い人数だが、大丈夫なのか? それが心配で居ても立ってもいられない。」
実母からのコロナ感染関連の電話は多いのだが、いつもそれに応えて私曰く、「あのねえ、貴方も知っていると思うけど、私は一応医学部出身の医学関係者なのよ。 医学素人の貴方に心配してもらわずとて、この私が我が家を統率してして、特に医学関連事項に関してはそのすべての責任を私がとっているから、心配ご無用!!」
実母曰く、「そう言うけど、親の身としては心配で居ても立っても居られないものよ。」
私が返して、「貴方の方こそ、どうなのよ? どうせ施設からは厳しい外出禁止令が出ていると思うけど。」
義母、「その通り! 何処へも行けなくて困っている。 それと、三叉神経痛が痛くてね。 この前、お世話になっている施設の病院の医師先生に、もう痛いから死にたい、と訴えたら。 先生から『死にたい人は今後一切診ません!』 と厳しく言われてしまって…」
私が応えて、「医師先生のおっしゃる通り! お世話になっている人相手に『死にたい』と訴えること程失礼なことはないよ。 少し痛みを我慢してでも、『先生のお蔭で私は長生きできて幸せです。』 と言うのが、お世話になっている患者側の礼儀だよ。 施設でもそうだよ。スタッフの皆さんに向かって『死にたい』は今後、禁句だよ!!」
さすが義母に比して認知症状の無い実母は、もの分かりがいい。
「そうだね、〇子(私の事)が言う通りだね。 今度から気を付けるようにするよ。 〇子からいいアドバイスをもらった。 やっぱりたまには、実の娘と話をするべきだね。 ありがとう。」
いやはや、そんなに同意してもらえるとは思ってもいなかったが。
この実母からの返答を聞けて、私の方こそ安堵した。
この人(実母のことだが)、まだまだ人の話を受け入れる能力があるんだ。
それがあるうちは、今後もしばらくは施設内で無事にやっていけそうだ。