原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

メルヘン世界への誘(いざな)い

2013年09月19日 | 時事論評
(写真は、昨日9月18日に娘と訪れた サンリオピューロランド アトラクション施設内にて自動撮影したものの私製複写版。  写真の縮小を何度も試みたのだが何故かいつもの手法では不可能なため、ドデカい写真を公開し恐縮である…  後日、時間がある時に縮小に再チャレンジしますので何卒ご了承下さいますように。


 最近の「原左都子エッセイ集」に於いて、福島原発事故汚染水後処理失敗及びそれに関連する2020東京五輪反対、その後は高齢者関連のエッセイが各3本ずつ続いた。

 今回は大幅にエッセイの指向を変え、読者の皆様をメルヘンの世界にでも誘おう。

 と言ったところで、我がエッセイ集の読者の皆様とは“そんなものどうでもいい”嗜好派の方々が大多数と私は認識しているのだが如何であろうか??
 実は私も現在はそうであるかもしれない。

 ところが昔は違った。  現在は辛口硬派のこの私にも、「少女趣味」嗜好の時代があったのだ。 (「原左都子エッセイ集」2010年12月 芸術カテゴリーバックナンバーにおいて「“少女趣味”文化を築いた巨匠達」と題するエッセイを綴り、その中で内藤ルネ氏と水森亜土氏のご活躍ぶりを紹介しておりますので、よろしければご覧下さい。)


 さて昨日娘を誘って訪れたのは、東京都下多摩センターに位置する「サンリオピューロランド」である。
 また何でこの時期に、大の大人(というよりも老齢に近い)私が当地を訪れる必然性があったのか?? なる疑問と命題に応えよう。
 その理由及びきっかけは至って安直だ。 現在義母の保証人代行事務処理を任されている私の元に、「青色申告会」よりピューロランドの激安割引入場券が送付されて来たのだ!  たとえそうだったとしても普通の人なら無視するのが通常かもしれないが、何分元“少女趣味派”の私である。  そもそも我が娘も幼き頃はキティちゃんの大ファンだったことだし、それに便乗して人生3度目のピューロランドをエンジョイして来よっと。

 9月下旬に差し掛かろうとしている時候にしてはまだまだ真夏の残暑が厳しいものの、湿度が低く比較的爽やかな天候である。 道中小田急線電車内から見る外の景色に雲の一つもない秋空が広がっている。 こんな秋晴れの日に室内遊技場で娯楽するのはもったいないかも…なる思いは、多摩センター駅に到着してすぐに打ち消された。 駅前の広大なパルテノン通りのレンガ歩道には真夏の太陽が容赦なく照り返していた。 

 日傘で直射日光を遮りつつ到着したサンリオピューロランド内は、平日にもかかわらずそこそこの集客力のようだ。
 前回訪れたのはおそらく娘が中学生頃の平日だったと記憶しているが、その時には「幼稚園」年齢程の団体客が押し寄せていて、騒がしく鬱陶しかった記憶がある。
 今回は団体客との接触は回避できラッキーだったが、顧客層を一見したところ我が娘と同年代の学生風女子が圧倒的多数のようだ。 その他は、孫を伴った高齢者も含めた一族小団体か、あるいは母親が未だ就学年齢ではない子を引き連れて当地を訪れている光景だ。 (参考のため、私のように還暦近いおばさんと大学生の娘とのカップルは見かけない… そんなの私に言わせりゃどうでも何でもいい範疇の話だけど、とにかく集団客に遭遇しなかったのはラッキーだった。


 娘の話によると、キティちゃんを手始めにサンリオの各種キャラクターとは幼児をはじめとする低年齢層のみならず、今では大学生や社会人の若き世代の女性にも愛好されているのだと事だ。 メディア報道で少しはそれを承知していた私だが、それにしても結構“いい年”をしてそうな若き世代の女性陣が頭にキャラクターのカチューシャを装着し、着包みのキャラクター相手にキャーキャー騒いでいる姿を、如何に解釈するべきか困惑する私だ。


 同様の現象を東京ディズニーリゾートでも少し前に実地見聞した私だが、その行動を「原左都子エッセイ集」バックナンバーで「似非同調性」と結論付けている。 (2011年2月バックナンバー 「ディズニーリゾートに見る若者の“似非”同調性志向」をご参照下されば幸いです。)
 そのエッセイ内でも記述しているが、今の時代の若者達がせっかく得た友を失わず周囲環境から孤立しないためには、付けたくもないカチューシャを頭に付け、着包み相手に友と一緒に「ミッキーちゃん!」あるいは「キティーちゃん!」と叫ばねば、現在の若者とは“村八分”仕打ちを受けるのか!?! 

 それは単なる私の老婆心故の取り越し苦労であり、若者達が娯楽施設で楽しむ姿が真実なのか??
 それにしても、我が娘は私の“お抱え家庭教師”力の影響か、周囲環境に対する冷静かつ客観的な観察力が備わっているようだ。 決して、自分と同年程度の女性軍団の諸行動を責めたりせせら笑ったりもしなければ、自分は自分でせっかく訪れたピューロランドを楽しもうとしている様子だ。


 何と言っても、現在に於けるピューロランドの一番の魅力とは、「ショー」にあるのではないかとの感想を述べる私に娘も同意する。

 入場券のみで楽しめる「パレード」など、ダンスと大道芸のオンパレードだ。 観覧椅子がなく冷たい床や階段に座らされるのは高齢者には足腰が痛くて辛いが、繰り広げられるショーの中身は決して“子ども騙し”ではなく十分に洗練されている。
 そしてピューロランドの特徴として、シアターホールに於けるショーの数々が充実していることも賞賛するべきではなかろうか。 ディズニーランド・シーに比較して西洋系ダンサーが登場しないのが少し物足りない気もするが、これも考えようによっては東洋系ダンサーで統一しているピューロランドの方こそが“統一美”があるようにも考察可能だ。
 例えば、昨日実施されたメルヘンシアターに於ける「不思議の国のハローキティ」にお於ける最終場面で“足が太い”女性コールドダンサー達がラビットに扮してラインダンスを披露した。 これには意表をつかれた私だが、善意に解釈すれば幼児が多く訪れるショーには「太足」の可愛い系女性ダンサーを登場させるのがベストの演出かとも唸ったのものだ。

 最後にもう一つの感想として、サンリオピューロランドは“動く”アトラクション系に自動写真撮影を多用し、その写真を顧客に購買させる経営マーケティング手法を多用しているようだ。
 これ、ホントに儲かるの?? と疑問視の上で購入したのが冒頭の写真であるが、帰宅後インターネット上で購入できる販売写真物が貧弱過ぎる事を、原左都子から最後に指摘しておこう。