「パティシエになりたーい!」ブログ。

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「アンの愛情」のいいセリフ

2017-06-19 23:55:06 | 赤毛のアン
前巻の「アンの青春」読んでから1年と半分くらい経ってしまった。
アンの愛情―赤毛のアン・シリーズ〈3〉 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


原題は「Anne of the island(島のアン)」。島、とはもちろん世界で一番美しい島と呼ばれる「プリンス・エドワード島」のことです。グリーンゲイブルズ、アボンリー、プリンス・エドワード島とだんだん範囲が広がっていってるのが、アンの成長を示しています。
…いや、でも今巻は本当、「アンの愛情」って邦題は大正解だよな!って思います。アンが真実の愛情に目覚めるお話…!
なんかもう色々なポイントで「なんでだよアン!!!!!」ってなってギルバート派の私はもどかしいわギルがかわいそうだわで大変でしたが…いや、よかったよラスト…。ほっとしたよ…。
そしてまたアンが大好きになりました。

それではセリフピックアップ!

第一章「変化のきざし」より
アンがもう来週レドモンド大学に通うためにアボンリーを離れてしまう、とさみしがるダイアナに対しての、アンのセリフ。
「でも、あたしたち、まだこうして一緒にいるんだから、来週のことを考えて今週の楽しさを台無しにしてはいけないわ。」
アン……!!大好き!!(まだ9ページでいきなりこんな状態)

第一章ラストの描写も大好き。アンが夜、一人で散歩に出かけるとこ。
アンは恋に悩む若者たちのことも、口さがない近所の連中の辛辣な言葉も、乙女ごころの煩悶もすべて打忘れた。彼女の空想は宵の明星を水先案内として、今は見失われた幸福の島アトランテスやエルシアムの里、遥かなる『淋しい妖精の国』の輝く岸辺を洗う伝説の中の海を渡り、『心のあこがれる国』へと漕いで行った。夢の中のアンは現実よりもゆたかであった。なぜならば目に見えるものは過ぎ去るが、見えないものは永遠に不滅だからである。
見えないものは永遠に不滅……!!

第六章「公園で」より
皆で公園で散歩しているシーン。松が大好きでここで仲良く話すと幸せな気持ちになる、大きな悲しみが降りかかってきたらなぐさめてもらう、というアンに、ギルはそんなことが起こらないよう願うよ、と言う。
彼には自分のかたわらを歩いている、生き生きとして喜びにみちた少女を悲しみと結びつけては考えられなかった。最高の高さまで飛翔できる者はまた、どんぞこの深さにまで沈めること、この上なくはげしい歓喜を味わう者はまた、もっとも鋭く苦痛を感じるものであることをギルバートは知らなかった。
ここはドキリとしたねえ…。ギルがそういう気持ちを想像できない鈍いやつ、とかじゃなく、アンが特に差が激しい(けど、苦しんでいるところはなるべく他人には見せていない)ってことなんやろね…。

第十一章「人生の移り変わり」より
ダイアナと「アトッサ伯母さん」の家に行って、散々ボロクソに言われたその帰り道のアンのセリフ。
「でも生涯アトッサなんていう名前で暮らしてきたことも考えてみなくちゃね!こんな名じゃ、たいていの人が意地悪になるんじゃない?伯母さんは自分の名がコーデリア(温情)だと想像するよう努力すべきだったのよ。そうすればずい分たすかったのにね。あたしはアンという名前が好きでなかった時にあの名のおかげでたしかにたすかったわよ。」
全世界のアトッサさんごめんなさい(前巻の「ケレンハパッチ」に続き…。あれは言ったのダイアナだったけど…)。
結構ひどいこと言ってますが、アンはもう、こんなん言ってもしゃーない!ってくらいアトッサ伯母さんにひどい言葉を浴びせられ続けたところなんです!許してやってください!
ていうかそこじゃなくてですね。いいセリフでピックアップしたのは!「コーデリア(温情)」です!!そういう意味があったから、あの名前にこだわってたんだね、アン…!!

第十二章「『アビリルのあがない』」より
「なんの夢をみているの、アン。」
この章の!冒頭が!!これです!!「妖精の窪地」のあたりを歩きながら自作の物語の構想を練りつつ瞑想(と書いてある)していたアンに、ダイアナがかけた言葉……!!
……私、何回同じこと書いてるんだって感じなんですが、また書きます。
うちもダイアナみたいな「親友」でありたい……!!

第十五章「夢のゆくえ」より
あと一週間で夏休みが終わり、レドモンドへ帰る。この夏の様々な経験を振り返ったアンの言葉。
「人生の学問は必ずしも大学でまなぶものとはかぎらないわ。人生はいたるところで教えてくれる。」
アンの学校の友人たちも皆が成長していき、色んな変化があるわけですが(……ジョーシー・パイだけはあんまり変わってる感じしないな、そういや。あいかわらず態度も発言も扱われ方もひどくて名前出てくるたびに吹くw)、一番ショッキングだったのが……この、前の章で、あの「ルビー・ギリス」が病死してしまうことでしたね。ちょっと、全部拾ってるとこの記事めっちゃ長くなっちゃうんでセリフなどは泣く泣く外したんですけど。
上のアンのセリフは、明るく美しいかつての学友(アニメでもあからさまに美人っぽく描かれていたあの子です)が死の恐怖におびえる様子を目の当たりにして、彼女のお葬式に出た上で出てくるセリフなんだと思うと……深い……。

第二十二章「アン、グリン・ゲイブルズへ帰る」より
明日帰ってくるアンのことを考えているマリラのシーン。
マリラは来(こ)しかたを振り返っていた。窮屈ではあったが、不幸でなかった子供時代。少女時代のひたがくしにした夢と、挫かれた希望、その後につづく長い、灰色の、活気のない中年の生活のせまい単調な年月。それからアンの到来――いきいきとした、想像力のゆたかな、愛情にみちた心と空想の世界を持つ、衝動的な子供のアンが色彩と暖かさと輝きをたずさえ来(きた)ったので、荒野のごとき人生がばらのように開花したのであった。マリラは六十年の生涯の中、自分が生きていたといえるのはアンの出現につづくわずか九年にすぎない気がした。そのアンが明日の晩かえってくるのだ。
ここ、読むたびに泣いちゃう。こんな……こんな風に思われる、ここまで人の人生に鮮やかな影響を残すアンがすごいし、こんな風に考えるマリラも愛しい。
この後なんと台所の扉が開いてアンが帰ってきます。「驚きのあまり、マリラは生まれてはじめて自制を失い」我が娘を抱きしめた……って描写にも続いて泣いちゃう。生まれてはじめて自制を失う、だよ…。マリラだね…。

第三十四章「ジョン・ダグラスついに語る」より
頼まれて少しの間離れた場所の学校の先生をすることになったアン。そこでの下宿先のジャネットととても仲良くなります。彼女とこの章のタイトルのジョン・ダグラスの関係のお話が何章か続くんですけど……まとめられないのでパスしますね(おい)。
とにかく色々あった!!その最後の、ジャネットさんのセリフがとてもいいんです…。
長年の苦心をものともしない様子のジャネットさんに、アンはちょっと不機嫌な感じで寛大だ、って言うんですよね(読めばわかるけどとんでもない扱いだったんですよ!)。
「あなたもわたしくらいの年配になれば、いろいろ物の感じ方がちがってきますよ。」
「それがわたしたちが年をとるにつれて学んで行くものの一つですよ――人を赦すということがね。はたちの時より四十歳の時のほうがらくにそうできるものですよ。」


第四十一章「真実の愛」より
最終章です。えらいかっ飛ばしてここまで来ました。
色々ありました(またそれかい)。ギルがプロポーズしてきたのに、友人以上のものにはなれないってアンが振ったり。横から突然運命の人っぽいのが出てきたり!周りもアン自身もその人のプロポーズ受け入れるのかと思ってたのに、いざとなると結婚はできないって言ったり……あれ、こうやって書くとアンが一方的に最低みたいになるな…。違うんです。説明できないってあのアンが言うくらいなんです。あとダイアナが子供を産んだり……
そしてある夜、ギルが命の危機がある病であることを知り、絶望の中で、自分が愛していたのはギルだと気づくわけですね。ギルは幸い峠を越え、回復します。そしてアンに会いに来るようになる。アンは真実の愛に気づいたので、以前とは逆にギルと友人以上になりたいって感じているのですが、昔自分は振っているし、ギルにはお似合いと噂される相手がいるし、確認とかできない。そういう状態でお散歩に……なんかお散歩ばっかりしてるみたいですが、私が好きなのは、アンが素晴らしい自然の中で歩きながら紡ぐロマンチックなセリフであることが多いので、仕方ないですね!
「君になにか実現しなかった夢がありますか、アン?」
「もちろんよ。誰でもそうだわ。自分の夢を全部実現するなんて、あたしたちはできないことだわ。夢みることが残っていなかったら、死んだも同然ですもの。」

アンはいつもの調子で話をそらそうとするのですが、ギルは負けません(ここらへん前後、地の文を略してる部分があります)。
「僕には一つの夢がある。」
「何度か実現しそうもなく思われたが、僕はなおもその夢を追いつづけている。僕はある家庭を夢みているのです。炉には火が燃え、猫や犬がおり、友達の足音が聞こえ――そして、君のいる。」
アンは口をきこうとしたが言葉にならなかった。幸福が波のように押し寄せてきた。おびえるほどだった。
「僕は二年前にあることをたずねましたね、アン。それをきょう、再びたずねたら、君は別の返事をしてくれますか?」
それでもなお、アンはものが言えなかった。しかし、数えきれない過去の世代が経てきた、愛の陶酔に輝く目をあげて、アンは一瞬、ギルバートの目を見詰めた。彼はそれ以外の返事は望まなかった。

ギル!!!!!!!!!!(落ち着け)
ギル、よかったね……!!

続く会話の中で、アンがギルと婚約すると噂になってた女性のことを言う。彼女と仲良くしていたのは事情があった。実際素晴らしい女性だけど、彼女には郷里に婚約者がいた。二人のことが大学で噂になってるのも知ってたけどどうでもよかった。なぜなら…
「君にとうてい僕を愛することはできないと言われてからは、もう、どうとでもなれという気持ちだったのですよ、アン。僕には君のほかはだれも――絶対にだれもあり得なかったのだ。僕は小学校で君が石盤を僕の頭に叩きつけて割ったあの日以来、ずっと君を愛してきたのですよ。」
ギル!!!!!!!!!!!!!!!!(……)
かわいすぎかっっ!!
最初の「赤毛のアン」のラストの、数年越しの和解にも「ギルって気が長い、できた人だなあ」と感心してたけど……今思えばそんなの当たり前だったんだね……!!ギル……よかったなあよかったなあ……!!
まあ実際、ギルは諦めようとはしていたらしいのだけど……そこは実はフィルが手紙を送っていて、もっかい行ってみろって促してた、ってことがここでわかるのも素敵。……あれ?フィルの名前出すの初めてか。この巻から登場するキャラクターで一番強烈な、アンの友人です。いくつかセリフに付箋は貼ってたんだけど、結構彼女のキャラクターから解説しないといけないような迷セリフが多くて、カットしてきたんでした(これでもめっちゃカットしてるんですよ!!)(……)。

ラスト。プロポーズはしたものの、アンを待たせてしまうことに表情を曇らすギル。三年経たなければ医科を終えないし、その時になってもダイヤモンドも大理石の広間にも手が届かないんだ、って…。
それにアンは笑って答える。
「あたしはダイヤモンドも大理石の広間もほしくないわ。あたしがほしいのは『あなた』だけ。この点にかけては、あたしもフィルにおとらず厚かましいのよ。ダイヤモンド・リングや大理石の広間も結構にはちがいないけれど、そんなもののないほうが『空想の余地』がよけいあるわ。それに待つことなんかなんでもないのよ。あたしたち、お互いのために待ち、働き――そして夢みながら、楽しくすごせるわ。ああ、夢も今ではとても美しくなるわ。」
これだよ……!アンは成長して大人になって、真実の愛を見つけても、やっぱり私の大好きな「アン」なんです。マリラやギル、そしてダイアナの想いもわかる気がする。こんな素敵な人、大事に大事にしたいよね……!!


次はシリーズ4、「アンの友達」なんだけど、これはスピンオフ的なものっぽいな…。
アンのセリフが聞きたいから、次は「アンの幸福」を借りてくるかな。

「アンの青春」のいいセリフ

2016-01-22 23:55:37 | 赤毛のアン
図書館で借りてきて、読みました。
アンの青春―赤毛のアン・シリーズ〈2〉 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


原題は「Anne of Avonlea(アボンリーのアン)」。一作目の「赤毛のアン」の原題が「Anne of Green Gables(グリーンゲイブルズのアン)」なので、成長して行動範囲が広がったというのがよくわかります。アボンリーの学校の先生だし、村のために熱心に活動してたりね(「改善会」って…びっくり!)。それで行くと「アンの青春」ってタイトルには一瞬「?」って思うけど、読んでると確かにこれっきゃないって感じ。「アボンリーのアン」じゃわけわかんないし、「赤毛のアン ~青春編~」も何か違う…。すごいなあ村岡花子さん…。ごめん、朝ドラはほぼ見てなかったけど…。

そういや一番衝撃だったのは「アボンリーの学校にパイ家の子供がいる」ってことでした…。あのアニメ最終回のリンドさんのセリフって一体…。いやそりゃ「原作との相違点」とかあって当たり前だけど……なんでそこを変えたんだ。不思議……。



相変わらずいいセリフが多いので、覚えておくためにもピックアップ!

第十三章「たのしいピクニック」より
ジェーンに、妖精が願いを一つ叶えてくれるとしたら何を願う?って皆に聞いた時のアンの答え。
「あたしは季節も、すべての人の心も、あたしたちみんなの生活も、いつも春であることをねがうわ。」
…これ読んだ時、常春の国マリネラは平和なんだなあ……ってぼんやり思った(いきなりそんな感想か)

第十五章「暑中休暇」より
アラン夫人のセリフ。
「でもね、アン、詩人のローウェルがこう言ってるではありませんか。『失敗がわるいのではない。目標の低さこそは罪悪だ』とね。わたしたちは、理想をもち、たとえ成功しないとしても、それを実現するために、努力しなくてはいけないのよ。理想がなかったら、人生はみじめなものですよ。理想があればこそ人生も偉大なものとなるのですからね。自分の理想をしっかりもっていることですよ、アン。」
先生としての理想を持っていたけれどなかなか思い通りにはできないアンの姿には色々考えさせられました。
次もアラン夫人のセリフ。
「人生はここでは……ここに限らずどこでもそうだけれど……ゆたかな、充実したものですよ。わたしたちが、そのゆたかさと、充実したものにむかって、どんなふうに、心をひらいたらいいかをおぼえさえすればね。」

第二十一章「ミス・ラヴェンダー」より
ミス・ラヴェンダーの名前が本当にぴったりだと褒めて、それに比べると自分のアンと言う名前はどっかダサい……みたいに言うアンへの、ダイアナのセリフ。
「あたしはそうは思わないわ。アンという名前はあたしには、ほんとうに威厳のある、女王のような感じがしてよ。でもたとえ、あんたの名前がケレンハパッチなんていうのであっても、やっぱりあたしは好きよ。自分の名前をすてきにするのも、わるくするのも、その人しだいじゃないかしら。」
アン、美しい考え方だって感激して、ダイアナにお礼を言います。それにしてもケレンハパッチ…。

第二十三章「ミス・ラヴェンダーのロマンス」より
ミス・ラヴェンダーが自分の悲しい過去を語るシーンのセリフ。
「でもね、アン、実際に胸がやぶれるということは、物語で見るほど、おそろしいものではなくてよ。ちょうど歯痛のようなものね……あんまりロマンチックなたとえに思われないでしょうけれどね。痛いときには、ときどき眠れないこともあるけれど、その合間には、なにごともないかのように、人生や夢やこだまやキャンディをたのしんでいられるのですよ。」
中略。アンはここで思わずがっかりした顔をしちゃったようでそれを指摘されますw
「それがほんとうの人生のわるいところであり……良いところでもあるのよ、アン。いつまでも人をみじめにしておかないのよ。たえず、人生はわたしたちを慰めようとして、こちらで、いくら不幸で、ロマンチックな気分になっていようとしてもだめなのよ。このキャンディはすてきじゃない?わたし、もう食べすぎているんだけれど、たゆまず、食べつづけるわ。」
たゆまず食べ続けるwww おもしろい方です、ミス・ラヴェンダー。そしてこのセリフは、マシュウが亡くなった後、アラン夫人がアンにかけた言葉を思い出しますね。自然が癒してくれようとするなら、それに心を閉ざしちゃいけないっていうあれ。

第二十六章「道を曲がったところ」より
アンが大学へ進学することになり(これがサブタイトルですね。あの「曲り角」がもう一度やってきた、ということです)落ち込むダイアナとアンが会話するシーン。
アンは、ダイアナのような人は他にいないんだと言う。今、しみじみとわかるんだって…、自分の子供時代、グリーンゲイブルズにやってくるまで、どんなに寂しくて、どんなに愛情に飢えてたか…。ここに来て、ダイアナと出会って、全てが変わった…。
「あんたの友情がどんなにありがたかったか、あんたにはわからないくらいよ。ここで改めて、お礼を言いたいわ。」
「あたしだって、いつまでも……いつまでも」 すすり泣くダイアナ。ウッ;;
「……だあれも、女の子はだれも……、あんたのようには好きにならないわ。それから、もし結婚して女の子が生まれたら、アンという名前にするつもりなの。」
ダイアナ~~~~~;; 結局うちを一番泣かせるのはやっぱりダイアナなのでした。
あと、子供にアンの名前つけるっていうのは「その手があったか!!」って感じだった(…やる気かよ!まず相手だろ!!)(ウッ…自分で書いてて傷ついた……)。いいよね……こういう「永遠の友情」みたいなのって…。いやそりゃ旦那さんとの相談の上ってことは大前提だけど、子供に名前つけるとか、…もうあなた以上の友人は作らないとか、そんなこと言えちゃう「気持ち」が素敵やん…。
ダイアナ…やっぱり好きだ…。(これより後の話だけど)婚約もおめでとう。次巻も出番待ってます!

「赤毛のアン」のいいセリフ・50話(最終回)

2015-12-04 21:50:56 | 赤毛のアン
第50話「神は天にいまし すべて世は事もなし」より
…さあ、いよいよ最終回です!なんか49話が実質のクライマックスとか、最終回がしょーもないみたいな書き方しちゃってましたが、そんなことないんですよ!てか久々見て、「そんなことないんだ」って実感しました…。でもまあエピローグ的な位置づけでは…あるよね?それに1話使っちゃうんだもの、ゴージャスな話よね!!

そしていきなり忘れてた部分。アンが奨学金を蹴って家に残るって話はアボンリーにすぐ広まったけど、ほとんどの人がマリラの目の事情を知らないために、周りの人に愚かだとかかわいそうだと言われたりしてたんだって…!うわあ…。アラン夫人だけは賛成って言ってくれて、アンが涙を流してる…。それだけで、いいんだろうなあ…。周りにはマリラのために言わないって決めたんだろうなあ。アンがひどいこと言われたらマリラの方が言い返したりしちゃいそうだけど、それもしないって決めたんだろうなあ…(ひどいことっつっても、アボンリーの人だってただ事情を知らないだけで、ナレーションさんの言うとおり「善良な人々」なんだよなあ…つーかダイアナにも言ってないのね!?ビッックリ…)。

ある夕方、リンドさんがグリーンゲイブルズを訪ねてくる。アボンリーの情報屋リンドさんの口から、ギルバートが自分のためにアボンリーの学校の先生のポストを譲ってくれたことを知るアン。ギルはもちろん詳しい事情は知らないはずだけど、同じ苦労をした上で大学に進まない決断をするなんてよっぽどのことがあるんだって確信があったのかな…。ギルだって勉強は続けるんだし、大学への費用を貯めなきゃいけないからアボンリーの学校に勤めるのが一番いいはずなのに…それを、アンに譲った…。アンが、マリラと一緒にいたいって思ってることをよく知ってるから…!(マリラ、何も言わないけど泣きそうです…)
驚き、そんな犠牲をギルに払わせるわけにはいかないとうろたえるアンだけど、もう決まったことだし、今断ってもギルのためにもならないからアボンリーで教えなさいってサラリと言うリンドさん。そしてこの次の発言が……
「なに、もうパイ家の子供はいないからちゃんとやっていけるよ。ジョーシーが最後で本当によかったね。この20年というものアボンリーの学校には誰かしらパイ家の人間がいたけどねえ、あの子達の役割と言えば、『この世は安息の地にあらず』ってことを先生たちに思い知らせるために違いないよ!やれやれ!」
パイ家wwwwwwwwwwwwwwwww
48話に続いてボロクソですね!!何度聞いても最高に面白いこのリンドさんのセリフ……!!フォントサイズも変えちゃうわ!アンが不安そうな顔をしたのはそういう理由じゃないよwww

そこでバリー家の窓で何か光ってるのに気づくリンドさん。ダイアナからの「すぐ来い」の合図だったので、アンは二人にちょっと行ってくると言って駆け出していく。そしてそこにはジョセフィンおばさんが。久々にアンと話したいんだって…。
内容は、やはりというか奨学金を辞退した件のことだった。自分が一番アンの苦労を知ってると自負しているジョセフィンおばさんは、一言言わずにはいられなくて(多分めっちゃ急いで)アボンリーに来たんだと思われる…。ダイアナのお母さんが何度かたしなめようとするくらい、結構な勢いでまくしたてるジョセフィンおばさん。マシュウが亡くなって大変なのはわかるけど、マリラが無理矢理アンの大学行きを辞めさせたなら許さない、って感じ…。アンがかわいそうだって…。
しばらく黙って聞いていたアン。静かに、マリラは最初この決断を反対したんだって、言う。自分が押し切ったんだって。後悔なんてなくて、幸せな気持ちでいっぱいなんだって。
わけがわからず困惑するジョセフィンおばさんも、穏やかな表情でそう言うアンにはもうそれ以上何も言えない。そんなおばさんのそばへ寄り、手を取って、アンはこう言います…。
「ミス・バリー。なんてご親切なんでしょう。あたしのことをそんなに心配して下さるなんて。あたし、今度くらい人の親切が身に染みたことはありません。…そして、はた目から見れば不幸や不運に見えるかもしれないことが、普段わからなかった人の心の奥深い温かさや強さに触れたり、自分の心を試すまたとない機会なんだということを、つくづく思い知らされました。」
結局本当の事情は言わないアンだけど、とにかくものすごく考えて出した結論で、一時の気の迷いとかじゃないってことは十分に伝わった。それにジョセフィンおばさんがこうやって駆けつけたことに対する感謝まで…。もう、何も言えないよね…。
んで、アンが帰った後。見送りに出ていたダイアナとお母さんが部屋に戻ると、ジョセフィンおばさんがため息をついて、こう言う。
「…ま、それにしても、マリラという人は本当に幸せだねえ…。あんな子をそばに置けて。あたしゃ羨ましいよ…。」
泣きそうです……。やめてこっちまで泣くじゃん…!もう最終回までこの人は……!
この後、ダイアナがほっとかずにおばさんのそばに寄っていくのが愛しい(アンじゃなくて悪かったなとか言わない)(そりゃ言わないだろう…ダイアナは…)。セリフないけどミニー・メイも交えてトランプ?一緒にやってるシーンが映ります…。

んでここからBパート。マシュウのお墓参りに行く途中、郵便局の前で自分あての手紙を2通受け取り、その場で読むアン。まずはステラ・メイナードの手紙。レドモンドに(おそらく通常の試験で)合格した、またアンと一緒に勉強できるのが嬉しいって内容だった。お墓参りが終わって、今度はステイシー先生からの手紙を読む。これも、奨学金ゲットを祝福するお手紙だった。でも特に悲しそうな顔とかはしないアン。
途中、ミセス・アランと出会って、話しながら歩いてて…、そしてその後、一人になったアンはギルバート・ブライスと出会う。アンの姿を見つけて少しだけ微笑み、帽子を取ってすれ違おうとするギルに、アンは自分から手を差し出して話しかける。まずはとにかく、アボンリーの学校を譲ってくれたことのお礼を丁寧に言うアン。ギルも笑顔で手を握り返し、大したことじゃない、役に立ててうれしいって…。
おおおおお……ようやく二人が仲直り……って最終回やん!!
あの石板事件は何話だっけ??「教室騒動」だから…14話だ。50話でやっと和解ってすごいな!!歴史的和解だよ…!!アン自身もギルに正直に告白してる通り、もうあの川で助けてもらった時(31話「不運な白百合姫」)には本当は許してたらしいけど。しかし…物語内時間トータルで5年だそうです。アンはともかく、ギル…!紳士すぎる…!!5年も溝があったのに、スッとアンのために動くことができるなんて!!「いい友達になれるように生まれついてる」って、心のどこかでずっと思ってたのかな…。クイーン組の時とか完璧無視だったみたいやけど…。
つーかギルと話すとこのアンがめちゃかわいい!顔赤らめたりちょっと目を伏せたり…かわいい!!別れた後に一人で楽しそうにくるっと回転してるとことか超かわいいいいいい!!なんでこれ最終回だけなの……!(まあそこがいいのかもだけど)

その夜。アンは自分の部屋の窓辺で、ステラとステイシー先生に手紙の返事を書く。一通り事情を説明して、しばらく外を見て物思いにふけって…。
「(私の地平線は、クイーン学院からこのグリーンゲイブルズに帰ってきた夜から見れば、極端に狭まってしまったのかもしれません。しかし、たとえ私の足元に敷かれた道がどんなに狭くても、この道にはきっと静かな幸せの花が咲いているに違いないと思います。…真剣な仕事と、立派な抱負と、好ましい友情を手に入れる喜びが私を待っています。)」
アンが緑の木々の中に、自分の未来のイメージを描く。先生として子供たちの前に立つ姿、マリラと一緒に幸せに暮らしていく姿、ダイアナ達と一緒に何か作っている姿、そして、ギルバートと二人でいる姿…。
「(…本当に、道にはいつでも曲り角があるものですね。新たな角を曲がった時、その先に何を見出すか。私はそこに希望と夢を託してこの決断をしたつもりでした。…でも、狭いように見えるこの道を、曲がりくねりながらゆっくりと歩み始めた時、広い地平線に向かってひたすら走り続けていた頃に比べ、まわりの美しいものや、人の情けに触れることが、多くなったような気がするのです。)」
しばらく窓の外、遠くに見えるダイアナの家の方向を見つめるアン。
「(…無論、広い地平線の彼方にそびえたつ高い山を忘れてしまったわけではありませんし、何ものも、持って生まれた空想の力や、夢の理想世界を私から奪い取ることはできません。でも私は今、何の後悔もなく、安らぎに満ちてこの世の素晴らしさを褒め称えることができます。
…ブラウニングのあの一節のように。)」


アンはここで手紙から顔を上げ、…最後のセリフをゆっくりと、声に出して言ってくれます。
「神は天にいまし すべて世は事もなし。」

手紙を書いている間ずっと流れているBGMが、最後のセリフのとこでは完全に止まってるのがものすごくカッコイイ…。そして歌が流れて、カメラがずーっと引いてって…最後には道のずーっと向こうにグリーンゲイブルズが見えてるって絵で、終わり。終わりなんだけど、なんというか余韻がすごく良くて、まるで映画が終わる時みたいって思った。

全50話…。
1クール12話で終わっちゃうアニメと比べたら、まあそりゃ映画みたいだよねえ…。最初にも書いたけど、アンの最大の決断は前回描かれてるから、この最終回は丸ごとエピローグみたいなものなんだよね。本当に贅沢な話だし、こういう贅沢な枠で「赤毛のアン」をやってくれたってことがすごく、嬉しい(例えば赤毛のアンを今の時代、12話でやろうとしたらどうすりゃいいんだ…!?多分ギルは途中退場のまま二度と出てこれない)(ひでえ…)。

最後のブラウニングの詩の一節…。
「赤毛のアン」の原書はこうやって詩を引用してるとこが多いらしくて、最初の最初もブラウニングの詩で始まるそうです(多分アニメではこの最後以外はカットかな?そもそもなじみのない日本の人には意味伝わりづらいもんね…)。すごいなあ…、ブラウニングで始まりブラウニングで終わるのね。
せっかくこうしてアンを最後までじっくり見たのだから、ずっと「いつかは読んでみよう」って思ってた続編の話も、本当に、図書館で借りてきてでも読もうと思いました。うん。今年……はもう終わっちゃうから、来年!来年中に全部読み切ろう!

「いいセリフ」のピックアップ、やってみてよかったです。どんどんピックアップどころじゃなくなってるけど。
昔からアンのことは、いいなあ、好きだなあって思ってたけど、それって今思えばすごい漠然としてた。文字に書き残すことで、意味もめっちゃ考えたし、記憶にもすごい残るようになったと思う。
アンがもっともっと大好きになりました。ありがとうアン。大好きです。

「赤毛のアン」のいいセリフ・49話

2015-11-26 23:37:57 | 赤毛のアン
第49話「曲り角」より
さあ……!来たよ……!!!実質のクライマックス回!「赤毛のアン」という作品が、自分の中でものすごく特別だとはっきり認識したのはこの回です。子供時代のハチャメチャっぷりも大好きだ、大好きだけど……あのアンが、成長してここに至るってのが、すごく、すごくいい……!!
マリラが高名な眼科医の先生に診てもらうためにシャーロットタウンに出かけて、今日は家事をアンが全部やるらしい。オーブンの温度を手の感覚で測り(すげえ)、パンを入れようとしたところで、ノックが。ダイアナだった。そういやあの、突然ダッシュで帰っちゃったのは昨日でした。
「あら、ダイアナ!」
「……その顔を見て安心したけど、昨日はどうしちゃったの、アン?」
「ごめんなさい。あたし急にマシュウのことを思い出して…。」
「そんなことじゃないかと思って、懲りずに今日も誘いに来たのよ。もうそろそろ未来に向かって生きなくちゃ。」
……ここ、ねえ……!いや、何でもないワンシーンかもだけど、ダイアナ大好きな私にはたまらなく泣けてくるシーンなんですよ…。ダイアナ、ノックして、アンの返事にドアを開ける時はまだ無言で、表情も…いやあからさまに「そう」じゃないんだけど、やや緊張してるように見えるんですよね…。笑顔で迎えるアンの顔に「安心した」ってのは心からの本音だと思う。
…昨日はアンが急に帰ってしまった。アンはダイアナのせいじゃないって言ってたけど、自分が何か不用意なことを言ったんじゃないかとか、まだ連れ出したりするのは早すぎたかも、おせっかいだったかなとか……あの後、相当一人で悩んだんだろうなあ。…でも、悩んだ末に、それでも自分はおせっかいを貫こうと決めて、「懲りずに今日も」来たダイアナ……!!アンがまだ泣いていたらどうしよう、自分の顔を見て申し訳なさそうに、誘いを断られたらどうしよう。ドアを開ける瞬間、そんな風に考えないわけがないですよね…。悲しい気持ちを理解してないわけじゃない。だけど、いつかは未来に向かって顔を上げなくちゃならない。それなら自分が手を引いてあげたい……、って考えるダイアナが、大好きです!!大好きです!!!!うちもダイアナみたいな親友でありたい…けど無理だからダイアナみたいな親友が欲しい…いやもうそれはいるわ!(ダイアナのことを考えると必ず最終的にこの一人ノリツッコミになる)(……)
だからこれはセリフピックアップの記事だっちゅーの!!描写のないダイアナの心情を想像してそれに何行も使ってどうする!!
アンは明るい感じでダイアナに家事の手伝いを頼み、ダイアナも「もう昨日みたいなことはないって約束するなら手伝ってあげるわ。」って言って、これで昨日のことは終わり!二人は家事を片付け、今日こそダイアナの家に新型ミシンのお披露目となったのでした…。本当、いいなこの二人って…。
夕方、街から戻ってきたマリラはがっくりと疲れていた。…目の症状は思った以上に深刻で、お医者さんからは読書も縫い物も(なんと泣くことも!)、目に負担になることは全部やめないと半年以内に失明すると言われたらしい…。頭を抱えて嘆くマリラを必死に励ますアンだけど、マリラが早めに寝床に入るのを見送って、お皿を洗う時には一人で…泣いていた…。
ナレーションさんがここから全部言ってくれますよ…。
「アンの心は鉛のように重かった。エイブリー奨学金受賞という栄光に包まれて家に帰って来た晩から見ると、何という悲しい変わり方をしたことだろう。あの時は、希望と喜びにあふれていて、未来はバラ色に輝いていたというのに…。アンには、あの時からもう何年も経ってしまったように思えた。」
最初は部屋で一人何か考えていたアンが、マリラの寝室を覗いてその寝顔を見て、それから外に出る。いつもダイアナと待ち合わせをする小川の橋の上で、じっと川面を見つめている…。
「…しかし、やがてアンの口元には微笑みが浮かび、心も平静に復していた。アンは自分の為すべきことをしっかりと真正面から見据え、そこに味方を見出したのだった。義務というものが、率直にこれを受け入れる時に、いつもそうであるように。」
ここね…、ナレーションさんの言葉に添う、アンの表情の変化がとてもいいです…。まずは微笑み、キリッとした顔でグリーンゲイブルズの方を振り返り…、両目から涙がこぼれて…。でも…その涙を拭ったら、もう、穏やかな顔になってるんですよね…。そして家に戻っていく。一度立ち止まり、じっと自分の愛するグリーンゲイブルズを見上げてから、戻っていく…。セリフはひとつもないんです。ナレーションさんしかしゃべってない。ものすごく好きなシーンです。いつもあの、最後の涙で泣いちゃうけど。
一体どれだけの…決意だったんだろうね……。
次の日からアンはさっそく行動し始めます(馬車、運転?できるのね…!結構びっくりした…!)。マリラの方にはリンドさんがしょっちゅう来て、…アンの知らないうちにグリーンゲイブルズを売る話が少しずつ進んでいる。マリラもそのためにアンの行動を気にする余裕もなくて…
ある日、グリーンゲイブルズにアンの知らない人が来ていた。…その人の目的がグリーンゲイブルズを買うための下見だと知って、アンは驚愕。マリラにこの家を売るつもりなのかと聞いて、……もう、ここからのマリラの涙ながらのセリフが……何度聴いてもとても辛い……。マリラもさんざん考えたけど、リンドさんの勧めに従ってこの家を手放す話を進めることにしたんだって…。目のことさえなければ一人でもやっていけたかもしれないけれど、って…。
アンが奨学金をもらっていてくれて本当に助かった、って言うとこの震える声が…;; 家は売っちゃうから休みの時に帰ってくる場所がなくなるのは申し訳ないけど、アンなら上手くやっていけるって……そう言って、顔を覆って泣いてしまうマリラが本当に…辛そうで…見てられない…。
でも、アンが。
アンが、涙をぬぐって、この家を売っちゃいけないって言う。…マリラを一人にはしないって、自分がいるって、……レドモンドには行かないことにしたって……明るく言うんだよね。
さすがのマリラもこれにはビッックリして、顔を上げて聞き返す。あまりの驚きに涙も止まってしまった(…よかった。泣くのもよくないんだよね?目に)。
「今言った通りよ。奨学金は辞退するの。マリラが街へ行ってきた日の晩にそう決めたのよ?…マリラが困っている時にどうしてあたしがほっておけるかしら。どれくらいあたしのために尽くしてくれたか知れないのに。」
でも、というマリラの言葉を遮り、ここ数日、自分の練ってきた計画をマリラに話すアン。畑は申し出のあったバリーさんに貸すことにして、自分は先生になるって(願書も出してきたらしい)。アボンリーの学校はもうギルバートが決まってるらしいけど、カーモディならいけそうなんだって。それならここにも頻繁に帰ってこれるしマリラに本を読んであげることもできる。寂しくさせないって…。
それでも、マリラはまだ、手放しで喜んだりできない。…当然だよね。アンは奨学金を得るために想像を絶するような努力を重ねてきてて…それをマリラはよくよく知ってるんだから。自分のためにアンを犠牲にはできないって…。
でも、アンは。
「とんでもない!犠牲なんかじゃないわ。グリーンゲイブルズを手放す以上に悪いことはないのよ。それがあたしにとって一番辛いの。…この古い大事な家を何としても守らなくちゃ。」
「でもそれじゃああんたの野心が…」
「あたしの野心ならちっとも変わらないわ。ただ対象が変わっただけなの。あたし立派な先生になるつもりだし、マリラの目を守りたいのよ。それに家で勉強して大学の課程を一人でやってみるつもりなの。…ああマリラ!この一週間、ずっと考えていたの…!」
さあここだ。せっかくだからフォントサイズも変えてみようか…!
「クイーンを卒業した時は、未来が一本のまっすぐな道のように思えたわ。でも、今はそこに曲り角があるのよ。角を曲がると、どんなことが待っているのかわからないわ。その先の道は、緑の輝きと柔らかい色とりどりの光と影に包まれたものかもしれないし、見たこともない美しいカーブや丘や谷が待っているのかもしれない。…でも、あたしは一番いいものがあるって信じてるの!だから全力を尽くしてやってみるわ!!…そうすればきっとそれだけのものは返ってくると思うの。」
…よく考えると前にフォントサイズを変えてまで強調したセリフはあの痛み止め入りケーキの話の「…でも痛み止めは毒にならないわ!!」だった気がするwww(なんでいいシーンなのに台無しにするんだわたし…)
まあそれはともかく、見ての通りタイトルの「曲り角」はこのセリフからですね。とても有名なセリフですね。またアンがここ、すごくキラキラした目で話しているのがとてもいい…。
でも忘れちゃいけないのは、その決意のシーン…この回の前半で見れるあのシーンで、アンは一人で涙を流していたことだと思います。だからといってこのセリフが無理してるとか、我慢してるとかじゃないのは、本当にアンが言う通りなんでしょう。何度も書くけど、あの奨学金のためにアンは長い間努力をし続けてきたし、当然犠牲にしたものだってたくさんあったと思う。…多分、アンは、あの涙が最後って決めたんだ。栄光の未来を、まっすぐな方の道を、選べなかった悔しさ、悲しさに対する涙は、もうあれで最後にするって…。
そして曲り角の方へ進むことを決めたんだ。笑顔で、全力で、そこにある風景を楽しんで進むことに決めたんだ…!
本当に、すごい。すごい好きなセリフ。こんな風に言える、アンみたいになりたいって思う…!!
アンの揺るぎない決意を受けての、ラストのマリラのセリフも素晴らしいです。
「…よく言っておくれたね、アン。あんたのおかげで生き返ったような気がするよ。本来ならここでもうひと頑張りして、あんたを大学に行かせるべきなんだろうがね。…あたしにはもうできそうもない。だからもうできるフリもしないでおこうよ。……でもねえアン。あんたのためになるなら、いつでもこの家を手放すつもりだよ。」
お互いを心から想い合う二人は、抱き合って静かに涙を流すのでした…。
ああ素晴らしい。「赤毛のアン」素晴らしい。

「赤毛のアン」のいいセリフ・48話

2015-11-25 23:14:14 | 赤毛のアン
第48話「マシュウ我が家を去る」より
あれから二日。いよいよ、マシュウがその人生活のほとんどを過ごしたグリーンゲイブルズから去る日が来た。
アンとマリラ、そして参列したアボンリーの皆が時折苦しそうに、悲しそうに涙を流しつつも、物事は淡々と進んでいく…。マシュウの名前が刻まれたお墓の傍らに、静かに立っているアンとマリラ。
(帰り道のジョーシーの発言は本当に「どんな神経してんだこいつは!!」ってなったよ…。まあうちも人のこと言える神経じゃないけどさ、それにしたって…ジョーシー…。ダイアナが一瞬何か言おうとしてやめる仕草をするんだけど、やめないでくれ…。いっぺん殴ってくれそいつ…。)
前回に引き続きナレーションさんが大活躍です。
「…やがて、アボンリーは何事もなかったように平静を取り戻し、グリーンゲイブルズでさえも、見慣れたものすべてに何かが欠けているという辛い思いこそどうすることもできないにしても、前と同じような日課が規則正しく営まれるになった。」
自分の部屋で目を覚ますアン。窓から入る明るい光に気づき、カーテンと窓を開けて外を見る。広がる景色や、もう散り始めていて緑の葉も見える「雪の女王様」を見て、確かに少しだけ微笑んでいるアン…。
アンが庭でバラの花の枝を1本切っていると、そこにダイアナがやって来る。新しいミシンが来たから家に見に来ないかって。おそらく…というか100%アンを元気づけようとして、なるべく楽しそうに元気そうにしゃべってるダイアナが愛しいです。でもアンは、今切ったバラ(マシュウが一番好きだと言っていたバラ)をマシュウのお墓に植えに行くところなので、残念だけど行けないって言う。ダイアナはくじけず、自分もお墓に付き合うからそれから家においでって…ダイアナ;;
お墓のところにバラを植えて…上手く根付くことを祈って。それで、ダイアナの家へ向かう小道の途中で…ダイアナがジョーシーの噂話をして、アンがつい笑っちゃって。その後アンは突然今日はここで帰るって、走って行ってしまう。ダイアナのせいじゃないから気にしないで、と言って…。
向かった先はお墓だった。…ナレーション開始。
「人の死というものを全く知らなかったアンにとって、ここ数日の出来事は意外だった。マシュウがいなくても、その気になれば昔と同じようにやっていけるということが、うら悲しく思えた。自然や花、愛や友情が、これまでと少しも変わらず、アンの空想を刺激し、アンの胸をときめかす力を失っていないこと、そして、人生が依然としてさまざまな声音で強くアンに呼びかけているのだということに気づいた時、…アンは、恥ずかしさと後悔に似たものを感じたのである。」
うん……。わかる、気がするなあ…。
教会へ行ったアンはそのまま牧師館へ行ったらしい。アラン夫人に話を聞いてもらってる…(というか教会内にいたアンに気づいてアラン夫人が家に連れてきた、の方が正解かな?)。
今のアンは、もみの木の向こうから見えてくる朝日や、お花のつぼみを見つけて嬉しくなってしまう自分が許せないらしい。
「マシュウが亡くなったというのに、こういうものを面白がるなんて、なんだかマシュウに悪いみたいな気がするんです。…マシュウがいなくなってとても寂しいんです…始終。それなのに、この世界も人生も、とても美しくて興味あるものに思えて…。今日なんか、ダイアナが何かおかしなこと言ったら、私思わず笑ってしまったんです。…あの事があった時、私はもう二度と笑うことなんかできないだろうと思ったのに。…第一、私は笑ったりしてはいけないんだって気がするんです。」
ずっと黙ってアンの話を聞いていたアラン夫人が、ここで口を開く。
「ねえ、アン?この世にいらしたとき、マシュウはあなたの笑い声を聞くのが好きでしたね。そして、何か面白い事があって、あなたが楽しんでいると分かれば喜んでくれたでしょう?…マシュウはね、今ここにいないというだけなのよ。だから、あなたが楽しむ姿を今までと同じように見たいと思うに違いないわ。自然が心の痛手を癒すように仕向けてくれるなら、私達はそれに対して、心を閉ざすべきではないと思うの。…もちろん、あなたの気持ちはよくわかりますよ。誰も同じ経験をするんじゃないかしら。…誰か愛する人がこの世を去って、私達と一緒に喜びを分かつことができなくなると、自分が何かに心を惹かれるということが許せないような気になるわね。…そして、人生に対する関心が再び戻ってくると、悲しみに忠実でないような気がしてくるのよね…。」
このアラン夫人の長いセリフは……もうほんと、丸ごと覚えておきたいですね……。特に「自然が心の痛手を癒すように仕向けてくれるなら、私達はそれに対して、心を閉ざすべきではないと思うの。」のとこ。アンの、「笑ったりしちゃいけないんだ」って気持ち、すごく、わかる。だけど、心を閉ざすべきじゃない…。
聞いてる時もアンは結構無表情のままなんだけど(うなづくこともしないなんて、本当にいつものアンからしたら考えられない…)、この後、自分が植えたバラの話をする時は、少し表情も晴れやかで…すぐには無理でも、少しずつ閉ざした心を開いていこうって思ってることがわかります。
グリーンゲイブルズに帰ると、マリラが戸口のところに座っていた。多分、アンの帰りを待っていたのでしょう…。
今日はスペンサー先生が来て、明日眼科の名医がシャーロットタウンに来るから検査をしてもらうようにって言われたらしい。留守中の家の仕事の話から、アンが昔した数々の失敗談の話になる。アンは明るく話してるし、マリラもちょっとだけ笑った。きっとこんな普通の会話も、二人にしたら久しぶりだったんじゃないかな…。
そしてまさかの!髪の毛を緑に染めた失敗の話から、ジョーシーの話になった!よりによってお葬式の日に髪が赤いことをまだ言われたって…(くっそー、書くの嫌だからスルーしたつもりだったのにジョーシーめ!)(えー…)
「…マリラ、ジョーシーを好きになろうとすることなんかもうやめようと思うの。これまでそのために涙ぐましいほどの努力をしてきたつもりだけど、どうしてもジョーシーを好きにはなれないわ。」
いいぞ!アン!やめちまえ!! って嬉しがってたら(……)、マリラの衝撃発言が!
「ジョーシーはパイ家の一人だからねえ…。気に障るようなことばかり言う羽目になるのさ。」
パイ家、どういう扱いなんだ…アボンリーで…。すごい言われようやで!!
「あの手の人間でも社会に役立つことが丸っきりないとは思わないけど、せいぜいアザミの効用って言ったところだね。」
ここの「アザミの効用」がわからなくてググってみたんですが…(てか「アザミの紅葉」かと思った)、えーと…、長くて書けないので興味ある方はググってみてください!!(おい…)
その後、部屋の中でお茶しながら話を続けるアンとマリラ。クイーン組の仲間たちが今後どうするのかって…。ギルの事も普通に答えるアンだけど…マリラが、こないだ見かけて男らしくなってたって。父親の若いころそっくりだって…。なんと、ギルのお父さんとマリラはめちゃ仲良しだったらしい!周りには恋人同士だと噂されるくらいに!…でも、ケンカした。向こうが謝ってきた時に許さなかった……。どこかで……聞いたような…話やで……。
「…あの人は二度と私のところにやってこなかった。ブライス家の人間は皆、とても人に頭を下げるのが嫌いだからね…。」
また「家」!(パイ家の話も伏線なの!?) んん…?…そういう…もんなのかなあ?だとするとカスバート家は「全員頑固」とか言われてそうですよね…。アンは実子でも養子でもないけど、カスバート家の人間やしね…。
マリラは悪い事をしたって、後悔してるんだって…。せっかくの許すチャンスだったのにって。
「…マリラにも、若い時のロマンスがあったのね…。」
「今の私を見ただけじゃ思いもかけないだろうね。でも人のことは外見だけじゃ決められないよ。皆、私とジョンの事は忘れてしまったし、あたしだってそう。…でも、この間ギルバートを見たとたんに昔の事を思い出してね。悪い気はしなかったね。」
ここ、普通だとアンのセリフって怒られそうじゃないですか。冗談半分でも、当たり前だ!とかね。でもマリラは淡々と、「思いもかけないだろうね」って言う…。なんか、忘れられないセリフです。その後の「人のことは外見だけじゃ決められない」ってセリフと合わせて。

「赤毛のアン」のいいセリフ・46話~47話

2015-11-04 23:30:43 | 赤毛のアン
第46話「マシュウの愛」より
ああ……クライマックスが近づいてくる……。そういう予感に震えるしかない回です…。
でもスタートから画面は大変に美しい。「赤毛のアン」はもう最初からずーっと背景美術が美しいですが、今回はこれでもか!!ってくらい見せてくれます。…本当に綺麗…。なんかこういう画集とか出てないのかな… って、あ、あった。
井岡雅宏画集―「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景 (ジブリTHE ARTシリーズ)
クリエーター情報なし
徳間書店

今度図書館で借りて来よう…。
自分の部屋で目覚めたアンが、目覚めた直後に幸せそうに笑って、天井に映る、揺れる木の影を見るシーン、とてもいいです…。そんで首だけ動かして実際の窓(緑色のカーテンがかかってる)からまぶしそうな光が漏れているのを見て、まっすぐ前に向き直って、この一言。
「…ああ!良く寝たわ。こんなにのんびりできたのは何か月ぶりかしら。…レドモンドに立つまでの3ヶ月をこのアボンリーで過ごせるなんて、とても満ち足りた気分だわ…!」
いいセリフだなあ…。起きていきなりこれだもんね。本当に「満ち足りた気分」なんだなってすごいわかるし、やっぱり試験まではゆっくり眠れることなんてなかったんだろうなあという、アンの想像を絶する努力まで感じることができてすごいです。
久々の幸せな朝ごはん。マシュウが仕事に出かけるのを見送ってから、やはり少し顔色が悪そうだと心配そうに言うアン。マリラの話では、あのアンが突然帰って来た雪の日の後もひどい発作を起こしたらしい…。でもマシュウは休んでくれない。ただ、今は働き者の雇い人のマーチンが頑張ってくれてるから、マシュウの負担もずいぶん減ったって。アンもものすごい成績を収めてこうして帰ってきたし、大きな心配事はなくなったんだって…。
そこへ、慌てた様子でリンドさんが駆け込んでくる。朝からどうしたのかマリラが聞くと、アベイ銀行がいよいよ本当に危ないらしいという情報をゲットして、マシュウに知らせに来てくれたらしい(いい人だなあ…)。
色々な噂が飛び交っていて、銀行にはもう預金を下ろそうとする人が殺到しているらしい。お父さんが付き合いのあったアベイさんを信じたい気持ちはわかるけど、と言いながら頑張って説得するリンドさん(ほんと…いい人だなあ…)。最初はそれでも大丈夫だ、という感じだったマシュウも、大口の債権者である知り合いの人に会って事実確認をすることに決めるマシュウ。それでいざ会ってみると、その人はそれはただの噂だと笑い飛ばしたので、マシュウも安心して帰ってくる…。…うん、多分この人はマシュウに嘘は言ってない…。本当に大丈夫って、信じてたんだろう……。
そしてその結果を聞いて一応、安心したアンは、当初の予定通り「思い出の場所」を一人で巡ることにする。相変わらず美しいそれぞれの場所(お花がすごいわあ…きれい…)。…でも、アンの顔はなんとなく晴れない。やっぱり銀行の件が心配なのかなと思ってたんだけど、アンが牧師館に寄ってアラン夫人と話す中で、理由がわかる…。
帰って来てみて気づいた。マリラとマシュウは本当に年老いた。二人とも体に不安な所を抱えてるのに、今度は自分は4年間も二人をほっておくことになる…。本当は、家にいて二人の手助けをした方がいいんじゃないかって…。
でもアラン夫人が指摘し、アンも素直に認める通り、だからといって奨学金を手放そうとかそういう決意をしてるわけではない。本当は、もっと自分の目指す道を究めたい。だからこそ、辛い…。
「じゃあ、辛いままレドモンドカレッジに行くしかないんじゃないかしら。」
ここでアンが大学を諦めて、マリラとマシュウの手助けをすると決めれば、それなりに二人は楽になるし嬉しいかもしれない。でもアンの夢や希望を自分で諦めたということが、一生悔いを残すのは確実…。
「人間は苦しいからといって、悩みを切り捨てるわけにはいかないのよ?それが人間の良心というものなの。」
ここ、すごいハッとした…!普通にアラン夫人の言葉を真剣に聞いてた…!
どういう道を選んでも、悩みからは逃れられない。であれば悩みながらも、二人への感謝を忘れずに大学へ進んで自分の勉学に励むのがアンにとっては一番いいんじゃないか、って…。なるほどなあ…。そういう悩みをアンが持ってることが嬉しいって…。
「人生というものは割り切れなくていいのよ、アン。…いいえ、割り切れてしまってはならないの。…もちろん、あなたもここへ来て、悩みがきれいさっぱり解決するとは思わなかったでしょうけど…わかってもらえたかしら?」
まずこの優しい語り口がいいんだよねえ…。アンも少し笑顔になって帰っていく…。
帰り道、マシュウを見つけて駆け寄っていくアン。…さあ、ここからです。今回のサブタイトルはきっとここからのシーンのためにあります。超有名なシーンだろうけど…。
今日もこんな夕方までかっちり働いていたらしいマシュウ。アンが体のためにももっと休まないとって言うんだけど、「のんびりやる」ということができないらしい。いつも忘れちゃうんだって…(マリラも言ってたね…)。
「…もしあたしがマシュウの欲しがっていた男の子だったら、今頃は大いに役立って、色んな面で楽をさせてあげられたのにね…。それを思うと、男の子だったらよかったのにって、どうしても思っちゃうの…。」
「…そうさのう。わしはなあアン、1ダースの男の子より、お前にいてもらう方がいいよ。…いいかい、1ダースの男の子よりもだよ?…そうさのう、エイブリー奨学金を獲ったのは男の子じゃなかったろ?女の子さ。…わしの女の子だよ。わしの自慢の女の子じゃないか。」
「マシュウ…!」
「アンはわしの娘じゃ。」
言い終わって歩いて行くマシュウを追いかけるアンが、後ろから腕を組んで……二人が寄り添うように笑顔で歩いて行くんだよね…。その先にはマリラが待ってて…。いい、シーンだなああ…;;
そして今日も素敵です、ナレーションさん!
「この夜の、平和な美しさ、香りに満ちた穏やかさは、アンの後々の思い出になった。…それは、アンの人生に悲しみが降りかかる前の、最後の夜だったから…。」
な、ナレーションさん……!!

第47話「死と呼ばれる刈り入れ人」より
どんなに心の準備をしていても号泣は避けられない回。そしてその瞬間は…驚くほど急に訪れます。
天気のいい、平和な一日。マシュウもマリラもそしてアンも、それぞれが張り切って仕事をしてます。アンが窓辺のお花を替えようと、庭のスイセンを詰んで家に戻ると、マリラの声が聴こえて……慌ててアンが駆けつけたその目の前で、マシュウが胸をおさえたまま、ゆっくりとドアのところで倒れてしまう…。雇い人のマーチンとマリラがマシュウをソファに運び、マリラは必死にマシュウに呼びかけ、心臓マッサージを施すけれど、マシュウは目を開けない…。
すぐにマーチンに事情を聴いたリンドさんがやって来る。マリラと場所を代わり、顔を見て、脈を診て、心臓に耳を当てて…
やがて、辛そうな顔で顔を上げるリンドさん。その両目からは、涙が…。
「レイチェル…。」
「ああ、マリラ。どうにも、しょうがないようだ…。」

目を大きく見開くマリラ。必死にマシュウの体を揺すり、名前を呼ぶ…。
「まさか、まさかマシュウが…」
「そうなんだよ、アン。たぶん間違いないよ。マシュウの顔を見てごらん。あたしみたいに度々ああいう表情を見た者にはわかるんだよ…。」
(ちなみにリンドさんは、ご自分のお子さんも2人亡くしているそうです。育てたのは10人)
マシュウの体にすがるようにして、号泣するマリラ。アンは…固まったまま…。
マーチンが呼んできたお医者さんは、マシュウがほとんど苦しまずに逝ったのだろうという判断だった。何かとてつもないショックを受けたせいだって…。お医者さんが帰った後、床に落ちた新聞に気づくリンドさん。そこには…、あのアベイ銀行が倒産した、というニュースがあった。きっとこれを見たせいでマシュウは…。
リンドさんが泣きながら、だから忠告したのにって言うんだけど、それをやや強い口調で止めるアン。リンドさんもすぐにはっとして、マリラに謝る。今更言っても仕方ないこと…だよね…。でもマリラは無反応。
呆然とマシュウを囲んだままの4人の中で、最初に冷静さを取り戻したのは…やはり、リンドさんだった。ほんとここから、すごい…。人生経験の差が、あと何よりも気丈で冷静な対応っぷりが……。
マリラはもう泣いてはいないけれど、強いショックを受けていて、リンドさんの言葉は耳に届かないようだった。なのでリンドさんは部屋の外にアンとマーチンを呼んで指示を出す。
「…今はマリラをそっとしておくしかないから、あんた達にしっかりしてもらわなきゃならないよ。」
アンは涙を流さないものの、十分ショックを受けてるということはわかりつつ、でも今はしっかりしなさいって感じで優しく、でもてきぱき指示を出すリンドさんがすごいです…。アボンリー中から弔問客が訪れ、棺が届き、静かにざわついているグリーンゲイブルズの中で、常に周りを見て、時には嘆くマリラを慰めて…。
夜。アンの部屋に訪れて、今夜は泊まっていこうかと提案するダイアナ。
「ありがとう、ダイアナ…。あたしが一人でいたいと言っても、誤解しないでくれるわねダイアナ…?…怖くはないの。」
「アン…。」
「今度の事があってから、一度も一人っきりになったことがないの。だからそうしたいの。……黙ってじっと静かに納得がいくまで考えてみたい。私にはどうしてもよく飲み込めないの。マシュウが死ぬなんてことはありえないって気がするかと思うと、…それはもうずっと昔のことで、それ以来こんななんとも言いようのない鈍い痛みに悩まされてきたように、思えたりするの。…ごめんね、ダイアナ…。」
ナレーションさんによると、ダイアナはこのセリフ、よくわからなかったようです。…なんだかひどい気もするけど、まあ、…わかんないわな。うちもよくわからない。
加えてダイアナには、今のアンの状態もよくわからないものだった。マリラはいつもの冷静で感情をあんまり表に出さなかったのが嘘のように、人前でも号泣してる。でもアンは泣いていない。泣いていないだけで、苦しんでるってことはすごくわかるんだけど……。
「しかし、優しいダイアナは、何も言わずそのまま立ち去った。……アンが、悲しみの第一夜を、一人で過ごせるように…。」
ナレーションさん;; ダイアナもここ辛いだろうなあ…。一番の親友の力になれないんだものね…。
…アンが一人になってからしゃべらないので、ナレーションさん引き続き大活躍です。
「前の日の夕方、アンと一緒に歩いたマシュウは、今や厳として侵しがたい安らぎの色を額に浮かべながら、下のほの暗い部屋に横たわっているのだ。……しかし、涙は出てこなかった。涙の代わりに、あの、前と同じ何とも言いようのない鈍い痛みのような切なさがこみ上げてきて、アンを、苛み続けた。」
アンは窓辺でいつしか眠ってしまって、短い夢を見た。…夢というか…断片的な、マシュウのイメージ。そして、あの昨日のセリフが聴こえてくる。「1ダースの男の子よりも」……。
「アンはわしの娘じゃ。」
そう言って、昨日と同じように行ってしまうマシュウ。アンが名前を呼ぶと、笑顔で振りむくけど、また、闇の中へと進んでいってしまう…。
それから、大声でマシュウの名前を呼びながら、号泣するアン。……ううっ、見てるだけで辛い;;
その声は、マシュウの横に座っていた1階のマリラにも聴こえた。2階に上がって、泣き続けているアンをなぐさめるマリラ。
(ここから、何度見ても普通に泣いちゃうので、書くの大変でした…ほんとに…)
「ああ、マリラ…!思う存分泣かせて…。泣く方があの痛みほど辛くないの…!……マリラ、しばらくの間あたしのところにいて。あたしを抱いてて…そんな風に…。」
マリラの膝の上で泣き続けるアン。
「…ダイアナにそばにいてもらうわけにはいかなかったの。あの子はとても親切で優しいけど、今度のことはあの子の悲しみじゃないでしょう?あたしの心の中まで入りこんでなぐさめてくれることはできないわ…。これはあたし達の、マリラとあたしの悲しみなんですものね…。ああ、マリラ…!マシュウがいなくなってこれからどうすればいいの…?」
「二人で力を合わせていくことだよ、アン。…あんたがいなければ、もしうちへ来ていなければ、あたしはどうしたらいいかわからなかったろうよ。」
「マリラ…。マリラ……!」
「ああ、アン…。これまで、あんたには少しきつくあたりすぎたこともあったかもしれないけど、だからといって、マシュウほどあんたをかわいがっていなかったなんて思わないでおくれ。」
このマリラの言葉に何度も首を振り、また涙を流してマリラに抱きついて泣くアン。
「…あたしはね、こんな時でもない限り思った通りの事を口に出して言えないんだよ。今ならそれができると思うから言うけど、あんたはね、…あんたのことは自分の腹を痛めた子のように愛しいと思ってるんだよ。」
「マリラ…。」
「グリーンゲイブルズに来てからというもの、…あんただけがあたしの喜びでありなぐさめだった…。」
「マリラ…!」
「アン…。」
抱き合って、涙を流し続ける二人……。いやあ、ここ、ほんとすごいですよ…。アンの声優さんはこのシーン、ずっと泣きっぱなしの演技し続けてるし、マリラの声優さんも、前半は割と冷静にしゃべってるんだけど、最後の方の涙で震えるセリフとかすごい…。こんなシーンでなければ「マリラのデレ、キタコレ!!」ってなるんでしょうけど(一瞬で台無しにすんな…)、見てたらそんな風に言えないです…。ほんと、何度見ても、一緒に泣いちゃう…。
ってかこの回、特にこの部分でしょうけど、声優の皆さんが泣いちゃって泣いちゃって収録が中断しまくりだったそうです…。そういうエピソードがあるのも納得です、このシーン見ると。

「赤毛のアン」のいいセリフ・43話~45話

2015-08-26 23:34:43 | 赤毛のアン
第43話「週末の休暇」より
秋から冬の気候が穏やかな間、クイーン学院に行った生徒たちは金曜日ごとに汽車でカーモディまで帰ってくるそうです。…つまりこれ、もっと冬は無理になるってこと?かな?駅にはダイアナを始め、友人達が迎えに来てて、そこから美しい夕焼けの中を歩いてアボンリーまで帰る。その間グリーンゲイブルズで落ち着きなくウロウロしちゃうマシュウと、ウロウロするなと注意しつつも自分も珍しく慌ててるマリラ(間違って素手でオーブンの扉を開けようとする…危ない)がとてもかわいいです。
ようやくグリーンゲイブルズまでたどり着いた…と思ったら、今度はダイアナを橋のところまで送っていく、と言って一緒に歩いて行ってしまうアン。窓から見てたマリラはめちゃ残念そうだけど、…こういうのわかる!!うちも昔めっちゃやってたわ親友と…!お互いの家の間を行ったり来たりしてた!立ち止まって話すより歩いてる方が話しやすいとかあるんですかね?ダイアナはマリラ達が待ってるよって一応言うんだけど(もちろん二人とも全て窓から見られてることには全く気づいてない)アンも何か聞いてほしい事があるって…。
それはエイブリー奨学金のことだった。まだ誰にも言ってないけれどダイアナにだけは、それを目標にしてるってことを打ち明ける。問題は、…クイーンは1年間だけど、カレッジは4年間あるということ。マリラ達は当然、1年でアンが戻ってきて先生になるって思ってるから、申し訳なくて言い出せない…。
大丈夫、と確信ある表情でアンを励ますダイアナ。クイーンに通った時もあんなに喜んでくれたんだから、奨学金ゲットというものすごい名誉を喜ばないはずがないって。アンの手を握り、まっすぐ正面からアンを見つめて、ダイアナは言う。
「大丈夫。頑張るのよ、アン。」
「ありがとうダイアナ。あなたが励ましてくれるので、本当に心強いわ。」
「あたしはあなたをいつも信じてるわ。」
「ダイアナ…!」
離れていても、この友情!この信頼関係!!すばらしい…。
そして二人は何も言わないけれど、橋の上で二人が手を取り合って向かい合ってる姿は、あの「おごそかな誓い」を思い出させて本当に泣けます…!今度は本当の川の上だよ!スクショ撮れたらここは絶対撮ってたね…。
ようやく帰って来たアンと、食卓を囲んで会話するマリラとマシュウが幸せそうでなによりです。そしてナレーションが、また…。
「アンが成長した分だけ、マシュウとマリラは年老いてきた。週に一度グリーンゲイブルズに帰ってくることは、アンの楽しみである以上に、マシュウとマリラにとっては生きる支えと言っていいほど、楽しみなことだった。」
生きる…支え…。
アンはグリーンゲイブルズに住んでた頃みたいにマリラとマシュウを手伝っている。今年はりんごが大豊作で、アンも張り切って収穫。その大量のリンゴをジュースにするために、三人で冬の買い物も兼ねてブライトリバーまで出かけることに。驚くことに三人で出かけるのはこれが初めてらしい…!
馬車で、リンゴの実のなる道を通る時、三人は上を見上げながらそれぞれに思うことがあった。今は実がなっているけれど、ここはアンが名づけた「喜びの白い道」。皆無言のまま、…しばらく最初にここにやってきた時の映像が流れる。でも映像だけでBGMはずっと変わらず、昔の回想の分のセリフも聴こえたりしない。なのに、はっきり思い出せるの、すごいよね…!あの感激したアンの「カスバートさん!カスバートさん!カスバートさん!!」ってセリフとかね…。
ようやくマリラが少し笑って、マシュウが何を考えてるかわかるって言う。マシュウもそれは多分正解だって反応。後ろに腰かけてるアンが、私の考えてることは当てられないわよって言う。
「あたしね、グリーンゲイブルズに来てちょうど一年目の日に、マリラが、マシュウとあたしをこの『喜びの白い道』へ来させてくれたことを思い出してたの。」
20話ですね…!ここ、アンの声がひたすら優しくて、…もちろん最初に通った時の感激も忘れがたいけど、あの時の感謝も忘れてないって二人への気持ちが…ひしひし伝わります…。マリラまた泣きそうだよ…。
幸せな休暇が終わり、アンはまたクイーン学院の生活に戻っていく。…結局、奨学金のこと、カレッジのことはマリラ達には言い出せなかった。…しかしマリラはあのアボンリー情報局・リンドさんの口からその話を知ることになる。年老いた二人を置いてカレッジに進もうなんて、優しい娘のすることじゃないって…。
しばらく考えていた様子のマリラが口を開く。
「…レイチェル。今も私たちがあの子を養子にしてないのはなぜだかわかるかね?あの子は神から授かった子なんだよ。元々いなかった子だよ。あの子がそうしたいと言うのなら自由にさせてやりたいんだよ。」
静かにそう言うと、目にたまった涙を拭うマリラ。きっと自分たちのことを思って言い出せなかったんだろう、って。奨学金を目指すという目標をアンが見つけたことが嬉しいから、自分は応援してやるつもりだって…。
最後のリンドさんのセリフ。
「…やれやれ。ま、あんたも変わったもんさね。アンで驚かされたことは数えきれないけど、どうやらまだまだ続きそうだよ…。」

第44話「クイーン学院の冬」より
冬。クリスマスの休暇の後は、アボンリーの生徒たちは雪のために週末ごとの帰宅を諦めざるを得なかった。アンも同じ。卒業試験も近いし、勉強に打ち込むために試験が終わるまで帰ってこれないらしい。試験が終わるまではあと5か月もある…。仕方のないことだけど、落胆するマシュウとマリラ。
ある日、マシュウがまた発作を起こして倒れてしまう。…マシュウが寝ている横で、声を落として話をするマリラとリンドさん。リンドさんは、電報を打ってアンを呼び戻すべきだと言うんだけど、マリラはきかない。アンは今、勉強に身を入れたところなんだからって。マシュウも目を覚まして、呼び戻してはいけないって何度も言う。二人のがんこさに呆れるリンドさん…(きっとこうなるであろうことは予想つくだろうに、それでも言わずにはいられないリンドさん素敵です。自分のためじゃないんだよ…マリラとマシュウのためなんだよ…)。
とうとう、と言うべきか、アンはその事実を、ジョセフィンおばさんの口から知ることになる。…いてもたってもいられずに、雪の中汽車に飛び乗りアボンリーへと向かうアン。
連絡なしに突然グリーンゲイブルズに帰って来たアンにめちゃくちゃ驚くマリラ(そりゃそうだ)。
「マリラ、ひどいじゃない!どうしてあたしに教えてくれなかったの…!?」
「何の話だい?学校で何かあったのかい?」
「マシュウのことよ!マシュウ、心臓の病気で寝込んでるんでしょう!?」
「…! そのことかね…。誰に聞いたんだい。」
「ミス・バリーよ。マシュウの具合が前から悪かったっていうのに、…心臓の発作で倒れたっていうのに!あたしは今まで何っにも知らずにのん気にクイーンに通っていたのよ…!?あたし…!あたし……!」
興奮してそこまで一気に言うと、涙を流すアン。かっ…かわいそう…!!気づかなかった自分が許せないんだね…。マリラはとにかく落ち着くように言う。教えなかったのは悪かったって。マシュウは寝込んでなんかいないって。マシュウの部屋に入ろうとしたらマシュウが出てきて、普通な感じでおかえりって言う。自分は大丈夫だって。二人とも、今まで通り、何でもないみたいにふるまう…。冗談とか言っちゃったりして…(マシュウのそれは冗談にしていいのか!?)とにかく2ヶ月ぶりに三人一緒だってことを喜ぶマリラとマシュウ。二人の様子に納得して、アンは学院へと帰っていく。それからアンはそれまでにも増して勉強に打ち込んだ。
そして春(…一話の中で季節が進むのはさすがに初めてだっけ?)。ダイアナのお誕生日のお祝いに、街で見つけたブローチを手紙と一緒に送ったアン。それをつけて嬉しそうにスキップするダイアナ、かわいいです。
アボンリー出身組は近くなった卒業試験に相当追いつめられる様子ですが、唯一アンだけは外とか見て春の到来を楽しんでます(主に、『アボンリーの春』を思い出しているらしい)。ジョーシーの、金メダルはギルが取る、奨学金も別の子が取るだろうって言ってた先生の話を聞かされても笑ってる。でもこれは決して追いつめられすぎて現実逃避してるとかじゃなくて…
「あたしは最善を尽くしたんだし、戦う喜びっていう意味がわかりかけてきたような気がするわ。一生懸命やって勝つことの次に良いことは、一生懸命やって落ちることなのよ。」
続いて皆にもう今日は勉強はやめにしない?とか提案するんですが、まあ多分採用はされなかったのでしょう。すごいよね、ここまで言えるほどに、もう勉強したってことなんだからね…。
そしてついに卒業試験。全力を出し尽くし、帰り道では美しい夕日に目を細めるアン。皆が卒業式に着るドレスの話をしていても全然興味なしで夕日を見つめ続けてる。そして今日も素敵なナレーションでシメです!
「アンにとって、卒業式の洋服のことなどどうでも良かった。アンは今、存分に戦った後の心地よい疲労感に浸りつつ、夕日の輝きの中に、無限の可能性と、未来の夢を追っていた。」

第45話「栄光と夢」より
今日は試験結果の発表の日。金メダルと、エイブリー奨学金を受賞する者も発表される…。緊張してるアン。いきなりナレーションさんがかっこいいです。
「野心は持つだけの値打ちはあっても、手に入れるのは容易なことではなく、努力・自己否定・不安・失望といったそれなりの税を厳しく取り立てられるものだからである。」
うむ…。一緒に歩いてるジェーンがどんなに励ましても、アンの不安は消えない…。
アボンリーのグリーンゲイブルズでは、マシュウがいつもよりずいぶん早く帰ってきているのにマリラが驚いて……ってか、マリラの髪が白っぽくなってるのにこっちが驚きだよ!!そりゃ、アンもあれだけ成長するんだもの。年くらい取るわなあ…。二人も発表の日だって知ってるから、落ち着かない…。
学院についたアンは、自分じゃとても結果を見に行けないからって、ジェーンに代わりに見てもらうように頼む。ジェーンは承諾するけど、二人して学院に入ったところで人だかりができており、集まった生徒たちの声が聴こえてきた。
ギルバート・ブライスが金メダル受賞……!!
ショックを受けるアン。ギルに負けた…!マシュウはどんなにがっかりするだろうって…。ギルを胴上げする人々の横を、(当初の予定通り)早足で通り過ぎて控え室に入ろうとするアン…。でもその姿に気づいた一人の生徒が声を上げる。
「アン・シャーリー!ばんざーい!」
「エイブリー奨学金の受賞者、アン・シャーリーのために万歳三唱!!」

…そう、奨学金はアンが獲ったのです…!!おめでとう、アン!!控え室に飛び込み涙を流すアン。すぐに女子生徒たちが追いかけてきてアンを囲み、皆がおめでとうって…。あのジョーシー・パイですら!(まだ若干素直ではないけれどw)
…電話もメールもないこの時代、マリラとマシュウはまだ結果を知ることができずに不安がってる。もし、もし奨学金を取れなかったら…アンはここに戻ってきて、先生をするつもりだろう。でも… 奨学金を取れなくてもアンは大学には行かせてやろう、とマシュウ。あんなに勉強が好きなんだからって。マリラも予想通りの答えだったらしい。…すごいなあ…。たくわえもある、という話の流れで、あの、「アベイ銀行」の名前がここで初めて出ます……。ああ、もうラストが近づいている…。
そこに馬車が。クイーン学院に出入りしている教材屋さんでした。アボンリーに行く用事があるとかで、アンはこの人に結果を書いた手紙を託していたのでした…!手紙を取り合いしながら読む二人がかわいすぎますw
「私はこの素晴らしい日を、未来がバラ色に輝いた今日という日を、一生涯忘れることはできないでしょう。この成功は、運命の扉を叩くチャンスを与えて下さったお二人の愛の賜物です。その愛に報いるためにも、私はこれからも一生懸命勉強に励むつもりです。本当にありがとう。お二人に心からの感謝を捧げます。 グリーンゲイブルズに飛んで帰りたいアンより。」
マシュウがちょっとダイアナに知らせに行ってくるとか言って外に出ようとするのを呆れながら止めるマリラ(バリー家にほとんど顔を出したことがないらしいです…。アンのことならなんでもできるマシュウ)。夜風は心臓に悪いって。でもマリラも弱った目で夜道を歩くのは難しい…。そこでマリラが思い出したのが、アンとダイアナの「合図」。ロウソクの灯りを使ってダイアナを呼ぶマリラ(5回点滅が「すぐ来い」らしい。…知っててよかったね、と思ったけど、多分子供時代のアンが嬉々として説明しまくったんだろうなあ…目に浮かぶよ…)。ダイアナの方は、アンが帰ってきたんだと思って走ってやってきて家に飛び込んできますが(つかミニー・メイがまた大きくなってる!かわいい!)、出迎えてくれたマリラとマシュウから嬉しいニュースを伝え聞く。
「ああ、素敵!!」
ダイアナ、感激で両手を組み合わせ、くるくる回転しながら、
「素敵、素敵、素敵、素敵だわ!!あたし、自分の事のように嬉しいわ…!ああ、アン!良かったわね…!一番取りたがっていた奨学金がもらえたんだもの…!ああ、早くあなたに会いたいわ…!」
もうここのダイアナめっちゃかわいくて泣きそうです。「素敵」って計5回も言うとこ、字じゃかわいさが全く伝わらないので皆さんも是非DVDなどレンタルして見て下さい!!
そして、クイーン学院卒業式。(…あれ?ちょっと前から不思議に思ってたんだけど、ルビーとかジョーシーも一緒に卒業しちゃうの?二年通うとか言ってなかったっけ…?あれ?)マリラとマシュウも出席して、会場で一番晴れがましい顔をしながら、壇上のアンを見守ってる…。あともちろんジョセフィンおばさんも来てます。長生きはするもんだって笑ってる…。
卒業式が終わるとすぐ、三人は馬車でアボンリーへ向かった。アンは本当に久しぶりで、途中でマシュウに馬車を止めてもらって周りの美しい景色を堪能する。そしてそこでこんな風に言う。
「…ねえマリラ。色々な夢を描いて、その夢を実現させたいと思う時は、ふるさとを離れることはなんでもないって言うけど、時々、たまらなく懐かしくなって、夢なんかどうでもいいからすぐにでも飛んで帰りたい!…って思っちゃうのはどうしてかしら。」
「それは当たり前じゃないかねえ、アン。それがふるさとってもんだよ。そしてアンのふるさとはこのアボンリーなんだよ。」
マシュウも続ける。
「そうともアン。どんなに遠く離れていても、お前はアボンリーのアンだよ。グリーンゲイブルズのアンだよ。今までも、これからもな。」
初めてってわけじゃないけど、ここで原題の「Anne of Green Gables」を思い出すセリフ…!いいですね…。
そしてそのグリーンゲイブルズに帰ると、ダイアナが待っていた。抱き合って再会を喜ぶ二人。積もる話もあるだろうと、二人をアンの部屋に行かせて思う存分おしゃべりさせてあげるマリラがかわいい。マシュウと二人で「まだかな…」って感じで待ってるのもかわいいw
つかここでまたいらんことがわかるんだけど、あのジョーシー・パイはダイアナにまでいらん噂(アンにすっごい仲の良い女友達ができた!とか)を吹き込んで不安にしてたらしいです!わざわざ手紙とか書いたんだろうか…!ほんとあいつは…!
でもアンは軽く笑い飛ばしてこう言います。
「ステラ・メイナードは一番好きな子よ?一人を別にすれば。…その一人があなたなの。私とあなたの友情は、このスイセンのように簡単にしおれたりはしないわ。…あたしはますますあなたが好きになるばかりだもの…!」
ついでに「それに話も山ほどあるの!でも今はここに座ってあなたの顔を見ているだけで十分幸せだわ。」とかも言いますが、ダイアナが別に照れたり茶化したりしないのもすごい。うちこんなん言われたら親友でも照れて椅子からずり落ちるだろうけど…(いや言われないですが…)。
そしてここで知る事実。金メダルをゲットした最高のライバル、ギルは…先生になるらしい。大学には行かないらしい…!驚くアン。家の事情で、大学には行けないから働くしかないんだって…。
ダイアナが帰った後も、しばらく部屋で座り続けていたアン(って…下には降りたのよね!?マリラ達とご飯食べた後って話よねこれ!?)。ライバルがいなくなることで、自分の勉強に身が入らなくなるかもしれないって…。アンの中では本当に重要な存在だったんだなあ、ギル…。

「赤毛のアン」のいいセリフ・41話~42話

2015-08-22 20:40:36 | 赤毛のアン
第41話「クイーン学院への旅立ち」より
またAパートの記憶が薄い回。…うちのこの飛び飛びの記憶は、もしかして総集編の印象が強いんだろうか…。
グリーンゲイブルズの三人は、アンがクイーン学院へ出発する準備を着々と進めていた。アンがダイアナと会って、思い出の「不思議の国のアリス」の本を渡されたりしてる間、マリラはリンドさんとお茶をしていた。会話の中でリンドさんが尋ねる。アンは二人の目の届かない、刺激の多い街に行く。そっちの生活が気に入って、こんな田舎に帰ってくるのはいやだと言ったらどうする?と。マリラは答える。
「その方がいいってアンが真剣に考えるなら、あたしはそうさせてやるつもりだよ。それであの子が幸せになるのなら、喜んでそうさせてやるつもりだよ。」
その言い方は、まるで自分に言い聞かせるようで……。
そして翌日、スペンサー夫人が訪ねてくる(ちなみにこの人がグリーンゲイブルズにアンを間違って連れてきた張本人です。登場は5話以来?)。ものすごい話を持って。…なんと、この間のホテルのコンサートでアンの朗読を聞いたアメリカ人の超大金持ちの人が、アンを養子にしたいって言ってきたらしい…。驚くマリラとマシュウ。アンは「まあ素敵!まるでシンデレラのようだわ!」とかまさかの反応…!スペンサー夫人はもっと詳しい話をするために、アンを連れて部屋へ行ってしまう。気を揉むマリラとマシュウ。アンが行ってしまうはずはないと信じたいけれど…。たまらず2階に上がり、様子をうかがう二人。…中はある意味大変なことになってました。乗り気っぽっかったアンなのに、マシュウとマリラには私から話す、というスペンサーさんの言葉には「何を??」みたいな感じで目が点になる。あまりにも夢みたいな話だからうっとり聞いてしまったけど、最初から断るつもりだった、って…さすがに驚くスペンサーさん。まあこれは怒っていい…だろね。頭を下げて謝るアン。…そのやりとりを聞いて、廊下で爆笑するカスバート兄妹w(ひでえw)マシュウなんか壁叩いちゃってます!心臓に負担が…!w 怒って帰っちゃうスペンサーさん。まあ三人して無礼は無礼なんだけど、そもそも幸せに暮らしてる三人の元に持ってくる話題としては少々気遣いが足りなかったんじゃないか?って考えると、あんまりかわいそうには思えないですね。例えば本当にアンが望むような申し出だったとして、あのやり方で円満に話が進めれると思ったんだろうか…?。
…あ、今「アンが望む」って書いて気づいたけど。マリラの行動がいきなり矛盾してるんですね。あの上のセリフと。そうさせてやりたいって気持ちはあるんだろうけど、やっぱり手放したくないって。そのためのAパートか…。もう決まってるお別れの前の…。
Bパート。マリラは迷った末にアンにイブニングドレスを持たせてやることにして、生地をアラン夫人と探しにいき(アラン夫人…優しいな…)、仕立てをまた別の腕のいい人に頼むことにした。街で夜の集まりとかある時にアンだけが肩身の狭い思いをしないようにって…。それを聞いて泣きそうな顔になるアン。
仕上がったドレスが届いた晩、アンはマリラとマシュウに感謝を込めて、新しいドレスを着てあのホテルで披露した詩の朗読をした。それを聴きながら、マリラはまた、アンがグリーンゲイブルズに来た日のことを思い出す。スペンサーさんの家に向かう時の馬車での会話のことも。そしてあのものすごいキツそうなおばさんを見て、自分がアンを引き取ると決めた時のこと…(全く関係ないけど、回想で映るスペンサーさんの明るい声が何か腹立つw悪い人ではないんだろうけどなあ…。なんだろうねこれ…)。
アンが詩を朗読し終わってふと見ると、マリラが顔を覆って泣いていた。
「あら、あたしの朗読で泣いてくれたのねマリラ?これこそ大成功だわ。」 嬉しそうなアン。
「…いや、そうじゃないんだよ。お前の、子供の頃を思い出してしまってね。」 涙を拭きながら答えるマリラ。そして続けます…。もうここ…見てるだけで泣けて泣けて…;;
「…お前は変わり者だったけど、今じゃこんなに大きくなって家を出て行くというんだからね…。いつまでも小さいまんまでいてくれたらと考えてねえ…。その服を着ていると本当に見違えるようだよ、アン。そんなに背が伸びて立派に見えて、全然アボンリーの人間じゃないみたい。…そんなことあれこれ考えてたら寂しくなったのさ。」
このセリフもいいんだけど(こんな寂しさの表現ってあるだろうか!)、これに返すアンのセリフがまた…いいんです…。マリラの正面に座って、手を取って言うんです…。
「マリラ、…あたしはちっとも変わってないわ。ただ少しハサミを入れたり、枝を伸ばしただけなんだわ。本当のあたしはその後ろにいて、今までと全く同じなのよ?本当よマリラ…。」
ここでマリラの胸に顔をうずめるアン。目に涙がたまってる…。
「どこへ行こうと、どれほど外見が変わろうと、心の中はこれから先もずっとマリラの小さなアンなのよ?マリラとマシュウと、このグリーンゲイブルズの小さなアンだわ…。」
涙を流すアンと、泣きそうになりながらその頭を優しくなでているマリラ。マシュウは黙ったまま、外へ出る。そして一人でつぶやく。
「…そうさのう。あの子はそう甘やかされもしなかったようだ。時々わしがおせっかいしたのも別に害はなかったようだ。あの子は利口で、綺麗で、それに何よりいいことに優しい子だ。私達にとってはお恵みだった。スペンサーの奥さんが間違ってくれて、運がよかったと言うもんだ。…もっとも、それが運ならばの話だが。どうもそれとは少し違うようだ。神の思し召しというものかもしれない。全能の神がわしたちにはあの子が必要だと認めて下さったんだ。」
マシュウ……;; 
すごい絆だよね。思えばあのスペンサーさん(伏線!?久々登場が伏線!?)の手違いでここにやってきたアンが、あんなに綺麗に、あんなに落ち着いた優秀な子に育って、首席としてクイーン学院に旅立つんだもの。マリラが寂しがるのも当然だし、アンが感謝の気持ちで涙を流すのとこもすごくいいし、最後にこのマシュウのセリフですよ…。「神の思し召し」かあ…。
9月、いよいよ出発の日。マシュウの馬車でアンは旅立ちます。見送るのはダイアナとマリラ。ダイアナめっちゃ泣いたんでしょう。すでに目の下あたり、泣いた跡がある…。
「ああ、アン!あたしもクイーン学院を受ければよかったわ…!そうすればこんな悲しい思いをしなかったのに。」
…このセリフで、ダイアナが言うことコロコロ変わる子って思う人は…いないだろうけども…。ダイアナにとって、アンとの別れはそれほど辛いってことなんですよ。クイーン組に入って得意じゃない勉強を自分の意思に反して続ける苦労よりも、そして万が一受かっちゃって別に好きじゃない勉強をさらに何年も続ける羽目になって抱える悩みよりも、今、アンと別れるのは辛いって言ってるんですよ…!ダイアナとクイーン組に関する話題はアンだってあんま触れられたくないところだろうし、ダイアナもこんなことを言うのはめったにないでしょう…。そう思うとこのセリフの重みが感じられる…!ダイアナ;;
マリラはもう泣いてはいません。旅立ちに涙は禁物だって。アンに体に気をつけるように言って、気丈に送り出します。
振り返って、遠くなっていくグリーンゲイブルズを見ながら、アンが言います。
「さようなら、麗しのグリーンゲイブルズ。」
前に向き直って、最後に一言。
「…そして、いざ行かん。希望の土地、シャーロットタウンへ…!」

第42話「新しい学園生活」より
シャーロットタウン到着。まずはジョセフィンおばさんの「ぶな屋敷」へ。…またジョセフィンおばさんがさあ、本読みながらも何回も時計や窓の外に目をやってて、お前はハイジの到着を待ってるクララか!って感じでかわいいです(私、「ハイジ」も大好きです)。しかも馬車の音がして二人がやって来るのに気づいたら勢いよく本を閉じて、走って階段下りるんですよ…!!少女か!!ジョセフィンおばさんかわいいよ…。
なんでおばさんのところに?って理由はすぐわかった。どうやらシャーロットタウンでのアンの下宿先を探し、決めてくれたのが彼女らしい。しっかりした人しか入れないとこを選びに選んで、アンがわけわかんない人に困らされることのないようにって…。すごいな。本当はお屋敷から通ってほしいけれど、かなり遠いところにあるみたいで、その代わりにアンのためにできることをしようって思ったんだね…。…やっぱり、かわいい。
下宿につき、その厳しそうなオーナーさん夫妻?にあいさつをし、部屋に荷物を運んで…ようやく一段落。いよいよマシュウともお別れかと思いきや、ジョセフィンおばさんがまだ早いって…。二人には今夜ぶな屋敷に泊まってもらうということで、ここのオーナーさんにも話をつけてるらしい。いきなり知らない街の、知らない場所に一人にさせるのはアンが寂しいだろうとの見事な配慮です(しかもマシュウも一緒にってことは、ただ自分一人がアンと長くいたいとかじゃないってことだよね…すげえ…)。だけどマシュウは遠慮して、もう自分は帰ると。明日から刈り入れもあるけど、後に言った理由の方が大きいだろうね。アボンリーで一人で待ってるマリラに、アンを無事に送り届けたと、下宿もちゃんとしたところを探してもらったと、早く報告してあげた方が安心するだろうからって…。
日中、マリラは寂しさをまぎらわせるために必死で家中磨き上げてた。そして夜遅くに帰ってきて、馬車での移動の疲労よりも喪失感を強く感じてるマシュウの様子に、気丈な感じでもう寝た方がいいって言ったりしてたんだけど…マリラもベッドの中で、泣いた。アンはもう、壁の向こうにもいない。本当にこの家から出て行ってしまったという事実に、嗚咽を上げて泣いた…。
翌日、アンはジョセフィンおばさんの馬車に乗って、クイーン学院初登校。ルビーとジェーンがいて、話をする。今日はクラス編成らしい。アンは1年で一級の教員免許を取れる上級クラスに入るけど、ルビーたちは下級クラスで2年かけて二級の免許を取るんだって。上級クラスにいるのはあと、ギルバートだけ…。
先生が上級クラスの心得?みたいなのを語ってる間、アンはそっと周りを見回しながら友達になれそうな子を探す(もちろんどんなに好きな子ができても一番はダイアナ、らしいよ!よかったねダイアナ!)。なかなか素敵な雰囲気を持った子もいるけれど、誰も自分のことを知らないし(いや知ってるんじゃないか?首席だし…)、友達になりたいと思ってくれないかもってアンは肩を落とす。そこでようやく、ずっとしゃべってた先生の言葉がアンの耳に入ってくる。上級クラスはハードでついていくのも大変だけど、その努力は必ず報われると。卒業時、この中の一人、一番成績優秀な者だけが手に入れることのできる「金メダル」は、最高の栄誉なんだって…。
アンは遠くに座ってるギルの目が輝いているのに気づいて、メダルを手に入れてやるって決意したんだと思う。んでここでナレーションさん!!
「突然アンは、心の中に激しい闘志が沸いてくるのを覚えた。ギルバートとこれまでの競争をこれからも続けていけるのだ。それがきっと自分を支えてくれる。たとえ友達になれなくても、二人が同じクラスで本当によかった。…アンは、改めてそう思うのだった。」
…すごい…よねえ…。もう昔の憎しみがどうとかじゃないんだよね。これほどの「ライバル」って…競争ができることが嬉しいって思えるって…ちょっとうらやましい気もする。ギルの方がアンのことをこの時点で(というか、クイーン組時代から)どう思っているのかわからないんだけど…、まだアンには心から嫌われてるって思ってる…んだろうか?もうアンの心の中では「たとえ友達になれなくても」とか言われてるんですけどね。乙女心は複雑やね。
そして夕方。下宿の自分の部屋に戻ったアンは…あまりの寂しさに一人涙を流す。……私、ここ、かなりビックリしました。この辺全く覚えてない!!…まあクイーン学院在学中のエピソードって覚えてない事のが多いんだけど…。でも、そりゃそうだよねえ…。突然知らない街でさ、学校でも知らない子ばっかりでさ、下宿に帰ってきても一人でさ…泣いちゃうわな…。アン…(窓の外に、アボンリーの風景やダイアナの住んでるオーチャード・スロープが見えるとことか、また「ハイジ」思い出したよ…)。それでも、泣くまいと必死に努力するアンの姿がけなげでこっちが泣けてきます。あとさ、…久しぶりに昔のアンを見てるみたいな気分になるんだよね、このあたり…。
「だめだわ!…何かおかしなことでも考えて、涙を止めなくっちゃ。」
(しばらく上を向いて考えてる、けどまた目に涙がたまってくるアン)
「…でもおかしなことなんて、みんなアボンリーと関係があることばかりだわ。…余計恋しくなってしまうわ。」
(肩を震わせて泣く…のを我慢して、キッと前を向くアン)
「今度の金曜日には家へ帰れるんじゃないの!……あぁ、でも何百年も先のことみたいだわ…!ああ…!元気になんかなれそうもない!なりたくもないわ!!いっそ悲しいままでいる方がいいわ!!」
後半は完全に泣き声です。今度こそ机に突っ伏して大泣き、……ってところで、ノックの音が。あわてて涙を拭くアン。入ってきたのは…ジョーシー・パイだった。今はジョーシーでも嬉しいって感じで歓迎するアン。ひでー書き方ですけど(※私の書き方がひでーのであって、アンの態度にはなんらひどいことはないです)、ジョーシーがべらべらべらべらしゃべりだす内容のひどさはその比ではないです!こいつううううううう!!ムカつきすぎてピックアップどころかまとめても書き出したくない!!
うーむ…、でも冷静に、冷静に考えれば、お腹が減ったからアンの部屋にマリラお手製のクッキーを食べに来たって理由は、ちょっと無理があるような気がする。だから、…じゃあなんで来たのかって考えると、それはやはり、ジョーシーもホームシックで寂しかったから、ってことなの、かも、しれない…。アンが泣いてる理由がすぐわかったのも、自分がそうだったから、とか…。うーん…、でもな、あれが「素直になれないジョーシーの、アンへの精一杯の励まし」だったとしても、ちょーっと許せないよね…。言いすぎなんだよてめえ!!ていうかよくそんなこと言えるなってことを簡単に言うよな!!アンもさすがに怒りの表情だったよ。もう少しルビーとジェーンが部屋に来るのが遅かったら、絶交になってたのはアンとジョーシーもなんじゃないだろうか。ていうか絶交していいよ、ほんと、そいつ…。
ルビーとジェーンが来たのは、素直にホームシックが原因です。今日だけは勉強とかしてられないって、皆同じ寂しさを分かち合って笑いあう三人。…よかったね、皆がいてさ…。もうジョーシー帰ったらいいのに!!(←ひどい)
しかし、ジョーシーはここで重要な話題を持ち出します。初めて役に立った(←ひどい)。
学年一の成績の証、「金メダル」を目指すアン。…でも今年からクイーン学院に「エイブリー奨学金」が出ることになったらしい!卒業時に国語学と国文学で最高の成績を取った者に渡される奨学金。4年間エドモンド・カレッジに通学ができる、らしい。
アンの目標は一瞬で変わった。一人になった部屋で窓から空を見上げるアン。
「(取れるものならその奨学金を取ろう。国語ならあたしの得意な科目だもの。)」 国語が得意…だろうね…。
「(エドモンド・カレッジを出て、あたしが文学士になったら、マシュウはどんなにか鼻を高くするだろう…!4年間も家を離れるのはつらいけど、マリラだってきっと許してくれるに違いないわ。)」
ベッドに勢いよく倒れ込み、今度は天井を見上げて嬉しそうに言う。
「ああ…!大望を持つことは楽しいわ!!一つが実現すると、次がもっと高いところで輝いてるんだもの!……ああ!大望を持つって、人生をとても張り合いのあるものにしてくれるわね…!」
いいセリフだ…!満足げな表情がすごくかわいい…!

「赤毛のアン」のいいセリフ・38話~40話

2015-08-07 23:51:12 | 赤毛のアン
第38話「受験番号は13番」より
クイーン組最後の日。実際の試験と同じように3日間にわたって行われた模試の結果と、クイーン学院から届いた受験票が一人ずつに渡される。アンの成績は本人曰く「まあまあ」なんだけど、一科目を除いて全てが90点台(100点もある!)。アンの指で見えないんですけど、唯一の80点台が苦手な「幾何」なんでしょうね。
それよりなにより…受験番号です。なんと13番!皆の前では気にしてないようにふるまうけど(ジョーシーが煽りまくる!!アイツぅぅぅぅ!!)、アンとマシュウの前では不安を吐露するアン。マリラは13番が悪い番号だとかそんなの迷信だ、と一蹴。そもそもこの成績で心配する必要ないって…。でもアンはやっぱりまだ不安そうで…、最初、13番に汗を流して固まってしまったマシュウも一生懸命こう言います。
「アン、心配はいらんよ。受験番号が13番だろうと0番だろうと、アンはきっと島中の受験生を負かして一番になるよ。」
思わず笑ってしまうアン。だけどマシュウは真剣な表情で、ずっとそう信じてきたって…。
学期末の日。ステイシー先生は、今日でこの学校とお別れ。3年間はあっという間だったけど、思い出一つ一つに生徒たちのそれぞれの顔を思い浮かべることができる、って。そして皆にそれぞれ手紙を書いてきた、と。順番に封筒を手渡していく…。
「ミス・ステイシーの別れの挨拶は、三年前のフィリップス先生よりずっとあっさりしたものであったが、生徒たちのハンカチは余計に濡れた。」
ナレーションさん!アイツと比べるのはやめてさしあげて!!
「それだけ、ミス・ステイシーと子供たちの結びつきは強かったのである。」
ダメ押しきたこれw
…まあ結果を考えると、アンはこの年に学校を卒業するのでこの後来る先生のことは一切話題にならないんだよね。どんな先生が来るにしても、最初はやりづらいだろうなあ。本当に偉大な先生でした、ミス・ステイシー。だってあのアンが、人生の師と崇める方だもんね…。
アンの出発の日。本当ならシャーロットタウンまでマシュウが馬車で送っていく予定だったけど、前の日の晩に発作を起こしたことでマリラが大事を取って、汽車で行かせることにした。もちろんアンには発作のことは内緒。今日も「牛の具合が悪くて手が離せない」ということになってる。でも申し訳なさそうに謝ってたマシュウの顔色が悪い事にはアンは気づいて、後で駅まで馬車で送ってくれるマリラにそう言う(マリラはもちろんごまかすけど)。…ところでマリラとアンが一緒に馬車に乗る姿ってレアだなと思ってたら、本当に、あのスペンサーさんの家に事実確認に行った時以来だそうです!レアすぎる!!…ああ、調べてみると4話ですね。大好きな話です。また見たい。セリフピックアップしたい…(でも本当にやれば、周回するたびにピックアップどころじゃない長文になることは目に見えてる…)。
シャーロットタウンの駅には、ジョセフィンおばさんが迎えに来てくれていた。夜、食事をしながら、できたら10番以内の成績で合格したい、という話をしたアン。おばさんは思わず笑ってしまうけど、それは昼間にクイーン学院を見に行った時にはアンが「合格できるかどうかわからない」って言ってたせいです。どっちだよっていうw 何かギルの存在のことはおばさんも知ってるようなんだけど(多分二人のこじれた関係は知らなくて、優秀なライバルってだけで)、アンは彼に勝ちたいってだけじゃないんだと言う。マリラとマシュウ…特にマシュウのためにいい成績で合格したいって。自分が一番になると信じてくれてるマシュウ…。
「どんな高望みをしても、そこまではとても手が届きませんわ。でも、もし10番以内にでも入ったら、二人ともどんなに喜んでくれるでしょう。…私、その顔が見たいんです。」
その言葉を聞いたジョセフィンおばさん。目を少しだけそらして、こう、つぶやきます。
「…うらやましいねえ、あの二人が。」
…目が、うるんでる……!!やめてよもうこっちまで泣いちゃうじゃないか……!!ジョセフィンおばさん…;;
試験にはステイシー先生が付き添うんだけど、……まあ、本当に必要な存在でした。緊張しまくる生徒たちの気持ちをほぐし、緊張ついでにアンを煽り始めるジョーシーを諌め(もうほんとコイツは…!!)、九九を唱え続ける生徒を立ち上がらせ、とめっちゃ忙しい。教室に入る前に、(多分いつもやってた)準備体操をしてるアボンリーのクイーン組、大変目立っております…w
一日目終了後も、もう帰るって弱気になってる生徒や、ハンカチ噛んで大泣きしてる生徒(もちろんルビーだ)を励ますためにアイスクリーム屋さんに連れてく先生。ありがとうステイシー先生…。あなたがいなかったらどうなってたことやら、です…。
夜にダイアナへの手紙を書くアン。幾何の試験は明日らしい。
「リンドのおばさんの言うとおり、あたしが幾何で失敗しようとしまいと太陽は相変わらず昇ったり沈んだりするわね。そうに違いはないけれど、もし失敗したら太陽がどうにかなってほしいと思うくらいよ!」
緊張のせいなのか、これが手紙という媒体だからか、昔のような大げさな言葉使いがちょっと顔を出してておもしろいです。ダイアナも声を出して笑う…。
試験は無事終了。クイーン組の皆は、今度こそステイシー先生に最後の挨拶をしてお別れ。アンもジョセフィンおばさんに見送られてカーモディ―への汽車に乗ります。駅にはいつかのようにマシュウが待っていて、グリーンゲイブルズの前ではマリラとダイアナがアンの帰りを心待ちにしてました。
「ああ、帰ってきて本当に嬉しいわ。グリーンゲイブルズほど素晴らしいところはないわ…!」
これをまた、本当に嬉しそうに言うんだよねえ…。
あとは合格発表を待つばかりです。

第39話「合格発表」より
発表のシーンは印象的だから覚えてるけど、前半の記憶は全くなかった回。…2週間で結果が発表される予定のクイーンの入学試験だったけど、遅れているらしい。原因は不明。いつになるかもわからず、クイーン組の生徒たちは毎日ハラハラしながら郵便局に届けられる新聞をただ待つ日々…。
その緊張に耐えられず、アンはある日牧師館を訪ねた。アラン夫人はアンに優しくこう言う。
「あなたがその事ばかり考えてイライラしながら、ただ待つだけの辛い毎日を過ごしても、発表はある時にしかないのよ?せっかくの夏休みがもったいないとは思わない?」
「でも…」
「…合格発表のことを忘れろと言っても難しいかもしれないわね。でも、無理にでも何か、毎日を忙しく充実して過ごせるテーマを自分に押しつけるのよ。そして今日という日を一日一日、精一杯に生きてみたらどうかしら?」
「今日という日を…」
「ええ。そうすれば、あっという間に発表の日が来ちゃうんじゃないかと思うけど。」
待つだけの日々は辛いものね…。アラン夫人の言葉は、うちは特に覚えておきたいな。「無理にでも」「自分に押しつける」ってとこが、きっと大事なのね…。
アラン夫人のその言葉はきっと正しいと、アンもわかってたと思う。でもどうにもならない。とうとう食事ものどを通らなくなってしまったアンを見かねたマリラは、マシュウの干し草作りの手伝いをしてみたらと提案する。一気に明るい顔になるアン(今まではマリラがやらせなかったらしい。上品じゃないからって)。一生懸命手伝いをしたアンは、その日の晩はもりもり食べて、すぐに寝てしまうほど。
次の日もはりきってお手伝いするんだけど、急に無理するといけないってことでアンは途中で帰らされる。マリラも、一緒に収穫したトマトをリンドさんのとこへ持ってくってことで、しばらく留守番することになったアン。…一人になるとやっぱり考えてしまうようで、自分の部屋の机の上のステイシー先生の写真を見て、郵便の馬車のことを思い出したりしちゃってます。
そこへ!!ダイアナが新聞を手に、走ってくるのが窓から見えた!!
「アン!!すぐ行くわ!!」
ものすごい顔をしてガクガク震えながら、ダイアナが二階にやって来るのをただ待つアン(冷静に考えれば、あのダイアナの様子を見れば、吉報以外ありえないって感じなんですけど…まあ今のアンには無理っぽいです)。
一瞬も休まず走って階段を上がり、ドアを開けた瞬間にダイアナは叫ぶ。
「アン!合格よ!それも一番でよ!!あなたとギルバートと二人!同点だったのよ!でもアン・シャーリーの名前が先に出てるわ!…ああ…!!あたしとても嬉しいわ…!!」
まだ固まってるアンに言い聞かせるように揺すりながら言って、全部言っちゃうとアンに新聞を渡して満足そうにベッドに倒れ込み息をつくダイアナがかわいすぎます……!アンはまだ震えてる。ようやく手にある新聞を自分で見ようとしたところで、自分が明かりもつけていなかったことに気づいた。…あああ!このシーンは子供の頃に見た時から超印象的でした…!ろうそくをつけようとアンが何本もマッチをするんだけど、手が震えちゃって火がつかないの…!!アンの緊張が伝わってくるよね…!まあうちは別に手ェ震えてなくてもマッチなかなかつかない時とか折っちゃう時とかあるけど!!(不器用……)
ようやく確認。確かに、一番上に、アン・シャーリーの名前がある…!
ダイアナのお父さんがブライトリバーからこの新聞を持って帰って来たらしい(10分と経っていないらしい…ダイアナ;;)。ここには明日の郵便で届く新聞なんだって。「あたし合格発表を見たとたん夢中で飛んできたの!!」ダイアナ;;
クイーン組の皆、全員合格(ジョーシーが一番やばかったらしいけど、「きっと一番で通ったみたいにいばるわね!!」byダイアナ)。
「ああ、アン!一番で合格っていうのはどんな気持ち?あたしだったら嬉しくて頭がおかしくなってしまうわ。今だってどうにかなってしまいそう。だけどあなたときたら春の夕方みたいに落ち着き払ってるわね。」 そう、ここまでダイアナばっかりしゃべってますwなんとめずらしい…。
「…ダイアナ、心の中は反対よ。言いたいことがいっぱいあるんだけどそれが言葉にならないの。こうなるとは夢にも思わなかったわ。…いいえ、一度だけあったんだわ。一度だけ、もし一番になったらどうしようって、ぶるぶる震えながら考えたの。だってそうでしょう?あたしが島中で一番いい成績を取るなんて、思っただけで高慢で生意気なことなんですもの。」
そこまで一気に言ってしまうと、畑のマシュウに知らせてくる、と。それからまだ結果を知らないクイーン組の仲間にも教えてあげないとって。ようやくここらへんでアンの声に元気が出てきます。ダイアナも一緒に行くって。
「アンの喜びは、私の喜びですもの!!」
「ありがとう、ダイアナ…!」
ダイアナああああああ;; よかったねアン…!ここの「ありがとう」、めちゃくちゃ気持ちが込もってる感じ…!!
マシュウと、アンの声を聞いてやってきたマリラとリンドさんが、一番になってるアンの名前を確認する。マシュウはこう言います。
「そうさのう…。いつもわしが言ってた通りになったな。お前が他の者みんなを楽々と負かしてしまうことはわかってたよ。」 すごい…すごい愛だ。
「本当にアン、なかなか良くやったね…。」 マリラの「なかなか」は超褒めてるんだからねっ!!声、泣きそうだからねここ!
「まったくたいしたもんさね。このあたしだって心からそう思うよ!アン、あんたはあたしたちみんなの名誉だよ。とても誇りに思いますよ。」 ストレートな褒め言葉がうれしいね!ありがとうリンドさん!!
他の人に知らせに行くって走って行くダイアナとアンが手をつないでるのがかわいい。んで、その後を追うかのように、この大ニュースをさっそく村中に広めなきゃ!!って走って行くリンドさんもかわいいwww

第40話「ホテルのコンサート」より
シャーロットタウンにある病院を援助するためのコンサートの出場者として、アボンリーからはアンの朗読が選ばれた。冷静な感じを装っていたけど、マリラはアンの名誉をすごく誇らしく思ってた。即、マシュウにコンサートのことを話し、マシュウは……ここからナレーションの言葉を抜粋です。
「マシュウはたちまち有頂天になり、いそいそとカーモディに出かけると、すっかりなじみになった女店員にそそのかされて、掘り出し物の真珠の首飾りを買ってきた。」
そそのかされてwwwwwwwww まあ別にニセモノを売りつけられたってわけじゃなさそうだし、アンもマシュウも嬉しそうだからいいんだけど…っていうか女店員!あの熊手やらなんやら買う羽目になった女店員!なじみになったの!?すごいな!!
コンサートへのドレスの着付け・スタイリング担当はダイアナ。こういうのが得意らしい。アンにどんなのが良く似合うか本人よりわかってる感じが頼れますね。庭に一輪だけ咲いてた白いバラを取っておいたものを、髪に差してあげるとことかすばらしい。スタイリストから真珠の首飾りをつける許可ももらって、ドレスアップ完了。ルビーとルビーのお兄さんが馬車で迎えに来てくれて、ホテルへと向かう。
周りはゴージャスなドレスのご婦人ばかりで、アンはすっかり委縮してしまう。しかも間の悪いことに、偶然このホテルに有名な朗読の専門家が泊まっていて、急遽出演してもらうことになったって…。さらによりによってその素晴らしい朗読の後に、アンの名前が呼ばれた!全身ふるえてしまって立ち上がれないアン。客席で息をのむダイアナとルビー…!ようやく立ち上がって、舞台の真ん中に行くけれど、もう手も震えてしまって声が出せない。助けを求めるように、客席のダイアナとルビーを探すアン。そしたら、目に入ったのは…ギルバートの姿だった。それで途端に落ち着きを取り戻すアン(ここ、どうしても笑ってしまうw)。アイツの前で震えてる場合じゃない!って感じですかね。ギルとの不仲が初めて有効に働いた瞬間です。ありがとうギル!アンはお礼を言わないだろうから私が代わりに言っておくよ…。
そして見事な朗読を披露するアン。会場は割れんばかりの拍手と、ブラボー!の声。すぐアンコールもかかる。最初は遠慮してるアンだけど、きっとアンコールが来るって言ってくれたマシュウのために、もう一度立ち上がり、さっきとはだいぶ雰囲気の違う詩を披露。それも大好評で、コンサート終了後、アンはたくさんの人に囲まれ、褒め称えられた。
馬車を待ってる間、アンはダイアナとルビーと話す。最初はどうなることかと思ったと言う二人に、アンはギルバートのせいだ、と。
「ギルバートったら、舞台に上がってる私を軽蔑したように笑って見てたわ。あのまま引っ込んだらギルバートにますます軽蔑されるって思ったら、私、急に勇気が出たの。絶対失敗しないって思ったわ!」
軽蔑…。ほんと、フィルターとは恐ろしいものですね…。ギルかわいそうだよギル。いやライバルとしてはこれで…いいんだろうか…。でも「軽蔑したように」とか思われてるのはきっとギルにとっても悲しい事よね…。一応ダイアナとルビーは「そんな風に見えなかった」「終わった後もすごく拍手してた」とかフォローを入れてくれるんですが。
帰りの馬車での女子トーク。久々にアンの長セリフをピックアップです!
ジェーンが今日見たゴージャスなご婦人たちの宝石の話から、「お金持ちになりたいと思わない?」と二人に聞くんだけど、アンが即答。「私達だってお金持ちよ。…だってこれまで16年もこうしてやってきたんだし、女王のように幸せだし、皆多少の想像力を持ち合わせているんですもの。」
目をぱちくりさせてるダイアナとジェーン。アンは続ける。
「ねえ、あの海を見て。どこもかしこも銀色で、どこまでも浅瀬になっていて、目に見えないものが幻みたいでしょう?…たとえ何百万ドルとお金があっても、ダイアモンドの首飾りを何本持ってても、この美しさを、これ以上楽しむわけにはいかないわ。もし代わってくれって言ったって、あんな人達と代わりたいとは思わないでしょう?」
「…とにかく私は、自分以外のものにはなりたくないわ。たとえ一生ダイアモンドに慰めてもらえなくてもね。私は真珠の首飾りをつけた、グリーンゲイブルズのアンで満足よ。マシュウがこの中に込めてくれた愛情は、あのピンクのご婦人に負けないことを知ってるんですもの!」
幸せそうな顔をして夜空を見上げてるアン。ダイアナとジェーンは、反論はしないものの、同意もしてないのがなかなか興味深いです。そりゃ、だってまだ…16歳でしょ?まだアンみたいに決められなくても不思議じゃないよねえ…。アンはその出自もあって、人生で何が大事か、もうすごくわかってるってことなんでしょうね。

「赤毛のアン」のいいセリフ・35話~37話

2015-08-01 23:10:24 | 赤毛のアン
第35話「夏休み前の思わく」より
「グリーンゲイブルズに春が再び巡ってきて、世の中はもう一度花に包まれた。」
相変わらずすばらしいナレーションです。あと背景とかお花の描写も素敵。アンはさぞウキウキしてるだろう…と思いきや、なんだかぼんやりしてる。アンだけじゃなく、クイーン組の皆もちょっと勉強に飽きてきたらしい…。そんな中、ステイシー先生が今年で辞めるという噂まで飛び交う。
明日から夏休みという日に、クイーン組はやっとの思いで勇気を出して、ステイシー先生に事の真相を確かめる。そしたらあっさり、皆が卒業するまで続けるという答え。…まあクラス立ち上げといてほったらかしってことはないだろうとは思ってたけど、それで皆はすごく安心したらしい。アンも、全力で夏休みを楽しむんだと、さっそく教科書を屋根裏のトランクに入れて鍵をかけちゃう!休みの間は絶対見ないんだって。
「頭を使うことはもう飽き飽きしたから、夏の間は想像力をうーんと伸ばすことにしたの!」
「冗談じゃないよ。あんたが想像力を思いっきり伸ばしたら、どんなことになるか目に見えてるじゃないか。」 マリラwww
「あらマリラ。心配しなくていいわ。一定の範囲内で伸ばすだけですもの。」
一定の範囲内www でもこう、アンも大人になったってことよね!限度があるってのをもうわかってる。
「ま、去年の夏みたいにバリーの池なんぞに落っこちたりはしないでおくれ。」
落っこちたんかいwww 今、大人になったって褒めたとこなのにーーー!!w
楽しい夏休みのスタート、…だけど不安なことが。アンが出かけたあとのことなのでアンは知らないのだけど、マシュウが発作を起こしてお医者さんを呼ぶ事態になってしまう。元々マシュウの心臓は弱っていて、そもそも孤児院から子供を引き取ろうと考えたのも、マシュウに代わる働き手を求めてのことだったらしい…。
さらにマリラの心配することがもう一つ。このお医者さんはずっと前にアンが足をくじいた時に見てくれた方だそうで(何科なんだ…)、最近よそのお家の回診の時にアンを見かけたそうだけど、ずいぶん顔色が悪かったって。この夏は戸外で思いっきり遊ばせる方がいいって。あんまり勉強で無理しすぎると肺病になったりしかねないって…。それを聞いて倒れそうになるくらいびっくりしたマリラ。後で一人でブツクサ言います。無理するなって言ったのに、アンはとにかく何にでも夢中になりすぎるんだって…。だけど不思議なのは、誰かに言われなくともアン自身が「勉強をせずにしっかり遊ぶ」ってことを求めてたこと…。体が悲鳴をあげてたんだろうね…。
回復したマシュウはアンには言わないでくれと頼み、マリラの方も肺病とかそのあたりは言わない。二人ともお互いと、何より大事なアンに、心配しすぎないようにって思うのが最優先なのね…。愛されてるねアン。
何も知らないまま夏休みをエンジョイするアンの姿は美しいです。ダイアナと一緒に海で遊んだり、綺麗な貝を拾ったり(ダイアナはワカメ?も拾ってるけど…)。
そしてその後リンドさんが出てきます!なんかうちリンドさん好きになってきたっぽいわ…!w
マリラが講演会に来なかったので心配して訪ねてくれたらしい。さすがや。そこでマリラは、マシュウが倒れたことを説明。
「…それから力仕事はいけないらしいんだけど、あの人に働くなって言うのは、息をするなって言うのと同じだからね…。」
マシュウ…。
そこへアンが帰って来ます。今日はアンがホットビスケットを焼くことになってるから、お茶もしていくことにしたリンドさん。マリラとリンドさんが客間でくつろいでる間に、アンが見事にビスケットを焼きあげて出したので、すーごく感心する。そして帰り道。送ってくれてるマリラに対して、アンのことをめっちゃ褒める。ずいぶんいい子になったって。そして最後にこう言う。
「あたしはねマリラ、自分が間違ってもそれを認めないような人間じゃありませんよ。そんなことはこれまでただの一度もないからね。私のアンを見る目は確かに間違っていたけれど、それも当然だろう?世の中にあんな風変わりで、思いもよらないことをしでかす子供なんているもんじゃないからね。…まったく、他の子どもと同じ物差しで測ろうったって測れるもんじゃないよ。この三年間のあの子の変わりようには全く驚くほかはないけれど、ことに姿がね、ずいぶん良くなってきたようじゃないか…。」
この大絶賛ですよ…!別れてからのマリラの嬉しそうな、誇らしそうな表情と合わせてものすごい響きます…!
特に、最初の最初にアンの見た目(と癇癪具合)をこき下ろしたリンドさんの言葉だからねこれ…!あの最低の出会いから、ここまで良い関係になってるのもすごいし、アンの成長っぷりも本当にすごいんだなって改めてわかる…!


第36話「物語クラブのゆくえ」より
あー……またダイアナ好きには辛い回が来ちゃった……。大人になるってことは色々変わらざるをえないことだから、しゃーないのかもだけど…。
楽しく夏休みを過ごすアンとダイアナ。その終わりが近づいたころ、一つの衝撃の事実に二人は気づきます。「アイドルワイルド」(アン命名)の白樺の木が全部切られてる…。二人でままごととかして遊んだあの日の見る影もない(回想シーンがあるんだけど、二人が本当にちっちゃい!)。
「アンとダイアナは、切り株に座ってさめざめと涙を流した。しかし、その涙は、幼い日の感傷に彩られて、甘かった。」
…相変わらずオシャレなナレーションです。アンみたい(えー)。
夏休みの最後の日に、アンは屋根裏のトランクにしまった教科書を取り出す。でも全くいやいやな感じではない。夏休みを存分に楽しんで、今は勉強の意欲がものすごく沸いてるらしい。マリラも、健康になったアンの顔を見て一安心です。
新学期。今年一年生になったミニー・メイも一緒に登校です。大きくなったね…!!
受験に失敗する悪夢とか見つつも、日々勉強に励むアンとクイーン組の仲間たち。その中であの「物語クラブ」は、細々と継続していた(設立から一年半だそうです)。もうアン以外の皆、物語に対する情熱は失いつつあったけど、勉強の合間の息抜きのお茶会としてクラブは機能してた。その時間を一番大事にしてたのはダイアナ。ダイアナにとっては、クイーン組のアンやルビーやジェーンとゆっくりおしゃべりできるのはもう、この時くらいだから…(書いててすでに辛くなってきた…)。
今日はグリーンゲイブルズで開かれる物語クラブの日。ダイアナはなかなかやってこない。そのうちルビーが今日はもうお開きにしようと言い出す。明日の授業の予習をしたいって。で、話の流れで、もう「物語クラブ」は終わりにしたいって…。もう皆あんまり物語も作らないし、おしゃべりするだけの会なら時間がもったいない気がする、って。ジェーンも、このたまにの女子会がなくなるのは惜しい気がするけど、「物語クラブとしては」、終わりにするのは、賛成な感じ…。…追いつめられてんなあ、クイーン組…。アンだけが体調悪くなってるってわけでもないんだろうね。それだけのプレッシャーもあるんだろうし。
同じクイーン組で、悪夢見るほどプレッシャーを受けているアンは、二人がクラブを終わりにするのも仕方ないとは言うけど、とうとう帰ろうと立ち上がる二人のことは一生懸命止める。ダイアナがいない間に解散するのはいくらなんでもあんまりだって。ダイアナを呼んでくるって部屋を出るアン。
そこに……いるんだよね……ダイアナが……。もうこっからほんとつらいんですけども……。
皆の話を聞いちゃってた…。立ち聞きするつもりはなくて、びっくりさせようと思ってたら、声が聞こえて…(確かにダイアナはそういういたずらっぽいとこある、実はアンよりあると思う)。やっぱり自分は皆とは違うんだと泣き出すダイアナ。この会をとても大事に思ってるダイアナは、もちろん遅れるつもりはなかった。だけど歌の先生が遅れてきて、…皆が待ってるだろうってレッスンが終わって急いで駆け付けたら、皆の思いを聞いてしまった…。
もうこのクラブも終わりなのね、とのダイアナの言葉を否定しようとするジェーンだけど、それをよりきっぱりとさえぎるダイアナ。
「いいの!私あなた達の受験勉強だけは邪魔したくないわ!…それに私はっきりわかったの。恋人とか殺人とか、駆け落ちといった他愛もないことを書いておもしろがっていた時代は、とっくに終わってたんだって。そうでしょう、アン?」
アンは答えられない。あのアンが…答えられない…!!殺人が他愛もないことかどうかは今置いとこう。
「無理だったのよ。形だけクラブを続けるなんて…。ルビーの言う通りなんだわ!…どうにもならないことなのよ…!」
アンが、泣きながらダイアナに抱きつく。ルビーもジェーンも、ごめんねって、泣きながら、ダイアナを囲む…。
…もう私スゲー死にそうなんですけどね、がんばって書いてますよ…。ルビーもジェーンもダイアナに謝ってるけど、じゃあやっぱり物語クラブはやめないわってことじゃない。そもそも謝られてるダイアナの方だって、誰のことも責めてはいない。クイーン組の事情を考えればまあ当然のことだし、ダイアナは自分のわがままをどうしても通そうとするような子供じゃない。…これは、「どうにもならない」ことなんだね…ほんとに…。どうにもならないことに対して、皆が泣いてるんだ。
でもあの場には、ダイアナの書いた「物語」があった。こういうことがいつまでもは続かない、って心のどこかで気づきながらも、きっと表面上はわくわくして(主にクラブの「開催」に…)あの物語を書いたんじゃないかなあと思うと、本当につらいです……。でも、どうにもならない…。それぞれ思うことが悪いわけじゃなく、ただ、どうにもならない…。


第37話「十五歳の春」より
再び春が……って、もう!? …しゃーない、後半は特に、一足飛びで物語が進んでいきますよ。
…なんか書いてて気づいたけど、私が子供のころから繰り返し読み返してる「赤毛のアン」、妙に前半部分の印象が強いのって、後半になると時期がポンポン飛ぶし、「受験」とか「学院での生活」とかの様子を上手く自分の中で想像できなかったから、あんまり…た、楽しめてなかったせいかもしれない…。それで途中でやめる時もあって、次の時はまた最初から読むから、最初の方はよく覚えてるのかも…。
アンが汽車でこの土地にやってきてから4年目の春だそうです。この回からアンの見た目が「大人モード」にしゅっと変化します。冒頭、マリラがそんなに背が高かったかと尋ねて、アンが笑うシーンがあるんですけども、これは(作画の問題とか置いといて)すごくわかるかも。身近な存在やと「成長」の具合って、ほんとにふとした時にしか実感できないもんだよねえ…。逆に、たまにしか会わない親戚の子とかはその成長ぶりにびっくりするんだよ、会うたびに。…私自身、その子が赤ちゃんの時しか会ってないようないとこの子がもう結婚したとか聞くとめまいがします。いやめまいって、自分と比べてとかじゃなくてね…。ただただ、時の経つのは早いなあと…(アンタようそんなん書けるね…)。
アンは大きくなりました。ちょうど出していたアンの古着…それこそグリーンゲイブルズにやって来た時に着ていたワンピースは、今のアンが合わせてみると膝くらいまでの丈しかない。元気に成長してくれたのはもちろん嬉しいけれど、どこか寂しくて、その夜マリラは一人で涙を流します。
「その晩、アンがダイアナと連れ立って祈祷会に出かけた後、夕闇の中に一人坐したマリラは、アンの背が伸びたことに奇妙な落胆を感じていた。マリラがあれほど愛した小さな子はいつの間にやら消え失せ、その代わりに思慮深い顔をした、背の高い、真剣な眼差しをした15歳の少女が姿を現したのだ。」
ナレーションさん、今日もいい仕事してます…。そしてまた2話の回想…。アン号泣、そして伝説の名セリフ「あたしのこと、コーデリアと呼んで下さらない?」のとこです(本編内の回想でも頻出の名シーンですね、色んな意味で)。それを思い出しながら泣くマリラが本当に…つらそう…、寂しそう…。すぐマシュウが帰って来るせいで、さっと涙をふいてくれるのにほっとしてしまう…。
アンの部屋もずいぶん女の子らしく変わってます(机にステイシー先生の肖像画みたいな写真が…!何よりのパワーになるんだろうなあ)。買ってもらった新しいベッドもめっちゃ素敵。…見てたらうちもベッド欲しくなってきました。我が家にはベッドはなくて、ずーっと布団で寝てるので、うちはいまだに「ベッドで寝る」ってだけで超ワクワクできます!!(……)(いつの時代の子供だ……)
そのベッドが届いた日、マリラが勉強してるアンの部屋にやってきて話をする。昔の半分もおしゃべりしなくなったって。大げさな言葉も少ししか使わなくなったって。一体どうしたんだって。
「…自分でもわからないの。前ほどしゃべりたくないの。気持ちの良い、素敵な考えが浮かんだら、そっと心の中にしまっておくの。宝石のように。そのことで人から笑われたり、あれこれ言われたくないの。それに…どういうわけか、大げさな言葉を使う気がしなくなったの。ちょっと寂しい気がするわね。だって、あたしこんなに大きくなったんだから、その気になればいくらでも使えるはずなんですもの。大人になるということは、ある意味ではおもしろいけど、私が思っていたのとはちょっと違うみたいね、マリラ。」
ええと……まさかの、この記事の存続の危機です(えー)。
ってか、ここらへんのやりとりで気づいたよ…!うちは何よりも、アンの「大げさな言葉」が大好きだったんだって…!大げさな喜びの表現も、大げさな悲しみの表現も大好きだった…!やめないで…やめないでアン…!
いやまあうちもここまできてやめないけども…。大人になったアンからもいいセリフは出るからね!絶対!上のんもすごく、落ち着いた感じで言ってていいんだ…。宝石のように大事にしまっておく、って表現もいい。うちはなんでもかんでもここに書くけど!!(……)
Bパートはカーモディ―まで伸びた汽車の開通式の話から。位置関係がよくわからないのでピンとこないけど、アボンリーの皆にとってもかなり便利になるらしい。そして、一番列車に乗ってやって来たミス・ジョセフィン・バリーが久々登場です。
前にアンがお世話になったからお礼がしたいとのことで、マリラがジョセフィンおばさんをお茶に誘おうと提案する。アンはめちゃはりきってごちそうを作ります。マリラの手伝いを丁寧に断って、一人で様々な種類のケーキをすいすいと作っていくアン。最後のレイヤーケーキのスポンジをオーブンに入れるとこで、昔の事件のことを思い出して笑うマリラ。思い出し笑いにびっくりするくらい、アンには遠い過去の失敗なんやね…(見てるうちらからしたらそりゃ思い出すわ、そりゃ笑うわ、って感じやけど、アンは思い当るところもない感じ。あれから何度も作ったんだろうし、当然やね)。
そのお茶会の席で、ジョセフィンおばさんから提案が。クイーン学院の試験中にアンが泊まる場所についてマリラやマシュウは思案中だったんだけど、ぜひ自分にお世話させてほしいって…。アンにとっては願ってもない話…!最後もナレーション!
「アンは、周りの人々の愛情に包まれて、幸せを噛み締めると同時に、一ヶ月先に迫った入学試験に、どうしても良い成績でパスしなければと、決意を新たにするのであった…。」