気づかなくてもいいのに、ふと、視線に入って気づいてしまうことがある。何もしていないときはいいが、何かをしているときだと困ってしまうだろう。^^ 素早く順序だてて判断を出来る人はいいが、出来ない人はイラつくに違いない。気短(きみじか)な人なら、ブチ切れて、すべてを投げ出すだろう。一時、国会の質疑で気づかれて問題視された下請け企業への丸投げ問題のように…。^^ まあ、そういうことで、気づくことはその後に大きな変化を齎(もたら)す危険性を帯びるのは事実だ。
大相撲本場所の取り組みが土俵上で続いている。東方力士・顎乃海(あごのうみ)×西方力士・髭風(ひげかぜ)の一番だ。制限時間一杯となり、行司さんの『待ったなしっ!!』の声とともにぶつかった両力士は、熱戦の末、土俵下へ縺(もつ)れるように落ちていった。軍配は、ただちに顎乃海に挙(あ)がったが、ただちに向正面(むこうしょうめん)に座る審判の手がスッ! と挙がった。物言いである。そして審判が土俵上へと数人、上がり、あ~でもない、こ~でもないと物言いをする。^^ やがて、協議が整ったのか、審判達は元の席へとヨッコラショ! と座り直した。
『ただ今の協議について、ご説明いたします。軍配は顎乃海の寄りを有利と見て挙げましたが、髭風の体(たい)が落ちる前に顎乃海の足が出ており、行司軍配差し違えで髭風の勝ちと決定いたします…』
久しぶりにマイクロホンを握った審判長が、しどろもどろに説明をする。語りが苦手(にがて)なのか、よ~~く見れば、額(ひたい)にウッスラと汗が滲(にじ)んでいる。これは、気づいて手を上げた向正面審判の判断が正解となったケースである。語りが苦手な審判長の瞬間の心理とすれば、『気づきやがって!』くらいかも知れないが、気づかなけれド偉(えら)いことになったのだから、そんなことはないと思う。^^
まあこのように、気づく必要がある内容だけは、手遅れにならないうちに疑問なく気づかないといけないだろう。^^
完