水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

疑問ユーモア短編集 (66)リズム

2020年03月10日 00時00分00秒 | #小説

 私達の生活にリズムは欠かせない。まず、健康面のバイオリズム・・という生活していく上で基本的に必要不可欠なリズムがある。社会生活を送る上でも、リズムがいい人と悪い人では、人生で雲泥(うんでい)の差が生まれることになる。まあ、これは私が決めたことではなく、自然とそうなるのだから、やむを得ない。^^ もちろん、疑問に思えるような運命の悪戯(いたずら)とか、間(ま)が悪い・・などといった不測(ふそく)の事態も当然、起こるが、リズムがいい人は、それを逆手(さかて)にとっていい方向へ変えてしまえるから、どぉ~~ってこともない。悪い人は…まあ、それだけのもの・・となる訳だ。^^
 とある早朝の運動公園である。朝から近隣(きんりん)のお年寄りで結成された早起き会の有志達がラジオ体操をしている。やがて、しばらくすると、いつものように単調に体操は終了した。同じリズムで変り映(ば)えしない毎朝・・とも言えたが、逆に安定した規則正しい日々の生活リズムでもある訳だ。
「今朝も、いつものところで…」
「ああ、はいっ!」
 隣(とな)り合わせて体操をしていた二人の老人の短い会話である。二人はラジオ体操→喫茶店[モーニング・サービス付きの喫茶+店内に流れるリズム音楽]→話しながらの同じリズム速度の散歩→決まったリズムの時間に各自の家へ帰宅・・というリズムが定着していた。傍目(はため)にはいつものワン・バターンに映ったが、本人達にすれば、充実した生活リズムの一部だったのである。
 他人から疑問に思えても、本人にとっていいリズムなら、それでいい訳だ。^^

                                


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