(8月最終週より既に2学期新学期を迎えている小中高校も多いようだが)、長い夏休みが明け9月1日に学校の新学期が始まる時候と並行して、我がエッセイ集でもここのところ学校関連のエッセイが続いている。
本日のエッセイもその例外ではない。 今回は「おカネ」の観点より我が子の教育を展望しようとする趣旨である。
私事だが、現在大学4年生の娘の最後の学費を7月に収めたばかりだ。
それに先立ち娘と大学院進学に関して話し合ったところ、きっぱりと「進学の意思はない」との回答が返って来ていた。 もしも娘が大学院進学の意思表明をした場合、当然ながらその学費負担を親の責任に於いて成し遂げる覚悟は出来ていた。
ただし、それには当然ながら条件を付けた。 (参考だが我が家の場合、亭主が博士課程、私が修士課程と両親共々大学院修了者である) 以下にその条件を列挙しよう。
○ 進学に際し明瞭な目標を持つこと。
○ 学位論文作成に全力を注ぐこと。
○ 大学院にて学問に取り組んだ事実を、一生自分で誇りに思える程の達成感を培うべく学業に専念すること。
これらを成就する自信がないのならば大学院へ進学する学費を親として負担するには懸念がある、と娘に伝えておいた結果が、上記の娘よりの回答である。
「大学院進学意思無し」との娘からの回答により、心底本音で「これで我が子の学費負担がすべて終了した」と、どれだけの開放感を得た事であろう。
話題を変えよう。
原左都子の持論の一つに、「子どもの学費は親の責任に於いて負担するべき!」との燦然たるポリシーがある。 (「原左都子エッセイ集」2012.4 バックナンバーにて同表題のエッセイを公開しておりますので、よろしければご参照下さい。)
教育費とは、親から子に捧げる必要不可欠かつ最大にして最高の「投資」である事には間違いないであろう。 一家庭内の家計の中で一番高額となるのも、おそらく「子供の教育費」であろうと私自身の親としての経験から推測する。
我が身に照らすと、私は親からその「教育費」を“ケチる”との冷遇を受けて育ったとも言える。 まあ、時代背景的要因や地方過疎地に生まれ育った事情も、それに拍車をかけたと考察するべきであろうが…。
それにしても、今思い出すだけでも我が親が私に施した教育面における“金銭面での冷遇”とは許し難きものがあるのだ。
学力優秀、何をやらせても秀でている私に対し、我が親どもはその「教育費」は最低限しか出さないとの手段により、我が可能性を潰し続けた。 (こちらとしては、常にその実績を親に伝える事により親を喜ばせ続けてやったにもかかわらず… )
それにとことん嫌気がさして、私は親を捨て上京し就職するに至っている。 (参考だが、二度目の大学及び大学院へは上京後に自分の力一本で入学し卒業・修了した。)
ここで、朝日新聞8月22日付“悩みのるつぼ”18歳浪人生による「お金のことは甘えさせて」なる相談内容を、以下に要約して引用しよう。
18歳の浪人生だが、親との関係で悩んでいる。 今春、挑んで失敗した大学が諦めきれず浪人を決意。 悩みの種はとにかく親に負担がかかるということだ。 予備校に講習等を申し込むと大金がかかる。 その後の大学の授業料も決して安くはない。 親に学費を頼んで「結構するなあ」と言われながら受けるのは辛いものがある。 とはいえ、我が家は経済的に大きな問題を抱えている訳でなく、親も今後の事を承知の上で浪人させてくれたはずだ。 無責任な発想だが「親ならカネくらい渋らずに子供に出せよ」が本音だ。 自分の意思をくんで浪人させてくれた親には感謝する。 が、理想としては、親とは多少無理してでも真剣に勉強している私に対し「お金のことは任せて」と言ってくれ、私側は常に感謝と気遣いを胸に努力を続ける- との状況だ。 これを期待する私が甘いのか…。
私論に入ろう。
いやはや、頭は良さそうな男子と心得るが、何ともまあ親の経済力に“だけ”依存した軟弱な人生を18年間送り、今後もそれを引きずろうとの魂胆に陥ってしまったものだ。 これ程に親に対する批判力がある子供にして、一体全体如何なる中学・高校時代を過ごしたのだろう。 自分で自分の人生を楽しむとの経験を少しは多感な時期にして来なかったのだろうか?
貴方が如何なるレベルの大学を目指して浪人生活に入ったのかは私には図り知れないが、少なくとも貴方の親が「浪人生活」を自宅にて認めてくれただけでも本気で感謝するべきだよ。
言っとくが、真に学力に余裕がある人間とは、アルバイトをしながらにも目指す大学への入学など幾らでも可能だよ。 何故、貴方はそれを試みないで親の経済力のみに期待し続けているのかなあ。
貴方は、実際問題考えが甘過ぎる!
ここは少し浪人生活の合間にアルバイトでもしようと志そうよ。 それを大学進学後も続行すると尚良いだろう。
貴方はおそらく我が娘のように生まれ持っての「事情」を抱えていないと推測する。
我が娘が先天的に“軽度”の障害を持ってこの世に誕生して以降、我がサリバン指導に従い本人がどれ程の困難を乗り越えて現在大学4年生にまで成長していると思うのか。 それは傍で二人三脚にてその成長を見て来たサリバンの立場としても、想像を絶する本人自身の努力の繰り返しである故に、現在通常の大学にて卒業可能にまで辿り着けたものと把握している。
だからこそ、私は我が娘に惜しげもなく学費を投資し続けたのだ!
その壮絶な我が子の歩みを振り返ると、“悩みのるつぼ”相談者の場合、今後は親の教育費等々の金銭支援を打ち切ってでも自力でこの世を飛び立った方が、よほど貴方の未来が保障されていることを伝えたい。
本日のエッセイもその例外ではない。 今回は「おカネ」の観点より我が子の教育を展望しようとする趣旨である。
私事だが、現在大学4年生の娘の最後の学費を7月に収めたばかりだ。
それに先立ち娘と大学院進学に関して話し合ったところ、きっぱりと「進学の意思はない」との回答が返って来ていた。 もしも娘が大学院進学の意思表明をした場合、当然ながらその学費負担を親の責任に於いて成し遂げる覚悟は出来ていた。
ただし、それには当然ながら条件を付けた。 (参考だが我が家の場合、亭主が博士課程、私が修士課程と両親共々大学院修了者である) 以下にその条件を列挙しよう。
○ 進学に際し明瞭な目標を持つこと。
○ 学位論文作成に全力を注ぐこと。
○ 大学院にて学問に取り組んだ事実を、一生自分で誇りに思える程の達成感を培うべく学業に専念すること。
これらを成就する自信がないのならば大学院へ進学する学費を親として負担するには懸念がある、と娘に伝えておいた結果が、上記の娘よりの回答である。
「大学院進学意思無し」との娘からの回答により、心底本音で「これで我が子の学費負担がすべて終了した」と、どれだけの開放感を得た事であろう。
話題を変えよう。
原左都子の持論の一つに、「子どもの学費は親の責任に於いて負担するべき!」との燦然たるポリシーがある。 (「原左都子エッセイ集」2012.4 バックナンバーにて同表題のエッセイを公開しておりますので、よろしければご参照下さい。)
教育費とは、親から子に捧げる必要不可欠かつ最大にして最高の「投資」である事には間違いないであろう。 一家庭内の家計の中で一番高額となるのも、おそらく「子供の教育費」であろうと私自身の親としての経験から推測する。
我が身に照らすと、私は親からその「教育費」を“ケチる”との冷遇を受けて育ったとも言える。 まあ、時代背景的要因や地方過疎地に生まれ育った事情も、それに拍車をかけたと考察するべきであろうが…。
それにしても、今思い出すだけでも我が親が私に施した教育面における“金銭面での冷遇”とは許し難きものがあるのだ。
学力優秀、何をやらせても秀でている私に対し、我が親どもはその「教育費」は最低限しか出さないとの手段により、我が可能性を潰し続けた。 (こちらとしては、常にその実績を親に伝える事により親を喜ばせ続けてやったにもかかわらず… )
それにとことん嫌気がさして、私は親を捨て上京し就職するに至っている。 (参考だが、二度目の大学及び大学院へは上京後に自分の力一本で入学し卒業・修了した。)
ここで、朝日新聞8月22日付“悩みのるつぼ”18歳浪人生による「お金のことは甘えさせて」なる相談内容を、以下に要約して引用しよう。
18歳の浪人生だが、親との関係で悩んでいる。 今春、挑んで失敗した大学が諦めきれず浪人を決意。 悩みの種はとにかく親に負担がかかるということだ。 予備校に講習等を申し込むと大金がかかる。 その後の大学の授業料も決して安くはない。 親に学費を頼んで「結構するなあ」と言われながら受けるのは辛いものがある。 とはいえ、我が家は経済的に大きな問題を抱えている訳でなく、親も今後の事を承知の上で浪人させてくれたはずだ。 無責任な発想だが「親ならカネくらい渋らずに子供に出せよ」が本音だ。 自分の意思をくんで浪人させてくれた親には感謝する。 が、理想としては、親とは多少無理してでも真剣に勉強している私に対し「お金のことは任せて」と言ってくれ、私側は常に感謝と気遣いを胸に努力を続ける- との状況だ。 これを期待する私が甘いのか…。
私論に入ろう。
いやはや、頭は良さそうな男子と心得るが、何ともまあ親の経済力に“だけ”依存した軟弱な人生を18年間送り、今後もそれを引きずろうとの魂胆に陥ってしまったものだ。 これ程に親に対する批判力がある子供にして、一体全体如何なる中学・高校時代を過ごしたのだろう。 自分で自分の人生を楽しむとの経験を少しは多感な時期にして来なかったのだろうか?
貴方が如何なるレベルの大学を目指して浪人生活に入ったのかは私には図り知れないが、少なくとも貴方の親が「浪人生活」を自宅にて認めてくれただけでも本気で感謝するべきだよ。
言っとくが、真に学力に余裕がある人間とは、アルバイトをしながらにも目指す大学への入学など幾らでも可能だよ。 何故、貴方はそれを試みないで親の経済力のみに期待し続けているのかなあ。
貴方は、実際問題考えが甘過ぎる!
ここは少し浪人生活の合間にアルバイトでもしようと志そうよ。 それを大学進学後も続行すると尚良いだろう。
貴方はおそらく我が娘のように生まれ持っての「事情」を抱えていないと推測する。
我が娘が先天的に“軽度”の障害を持ってこの世に誕生して以降、我がサリバン指導に従い本人がどれ程の困難を乗り越えて現在大学4年生にまで成長していると思うのか。 それは傍で二人三脚にてその成長を見て来たサリバンの立場としても、想像を絶する本人自身の努力の繰り返しである故に、現在通常の大学にて卒業可能にまで辿り着けたものと把握している。
だからこそ、私は我が娘に惜しげもなく学費を投資し続けたのだ!
その壮絶な我が子の歩みを振り返ると、“悩みのるつぼ”相談者の場合、今後は親の教育費等々の金銭支援を打ち切ってでも自力でこの世を飛び立った方が、よほど貴方の未来が保障されていることを伝えたい。