原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

蓮舫さん、別に「二重国籍」でいいんじゃないの?

2016年09月14日 | 時事論評
 最初に断っておくが、私は決して民進党も蓮舫氏も支持していない。

 むしろ、蓮舫氏の政治家としての資質・ポリシーの程をずっと疑ってかかっている人間だ。

 どうやら“お騒がせ”がお好きな方のようで、今までに「国会内ファッションショー事件」や、事業仕分けに於ける「2番じゃダメなんでしょうか?事件」等々、政治家として本筋から外れたり、素頓狂な発言で単に目立って名を売ろうとする単細胞人種のイメージがある。


 そんな蓮舫氏が、今回野党民進党の党首選に出馬している。
 実は蓮舫氏が出馬した当初、私は以下のように感じた。 (ははあ、小池百合子氏が都知事に当選した事により、同じくキャスター出身の女性国会議員として遅れを取ったと焦っているな。 今回、自分は都知事選立候補を辞退したが、もし私が立候補していたならば小池氏を打ち負かしたかもしれない。 ここは、せめて民進党党首に立候補して自分も名を売らないと。)

 そのように考えていたところ、やはりメディアにも同様内容の報道を見つけた。

 ただ蓮舫さん、原左都子の見解だが今回の女性議員対決勝負は小池百合子氏の“大勝”だよ。
 いやいや、小池氏の都知事選立候補から当選後現在に至るまで、その精力的な動きに目を見張る私だ。
 自民党議員時代は、小池氏がこれ程にキャパシティある人物だとはまったく捉えていなかった。
 とにかく、都知事当選後の公約を果たそうとの動きが凄い。 しかも常に冷静沈着で、都連対応に関しても一歩下がって淑女対応をするスマートさ。 種々の問題が浮き彫りになると直ぐに記者会見を開催し報道を通して対応策を速報するそのスピード感。 しかもご高齢であるにもかかわらずハードスケジュールをもとのもせず、健康を維持され果敢に行動している。(米国のクリントン氏などついに肺炎に倒れてしまったが…) 
 例えば、築地市場が移転を予定する豊洲市場の施設の地盤に土壌汚染対策の盛り土が無かった問題でも、その実態を暴いたのが都知事就任後実に早かった。
 加えて私が小池氏を一番評価するのは、バックに優秀なブレインを複数人抱えその統制力が素晴らしく、動きが早い事だ。 これだけのブレインを抱えられるのは本人に信頼できる素養がある証拠であり、優秀な人材を寄せ付ける力がある政治家だった事実にも恐れ入っている。


 それに対し、蓮舫氏。

 蓮舫氏は党首立候補当初より、党首選の本筋から外れて「国籍」を突かれるに至っている。
 最初から正直に「二重国籍」であることを認めればよかったものを、台湾国籍は17歳時点で捨て去っていると当初発言する始末。
 ところがどっこい、蓋を開けてみれば「二重国籍」の現実。 蓮舫氏本人はあたふたと「現在、台湾国籍は抹消処理中です」と弁明するものの……

 この蓮舫氏の日本の国会議員としての発言、大いなる危険をはらんでいるなあ、と私などむしろひやひやしていたところ、やはり台湾側からバッシングが出ているようだ。

 以下にその情報を要約して紹介しよう。
 民進党の蓮舫代表代行が台湾籍の保有を明らかにしたことを受け、台湾の中央通信社は13日、日本の報道を引用する形で、東京の台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)が「中華民国籍をいまだに保有していることを伝えた」と報じた。  記事は、蓮舫氏を15日の民進党代表選で「最も呼び声が高い」とした上で、「ただ、メディアやネットで『にせ日本人』だと疑われている」と問題の背景を説明。 蓮舫氏が台湾籍の放棄手続きを取っていることも紹介した。
 一方、与党、民主進歩党の管碧玲立法委員(国会議員)は12日、フェイスブックで蓮舫氏が11日の記者会見で「一つの中国」原則に基づき「台湾は国家ではない」と発言したと主張した上で、「冷酷すぎる女だ」と批判した。 管氏は13日午後現在、「誤解の可能性がある」として書き込みを削除しているが、情報は拡散。 野党、中国国民党の寥国棟立法委員が13日の立法院(国会)の本会議で、「政府は抗議すべきだ」と問いただすなど、蓮舫氏の発言への関心の高さを示した。
 蓮舫氏は11日、「一つの中国論で言ったときに、二重国籍とメディアの方が使われるのは私自身びっくりしている」と発言。 日本政府が台湾当局が名乗る「中華民国政府」を承認していないことを元に、メディアの表現に疑問を呈した形で、管氏の批判は誤解に基づくとみられる。  ただ、日本政府は中国政府が主張する「一つの中国」原則は「十分理解し尊重」するとの立場に止めている。

 ここで、原左都子の私論に入ろう。

 蓮舫氏がいとも簡単に「台湾籍を放棄」手続きを取ると発言した事実が、このような論議を産むであろうことを氏は重々想像しておくべきだった。
 現在の中国・台湾関係が微妙なニュアンスを保ちつつ存在している事実を、国会議員の立場で熟考した上で蓮舫氏は自身の国籍に関して考慮するべきだったはずだ。

 ついでに私事・私論を述べるなら、私はつい先だって台湾まで旅に出たばかりだ。
 あんなに近い隣国。  短期間ながらもその隣国の人々より親切を受け、美味しい食事を堪能し、素晴らしい文化遺産に触れ、また台湾を訪れたいと私は本気で思っている。
 そんな素晴らしい国が父の祖国である蓮舫氏の口から、何故その国籍を易々と“放棄する”との言葉が発せられるのか?!
 それが蓮舫氏の民進党党首なる目標ゲットのため、日本に迎合せんとの思いで発せられた言葉だとしたら、貴女自身のアイデンティティとは一体如何なるものなのだろう。


 日本の某女性弁護士氏は、以下のような発言をしているようだ。 ネット情報より要約して紹介しよう。
 某弁護士氏は「国会議員は国益を考える立場。ここで問題になるよりもっと前に問題になるべき」と蓮舫氏が2004年7月に参議院議員に当選後、10年以上も放置されていたことに疑問を呈した。 また、「違法性はないですけど二重国籍は望ましくないです。これが国籍の考え方です。利害の衝突がありますから。一般人もそうですから政治家は特に望ましくないです」と述べた。
 蓮舫氏が内閣府特命担当大臣を務めたこともあげ、「大臣になるときにそこを自ら確認すべきだった。説明が不十分だったと思います」とも指摘した。
 蓮舫氏はこの日、自身の台湾籍が残っていることを確認したと明らかにし、「記憶の不正確さで混乱を招いたことをおわびしたい」と陳謝。「違法性はないと思う」とも語り、党代表選から撤退せず、選挙戦を継続する考えを明らかにした。日本と台湾の「二重国籍」の疑いがあるとの指摘に対し、これまで記者会見などで否定していた。
 (以上、ネット情報より引用。)


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 国会議員(しかも野党とはいえ党首にならんとしている)人物が「二重国籍」だった事実に我が国は直面させられている。
 それに対する原左都子の私論結論を述べるならば、 「いいんじゃないですか~~。」
 いえいえ、蓮舫氏の政治家としての資質に関して疑義を抱いている事は冒頭で述べている。 故に上記意見は単に“一般論”として述べているのみで、決して蓮舫氏を弁護せんとするものではない事は再度繰り返しておく。

 ただもしも、真に素晴らしい人材が一政党の党首として君臨せんとしているとしよう。 その人物が二重国籍であろうがなかろうが、党首としての実力を備えているのならば、私なら生粋の日本人であることにはこだわらず実力者こそを支持したい。

 上記ネット情報内の弁護士氏は、国会議員とは「国益」を考えるべきと述べられている。 ごもっともの発言であろう。
 ただこれ程国際関係が発展し世がグローバル化している現実下に於いて、島国である日本は未だに「国粋主義」に流れ過ぎていると結論付けられるような気もする。
 現安倍政権などその最たる存在ではあるまいか??

 蓮舫氏に話を戻すと、氏の父の祖国である台湾の国籍をそれ程いとも簡単に放棄可能なものなのか?
 日本の貴方の国会議員支持者に迎合する以前の問題として、自身の血のルーツを今一度問い直すとの行動も現役国会議員の立場として必要ではなかろうかと、老婆心ながら指摘しておきたい。