原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

高齢者の方々、自分の意思で派手な服を着ましょうよ!

2012年04月21日 | 時事論評
 原左都子のミニスカスタイル写真を、恥ずかし気もなく本エッセイ集のバックナンバーに於いて再三再四公開してきている。(ご興味がありましたら、左欄のフォトチャンネルをご参照下さい。)


 ファッションとは時代の変遷と共に目まぐるしく移り行くものである。

 第二次成長期である小学校高学年に差し掛かった頃お洒落心に芽生えた私であるが、当時女性の間で世界的に流行していたのが、ロンドンのファッションモデル ツイッギーに代表される「ミニスカスタイル」だった。  
 先だって放送が終了したNHK連続ドラマ「カーネーション」に於いても、当時の「ミニスカ大流行」の様子がコシノ三姉妹の末っ子ミチコ氏(役名聡子)のご活躍を通して再現されていたが、私にとっては60年代頃のファッションを懐古しつつ大いに楽しめた場面であった。

 子どもの頃より長身スリム体型だった私は、(手前味噌ながら)この「ミニスカスタイル」がよく似合った。   中学生にして既に160cmを超えていた私がミニスカスタイルで街中を闊歩すると、世の若き男性どもにはその後ろ姿は一端(イッパシ)の女性に映ったようだ。 早くも「喫茶店でお茶しよう!」、車道からは「一緒にドライブしない?」等々“ナンパ”が相次ぎ、子ども心に面白おかしい思いをさせてもらえたものである。 (いえいえ、決して誘いには乗らず「まだ中学生ですから…」とすべて心細い小声でお断りしましたよ…。)

 上記のごとくファッションとは変遷を繰り返す事によりこの世の文化を創造しつつ、裏側ではアパレル業界に潤いをもたらし続ける存在である。  その後女性のスカート丈に関して言えば、短くなったり長くなったりの歴史を繰り返しながら現在に至っている。
 その流行を取り入れる事も一つの我が趣味として堪能しつつ、現在のファッション生活に繋げている原左都子でもある。

 それにしても、ファッションとはやはり“自己の体型及び雰囲気”こそが揺ぎない基本であると現在結論付けている私だ。  たとえ今の流行とはいえ自分に似合わないものは身につけたくもなければ、その種の衣類は着用していて不快感すら漂い居心地が悪い。

 その結果、原左都子は現在に至っても日々「ミニスカスタイル」を貫くことと相成っている。 幸いな事に現在若者の間でミニや短パンなどが流行中である。この流行を利用して我がファッションの正当化を志している私だ。
 さらにラッキーなことには、この私のファッションに対して「いい年をして何を考えているの!」「少しは恥を知れば?」などとのマイナス評価をしてくる人物も皆無である。(内心そう思っているかどうかは不明だよ……


 今回、原左都子がこの記事を綴ろうとしたきっかけとは、4月6日付朝日新聞「声」欄に掲載されていた61歳主婦女性の投書を読んだ事による。

 「中高年も鮮やかな服を着たい」と題する上記投書を、以下に要約して紹介しよう。
 先日外出ついでに東京渋谷池袋のデパートをのぞいてみた。気に入った服があったら買いたいと思ったのだ。 ところがサイズや値段の問題ではなく、どのデパートにも気に入る服が一着もなかった。自分にとってこの状況はもう10年以上続いている。 以前、作家の宮尾登美子さんが「年をとったら鮮やかな綺麗な色の服を着たい」とテレビで発言していた。同年代となった今、その言葉がよく理解できる。 年齢を重ねる毎に老化するのは世の常だが、中高年向けの店には灰色や茶系の服しか並んでいない。 洋服のメーカーはこんな旧来の考えに囚われず、鮮やかで綺麗な洋服を作っていただけないか?
 (以上、朝日新聞「声」欄より、61歳女性の投書を引用)


 原左都子の私論に入ろう。

 いやはや、びっくり仰天である。
 この投書女性はまだまだ高齢者の範疇ではない61歳にして、何故、灰色や茶色の洋服しか並べていない洋装店を訪ねるしか方策が見出せないのであろう??

 この私など現在50代後半にして、我が娘の年代である20歳前後の乙女が好むブティックにも足繁く入っている。 そこはミラクル世界であり、色とりどり、そしてデザインも多様等バラエティ豊かな洋服が安価で沢山展示されているのだ。 
 ひと昔前の経済バブル期の一時は、確かにブティックの店員氏の中には高飛車に決め込む輩も存在した。  時が大幅に過ぎ去り経済危機的不況下においては、定員の教育も徹底しているようだ。 まさか原左都子は20代に見えやしないだろうが「よろしければ試着して下さい!」と若き店員氏が快く勧めてくれる。 その誘いに乗って自分が気に入れば購入し、娘とその服を共有している私である。

 
 そんな私から、朝日新聞「声」欄投書者であられる61歳女性に提案申し上げたいことがある。
 もしかしたら、この女性は若き頃よりさほどファッションを楽しんで来られなかったのではあるまいか?  その矛先を今現在“デパート”に頼っておられるとのことは、ある程度の富裕層でもあられる事だろう。 もしかしたらお子様は息子さんだったのだろうか? そのためご自身で娘相手にファッション教育を施す機会もなかったのであろうか?

 アパレル業界に“鮮やかで綺麗な服”を造り提供することを要請する以前の問題として、ご自分自身でお時間が許す限り街を闊歩されてみては如何か?
 この世は今まさにファッションで埋め尽くされていることに気が付かれることであろう。

 ある程度の富裕層の高齢者が今時尚「デパート」にしか購買活路を見出せないでいる現実を、原左都子の周囲を見渡して少しは認識してはいる。 一方、現在61歳の女性が何故その種の“狭い世間の人生”を歩まなければならなかったのかの事情は私には計りしれない。 

 今の時代60歳代などまだまだ若年層だ。
 どうかこの相談女性が今後の人生を心底楽しむためにも、ご自身の足と行動力でこの世の活路を見出すきっかけを摑んで欲しいものである。

 年齢になどかかわらず、煌びやかな派手な服を着て街を闊歩しようではありませんか!!