今日はこちらの本を紹介します。
「くるくるロールケーキ」
くるくるロールケーキ津田 陽子文化出版局このアイテムの詳細を見る |
京都のお菓子研究家、津田陽子さんの本です。
津田陽子さんは、以前009にて紹介した「タルト」の本の方で…私はあの本の作りとか、コメントとかがとても好きで、「よく知らないけど好き!」状態だったんですけど…
普通に、ものすっごい有名な人だった……。
特に有名なのが「フロール」というロールケーキ。
これ、店頭販売はしてなくて、通販のみなんだけど…なんか、一年待ちとか!
…ロールケーキ一年待ちってどうなの…。
私はミーハーなくせにあまのじゃくなので、こういう「人気過ぎて大行列!」とか「入手困難!」なものは一切興味を持たないんですけども…(特に行列は「絶対並んでやるものか」と思う…)。
それだけ有名な人の、ロールケーキの本と聞けば、…俄然、興味が。
…でも結局、何度も本屋さんでチラ見しつつ、…買ったのは結構最近だったかも。もう、本屋を辞めるちょい前くらいに、観念してとうとう買った、という感じだった。(私よくこれで友人達に呆れられたり怒られたりするんですが…私の「最近」は「ここ5・6年」という意味なんです…。生まれてから考えると、最近?みたいな…)
なんでそんな、買うのが遅くなったか。
それは、「いつでも買える」という安心感。(津田さんの本は大抵どんな本屋さんでも棚差しの定番商品です)
そして、もう一つ。この本が結構徹底した「ビジュアル重視」の本だから。
私は、もう何度も書いていますが、「そこに載っているものができるだけたくさん再現できるようなお菓子の本」が好きです。作れないけどかわいい…という本は、…まあ嫌いではないのだけど、実用的ではないという意味で、意識してあんまり手元に置かないように、してる。本屋時代は、買ったものの使ってないお菓子や料理、手芸とかの本を皆自嘲気味に「写真集」と言っていたし(書店員さんは結構脊髄反射で本を買うため、そういうのも増えてしまう)、的確な表現だと思う。写真集が悪いものではないように、そういう「使えなかった」実用書が全部悪いと思ってるわけじゃないけど……私は、私の信念を守るためだけに、そういう本をあまり選ばない。…いやでも、イデミスギノさんの本とかは超写真集なんですけどね!だってあんなん作れない!(もう矛盾)
この本…ぱらぱらするとすぐわかりますが…すっごいかわいいの。作りが。
もちろん載っているのは全部ロールケーキなんだけど…、それが、全部、同じ角度で、撮影されている。表紙と同じように断面を見せる形で。1ページに1種類ずつ、そして下に敷いてある紙?は見開きで同じもの。ページをめくるごとに変わっていく…。
タイトルがあって、真ん中にぽんとロールケーキが載っていて、下に作り方が文字のみで載っている…。
同じロールケーキでも、こんなにバリエーションがあります!っていうのが視覚的にすんごいわかりやすい。…あとなにより、かわいい。
章の始めに「スポンジの作り方」や「巻き方」は、手順の写真つきで詳しく載ってます。だから、その各ページには「そのページを参照してスポンジを焼く」みたいに書いてある。
これは、本を見ながら作業する時にはすんごいめんどいです。いったりきたりしなくちゃいけないから。これが「実用的でない」と私が購入をためらう最大の理由でした。
だけど、逆に言えば「これさえ覚えればこれだけの種類のロールケーキが作れます!」ということ。そういうインパクトはかなりある。
ロールケーキは、生地を作って、クリームを塗って、巻くだけ。
私がここでだらだらと述べるよりもずっとわかりやすく…この本はそういうメッセージを伝えようとしています。
私が作ったのは、その中でも、やっぱり目立つ…「いちごのロールケーキ」
断面のいちごのかわいさは異常!
生地は大きくわけて3種類。そこからさまざまな組み合わせが紹介されています。
また、後半には「応用編」として「人気のフランス菓子をロールケーキに!」という章が。
フォレ・ノワール、モンブラン、フレジエ…そしてなんと、オペラさえもあります!
この章のロールケーキは飾りにも一手間かけていて、とてもかわいい!
モンブランなんて、絶対やってみたいですよこれ!…オペラは微妙にめんどそう…(おいっ)(だってロールケーキにパータ・グラッセかけるなんて死ぬほどむずそうじゃん!!)
ビジュアル重視の本は避けていましたが……やっぱり、こういう作りにするとたくさんのメニューが載せれて、それはすごくいいことなのかもしれない…と思いました。
お菓子作りは、それほど難しくない…という、なによりの説得力にもなるしね。
再現度
あのいちごロール…まだロールケーキはまりたてのころに巻いたやつだから、ちゃんと「のの字」になっていなくて微妙に恥ずかしい…。