みみずくは黄昏に飛びたつ | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
あっAmazonの画像やと帯がない!(いつもそうか…)帯のツーショットがすごいいい雰囲気やのにな!
村上春樹さんのファンで、そのまま小説家になったという川上未映子さんが村上さんにインタビューする本。
すごくおもしろかった。……と言ってもうちは川上さんの質問にも村上さんの回答にも全くついていけず、初見では完全に置いてけぼりでした。終盤でやっと大事なことに気づき、そのまま最初からもう一回読み返しましたw
これよりちょっと前に昔のインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読んでて、その時も思ったけど…なんか作者さんのインタビューって、答えを見ちゃってるみたいでなんか「見ていいのかな」みたいな気分になる。多分うちが何度も読んでる割にはなんにも意味とか考えてないからだな…。
てか村上さん自身が何度も繰り返してるから本当に本当なんだろうけど、展開もラストも何にも考えないで書き始めるって、マジで信じられない…。お借りした本だけど、いつか絶対に手元に置いて、これまた何度も読み返したいと思いました。
あ、初見の終盤で気づいた大事なことは「うちは村上さんの『文体』が好きなんだ」ってことです。
とにかくうちに帰ります (新潮文庫) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
表紙の感じとタイトルから、なんか定時だから誰が何と言おうと帰るし!!っていう話かと勝手に思ってたら、「豪雨による帰宅困難者の心模様を描く…」とか紹介されてて一気に興味が沸いた本。目次のページを開いて初めて短編集だということに気づいた(おい)。表題作は最後かあ…、これすごい気になるから先に読みたい…ともちょっとだけ思ったけど、とりあえず最初から読んだ。これがおもしろくてするする読めた。お話としては全部で6つ入ってるって目次でわかるんだけど、そのうちの5個は同じ人の視点で語られるので、イメージもしやすいのが読みやすい理由だったと思う(ずっと前も書いた気がするけど、私は「短編」は割と苦手。大好きな村上春樹さんの作品でも構えてしまう。主人公の気持ちに寄り添えないままお話が終わってしまって、突き放されてるような気持になってしまうから)。こういう感じの職場で働いたことはない私だけど、何の引っ掛かりもなくするする読めて、あーこういうことってめっちゃあるんやろうなーとか考えれておもしろかった。
6つ目のお話、期待の表題作にたどり着いた時、持っていた本を上から見て位置を確認すると、まだ本の厚みの半分くらいだったので嬉しくなった。別に短くてもおもしろい話はあるんやろけど、うちとしてはできるだけ長く読みたい。
んで、読んだんやけど…そこまでの半分にかかった合計時間より短い時間で、あっという間に読み終わってしまった。豪雨で交通機関がストップしてしまって、仕方なく歩いて帰る人の話。って書いてしまえばそれだけやのに、一気に読まされてしまった感じ。別に途中で橋が落ちたりすごい怪獣?とか出てきて大ピンチになったり、命を懸けたラブロマンスとかそういうのないのに。すごい。
いつもの帰り道やのに、なんでこんな大変なことになってるんだっけ?とか思うこと、ある(うちは旅行先とかでそういう目に遭いがちだけどね…)。電車やバスが普通に動いて、「家に帰れる」ってことがすごく特別に思えるんよね…。
好きなセリフ。
「屋根を考えた人はえらいと思うのよ」
「わたしは、アイスクリームを発明した人がいちばんえらいと思ってたけど、撤回して、今日から屋根を発明した人にしようと思う」
あこがれ | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
上のインタビューで川上さんの事も大好きになったので、せっかくだから読んでみようと借りてみた。村上さんのファンってことだし、もしかして文体とか似てたりするのかしら?ってかなりドキドキしながら読み始めたんやけど、始まったとたんがめちゃくちゃに独特で難解に思えて、もう一息で読むの諦めようかと思ってしまった(かなり読み進むまで、日本が舞台ってことも確信が持てなかったし…いやこれはうちの見落としもあるのかも)。独特さの理由は小学生の子の一人称だからで、慣れてくるとすいすい読めるようになりました(これまた独特なあだ名の友人たちのイメージが描きにくくてそこはちょっと困ったけど)。自分が小学生の時にこうやって思っていたかどうかはわかんないけど、「あこがれ」って感情は意外に身近なところに感じてたと思う。多分「あこがれ」って言葉とか意味を意識しないままに。
好きなセリフ。ようわからんことに巻き込まれて、成長していったらこんなことばっかり起きるんだろうか、って言った麦くんへのヘガティーの言葉。
難しいこととかさ、いやなこととかさ、それはもういろんなことがわあってふえてくるんだろうけど、やってくるんだろうけどさ、でもこっちだって、そうじゃないところに自分でさっといけるようになるんだよきっと。自分で決めて、自分の力で。
…いいなあ。こういう風に思えてたら、大人になるのはもっと楽しみだったかもなあ。
表紙もめっちゃ素敵ですね。まじまじ見ちゃう。
さいはての彼女 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
最近「村上さん以外の本も読んでみよう」をテーマにたくさん読む!って決めて、それで最初にたよりにしたのがあの、本屋さんでやってる夏の文庫フェアを紹介した小冊子なんです。色んな人の小説があるし、あらすじとかざっと確認できてすごく役に立ってる(それでフェアで買うんじゃなく図書館で探してるあたりが相変わらずセコイんやけど…でもこのペースで買ってたら実際えらいことになるし…)。今回ここに載せてる本、対談集以外は全部それ。
んでこの本は小冊子の紹介では「失意のまま出かけた一人旅は行き先違いで……!?」ってなっておりました。実際借りてきて、文庫の裏表紙にあるあらすじを読んでビックリ!その「行き先違い」は「女満別」らしい!大好きな北海道ってだけでも嬉しいのに、つい先日新婚旅行で行ったばかりの場所なのでめっちゃワクワクしました。読み始めると女満別どころか、めっちゃうちらの行った知床の風景が描かれていて、簡単に風景を思い浮かべることができて、もうニコニコしまくりで読んでました。しかも別の話ではめっちゃ「タンチョウサンクチュアリ」出てくるし。行ったよ~!タンチョウ見た!うちが行った年は記録的にタンチョウがいなかったらしいけど!(そんなんばっかやね…)
いつか「行ったことある場所がテレビで出ていたりすると嬉しい」ってことに気づき、このブログでも「行ったことあるとこマップ」とか作って遊んでたりもしましたが、小説で出てきても嬉しいんだなって今回新たにわかって嬉しかったです。「女性と旅と再生がテーマ」って小冊子にもあったけど、おかげでどれもすっごく読後感がいいし。
「人生を、もっと足掻こう」って言葉がとても胸に沁みました。
そうそう、私、小さい頃から本を読むのが大好きでしたが、よく読書好きの人が表現する「本は、読むだけで別の世界に連れてってくれる」みたいな感覚がどうにもピンときてませんでした。お話はおもしろいし本は大好きやけど、あくまで読んでいる私は私であって……とか思ってた。でも、移動中のバスや電車の中でこの本を読んでいるとき、初めてその感覚がわかった。意識してないだけで私もいつも別世界に連れてってもらってたみたいです。だってこの異常な猛暑の中、北海道の話を読んでる時は確かに爽やかな風を感じてた!!(いや冷房効いてたとかじゃなく!)
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