水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疑問ユーモア短編集 (75)漫才(まんざい)

2020年03月19日 00時00分00秒 | #小説

 気分が解(ほぐ)れるテレビ番組の一つに漫才(まんざい)がある。だが最近は、どうも観ていてネタについていけない節(ふし)があり、疑問が生じる。掛(か)け合いスピードが速過(はやす)ぎ、意味がよく理解できないのだ。ボケたの? と言われればそれまでだが、^^ まあ、そういうことだ。^^ えっ? どういうことかって? 要は、よく噛(か)んで食べる必要があるということである。噛む速度=掛け合い速度・・という訳で、味覚の味わい=面白みという訳だ。[感じ方には好み、年齢、性別、性格などによる個人差があります ]^^
 とある演芸場の前である。二人の観客が観終わったのか中から出てきた。
「最近は、どうもいけないねぇ~」
「なにが?」
「筋(すじ)がね…」
「筋? ああ! 漫才のっ?」
「そう! その筋が、観ていて分かんないんだよっ」
「ふ~ん。私は面白かったけどね」
「そおう? なんかテンポが速くって、今一、分かんなかった」
「そう? まあ、人によりけりだから…」
「そりゃそうだけど、あんた、よく分かったねっ!」
「ははは…私ゃ、漫才好きだからさっ!」
 そう言った男も、実はちっとも分かっていなかったのである。少し見栄(みえ)を張った・・というのが事実だが、最近は、何かにつけて、漫才のような疑問に思える事例が多くなっている。^^ 

                                完                                


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