「ロクリアさまは もう かえってこないみたい。
ぼく? ロクリアさまに かわいがられてた ネズミだよ。
ヌヘヘヘヘとか きもちのわるい わらいかたを するから
みんなには かんじのわるい ひとだったかも しれないけど
ぼくには とても やさしいひと だったんだ。
もう かえってこないのかなあ。 さびしいよ。
…なに? ロクリアさまのこと まだききたいの?
もしかして、ロクリアさまにあったの?
ロクリアさま げんきだった??
あのひとはね かわいそうなひとなんだよ。
ずっとずっと ひとりぼっちでね
はなしあいては ぼくしか いなかったんだ
ぼくが さばくで しにかけていたところを
ロクリアさまが たすけてくれたんだ。
それからは ずっといっしょにいたけれど…
それまでは ロクリアさまは ほんとうにひとりぼっちだったんだ。
たぶん ながい ながい あいだ。
ロクリアさまには きっと すごく なやんでることがあったんだけど
ぼくには いちどもそのはなしをしなかったから
ぼくも ずっときかないでいた
でもほかのことは いろいろはなしをしてたんだよ。
ロクリアさまはね いっしょうけんめい ちゃんと
ネズミのはなしもきいてくれるんだよ。
ロクリアさまはあんまり おなかがへらないみたいだったけど
ときどき ぼくのために どこからか たべものを
もってきてくれてたりしたんだよ。
でもロクリアさまは「チーズ」をしらなくてね
きいろい、いいかおりのたべものですよ っておしえたら
「バナナ」をもってかえってきちゃったんだ
でもたべてみたら すごくおいしかったみたいで
それからも よく たべてたよ。
ぼく? ぼくもバナナはすきだよ もちろん。
さばくに だれかが おちてきて
ロクリアさまは そのひとといっしょに ここにきた
とってもいそがしそうで たいへんそうだったけど
ロクリアさまは まいにちたのしそうだった。
ブタみたいなマスクのひとたちに どなったり おこったり
だけど たのしそうだったんだ。
ぼくは ほんとうにうれしかった。
ロクリアさまが ひとりぼっちじゃなくなって うれしかった。
ぼく? ぼくは…ぼくはロクリアさまがいてくれるから いいんだよ。
ロクリアさま かえってこないんだ。
さいごにあったのは …なんにちまえだったかな?
そのとき ロクリアさまは もうおはなしできなかったんだけど
そばにいたひとが ロクリアさまのことばを
かわりにいってくれた。
「『おからだにきをつけて おすごしくださいますよう。ヌヘヘ。』
…と ヨクバは もうしました」
ロクリアさまに ぼくもはなしかけたかったけど
そばにいるひとは ぼくのことばはわからないんだ
だから きこえないかもしれないけど
いっしょうけんめい ロクリアさまにいったんだ。
「ロクリアさまも きをつけてくださいね」
ロクリアさまは わらっていたから
ちゃんと きこえたんだとおもうよ。
ロクリアさまは さばくにいるときから ずっと
だれかを まってるみたいだった
それは あの さばくにふってきたひとなのかな
それとも また べつの だれかなのかな
ロクリアさまが ほんとうに あいたかったひとに あえてると いいんだけど。
ほんとうに いきたかったばしょに いけてるのなら
…ここにはもう かえってきてくれないかも しれないね。
さびしいけど それなら いいんだ。
ひとりぼっちのロクリアさまは かわいそうだったんだ。
もう みたくないんだ。
でも みたかな?
おうちに バナナがいっぱいおいてあるでしょう?
ロクリアさま とりにくるかもしれないよね。
だからぼくは ここでもうちょっとまってみるよ。
もし ロクリアさまにあったら おしえてあげてほしいな。
「バナナが たべごろになってますよ」って。
いいかおりが ここまでするでしょう? こうきゅうな バナナなんだよ。
あ、もう いくんだね。
ありがとう。たくさんはなしをきいてくれて。
ロクリアさまにあったら くれぐれも よろしくね。
ぼく?
…うん、ちょっと、さびしいけど、だいじょうぶだよ。
ありがとう。さようなら。」
…あるネズミのつぶやき。(そのまんまやね)
うち的に、リダよりも度肝を抜かれたセリフがこのネズミのものでしたので
非常に印象深いです。
ていうか、ネズミ、あんたオイシすぎるよ…。代わってくれよ(えー)
ロクリアの心の友だなんて!(それは自分設定)
*補足(自分設定欄)
・ノーウェア島のネズミは砂地に生息するということでひとつ。このネズミ、あの7匹の子ネズミの叔父くらいにあたっててもいいかもしれない。…てことは、あのぐれた奴の弟!?砂漠で遭難しかけたのは、自分探しに出かけたということで…。兄とは違ったはみ出し方をしちゃった、という…おお!いーねーいーねー!(いくない…)
・バナナ好きと、ネズミのためのチーズ(MOTHER3i特典映像)を色だけでむりやりつなげてみた。でも、考え始めて思ったけど…マジプシーって、絶対食べ物いらんわな。生きるためには。…だからお茶会は、そういうたしなみって気がする。そう思うと、あれはかなりの贅沢で、パーティーらしさが引き立つ。…いえ、こじつけですけどね。
・ネズミがロクリアが一人でかわいそうかわいそうっていうのは、ロクリアには家族すらいないらしいというのを敏感に感じ取ったからです。今は同じ状況だけど、砂漠に来る前にはネズミには家族があり(ちょっと反抗的な兄と…←それ、今さっき思いついた設定やん!)、天涯孤独というわけではなかった。そのあたたかさを知っている。だから本当にそれを知らないロクリアに、ちょっとでも知る機会が与えられたら、と常々思っていたわけです。ネズミの自分には、その空白は到底埋められないと、信じきって。
・これを書きつつ一番悩んだのが、最後のロクリアとネズミの会話内容。(そこをとりあえず「 」にして最後らへんまで書いてから、うんうん考えてた)
最後の…というのは。ロクリアはあのミラクルバージョンで出陣する際、もう帰ってこれないだろうということをほぼ確信していた、から。だって相手が相手だし。だからこそあのミラクル(←あの装備、と言いたいらしい)。
だから、最後の言葉は、長年連れ添ったネズミへの感謝の言葉にするだろうな、と思った。
でも「今までどうもありがとう」とかは言いそうにない。…とりあえず、自分はもう帰ってこれないかもしれないことを含みつつ、そのあとも元気で暮らしていってほしい、という願いをこめて、
「…達者でな。ヌヘヘ」
と言った!(ということにしよう)
でも、ミラクル状態だったからツーヤクさんがいないとネズミすら理解できない(マジプシーの曲に聴こえる)。でもツーヤクさんはどうも丁寧に訳してしまう。だからこうなった。
「おからだにきをつけて おすごしくださいますよう。ヌヘヘ。」
それを聞いたネズミ。どうもロクリアさまの言葉にしてはおかしいなと思いつつも、ツーヤクの訳のクセなど瞬間で見抜けるはずもなかった。だから、これが最後の言葉だなんて思いもしない。でもなんだか…自分を気遣ってくれているようだ??これから大変な”お仕事”に行くのはロクリアさまなのに。
だからこう返したわけです。
「ロクリアさまも きをつけてくださいね。」
ツーヤクの、「きをつけて」をそのまま繰り返す形。でもネズミの純粋に自分の身を案ずる気持ちは伝わって、だからこそロクリアは微笑んだのでした。
…全部解説してどうする!
こういうのを説明なしに伝えられる人が「うまい」んだろうな~。むずかしいねえ。