原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

性ビジネスの落とし穴

2007年12月02日 | 医学・医療・介護
 当ブログの先だっての記事「エロコメント再考」の中で、送信されてくるエロコメントのカテゴリー分類を試みた。
 再度まとめると、エロコメントは「自己陶酔型」「嫌がらせ・中傷型」「ビジネス型」「混合型」にカテゴリー分類できそうである。(詳細は「エロコメント再考」を参照下さい。)
 今回はこのカテゴリーのひとつである「ビジネス型」のエロコメントを取り上げ論評する。

 相変わらずエロコメントは日々送信されてくる。この週末に集中的に押し寄せたのはビジネスを主たる内容とした「混合型」である。皆さんもご経験があると思われるが、一例を挙げると「アフィリやめてこっち(性ビジネス)にして正解、3発やって10頂き…」「性ビジネスで稼いだお金でソープでやりまくる俺は勝ち組…」等々のコメントと共に、どぎつい画像が送られてくるのである。
 いやはや呆れるばかりではあるが、どうもネットによる性ビジネスに対する法的取締りがまったく追いついておらず、野放し状態の有様のようだ。この法的整備の遅れには愕然とさせられる日々である。一ブロガーとしては、なんとか早急な法的整備の基盤作りを望みたいものである。

 ここで、この性ビジネスの傍若無人ぶりの社会的背景について考察してみよう。
 そのひとつとして、結婚年齢の高齢化、あるいは離婚率の上昇、家庭内離婚、セックスレス夫婦の増加等により性的欲求のはけ口が身近に得られない人口が急増していることが大きな理由として挙げられるのではないかと察する。
 そしてもうひとつの理由として“人とのかかわりの希薄化”が考えられる。恋人等まっとうに性的関係をもてる相手と出逢えず悶々とする人々が社会に急増しているのではなかろうか。 なぜ、恋人が作れないのか。恋人を得るという行為はひとつの自然発生的な競争であると私は考える。(この自然発生的な競争にさえ耐えられない人材を、現在の学校の横並び教育が創り上げてしまっているという私見に関しては、当ブログのバックナンバー「横並び教育の所産」で既に述べているので是非ご参照いただきたい。)すなわち、人とのかかわりを面倒に思ったりあるいは拒否し、恋人ゲットという自然発生的な競争から逃避しあきらめてしまう若者が増加しているのではあるまいか。そして、一部の若者は安易な性ビジネスに身を委ねてしまうのではなかろうか。(この辺に関しては是非とも若い世代の方々にご意見を賜りたいものだが。)
 

 本来ならば今回の記事のカテゴリーは当ブログの場合「その他オピニオン」に該当するのだが、あえて「健康」カテゴリーに分類したのには理由がある。性的欲求のはけ口を性ビジネスに委ねることは肉体的、精神的に大きな犠牲を伴う。特に将来のある若い世代の人たちの体や精神がこんな馬鹿げたことで蝕まれていくのには老婆心ながら耐え難いものがあるのだ。性的満足は人間同士の精神的結びつきと信頼関係の基盤なくして得られるものではない。どうか、一時の欲望や金のためにかけがえのない自分の体と精神を犠牲にすることは何とか踏みとどまって欲しいのだ。そんな思いをこめて、今回の記事をあえて「健康」カテゴリーに分類した。