「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

またまた、最近読んだ本

2018-09-21 19:05:27 | 感想文
本日は大安なり (角川文庫)
クリエーター情報なし
KADOKAWA/角川書店

これも夏の文庫フェアの小冊子の紹介から。表紙がかっこよかったのと、やはり自分も結婚式を挙げたところなので気になった。うちが挙げたのは神社だったし、シンプルの極みみたいな式やったから、こういうゴージャスな式場とは全然違ったけど、同じように大安の日だったから、一日に5組の結婚式があって、控室あたりのスタッフさんはてんやわんやしてた印象があるので。
とある有名な結婚式場の、大安の一日を描いた群像劇。複数の人の視点が切り替わりながらに語られるために最初はなかなか混乱した(しかも双子もいるし)けど、中盤からは先が気になるのもあって一気に読めた。
忘れてたけど、私は創作上の「双子」が大好きなんです(別に実在の双子が憎いわけではない)。…でも、この双子は……、今まで見たり読んだりしてきた中でもかなり強烈な双子だった……おもしろかった。お互いへの感情とかを理解できるかって言われるとそれは「全然!!」って答えるしかないけど。
いやほんま「結婚式」ってかなり特殊な場だよねえ。私も友人たちの式にいくつか参加させてもらったけど、ほんと、たった一日、数時間のためにどんだけ金をかけるのか、準備とかで時間をかけるのか…!(大抵は)人生で一度きりの、自分が主役になれる日なんだもんねえ…。シンプルの極みだったうちの神社の五組の主役と、それぞれのゲストたちの中にも、実はいろんな人の色んな思惑はあったのかもなあ、とか思っちゃう。いやうちはあんま何も考えてませんでした。儀式の手順を間違えないかっていう心配しかしてませんでした!(……)

よるのふくらみ (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

……感想、書きにくいわあ、これ……。
これの感想が書けないばっかりに、図書館への返却がだいぶ遅れてしまった。反省。いや、おもしろくなかったとかじゃ全然ないんです。ガシガシ読めました。ほんまに。
これもまた小冊子の紹介を読んで「たまにはこういう、なんかドロドロしてる系も読んでみよう」って思って借りたんだけど、そういや「ドロドロ」は全くしてなかったな。もっとこう…どうしようもない気持ちになって苦しくなるかなあと思ってたんだけど、全体的にはさらっとしてて、そのドロッとしてる感情の部分をどこに持っていけばいいのかわかんなくなったというか…うん。
ずいぶん後で気づいたんですが、うちは創作上の「三角関係」がめちゃ苦手なんでした!(現実の三角関係が好きとかではない…ってもうええな、このパターンは)感想がひねり出せなかったのはそのせいもあるのかも?なんかねえ…、三角関係ってどうしたって誰かはかわいそうな結末になるわけじゃないですか。で、うちは大抵そのかわいそうな人を好きになってしまうので、見てて苦しいんよね…。

幻夏 (角川文庫)
クリエーター情報なし
KADOKAWA

図書館で次は何を借りようか考えてて、思い出したのがこの本だった。本屋さんで、このカバーじゃなくその上に字ばっかりの紹介がずらずらっと書いてあった(そういえば、似たような感じで「タイトルを隠して売って話題になった本」も読んでみたいな)。そこに文字があればとりあえず読んでしまう私なので、それを読んで作者さんが「太田愛」さんだと気づき、それでますます気になって、覚えてた。
「太田愛」さんは私の大好きな「相棒」シリーズの脚本家のひとり。「相棒」にはたくさんの脚本家さんがいるけど、その中でも私が一番くらいに好きな人。人気もあるらしく、最近はスペシャルの時とか、劇場版の脚本を担当されることが多い。小説を書いているなんて全く知らなかった。アニメの「デュラララ!」で名前を見た時も驚いたけど、脚本家さんってなんでもできるんですね…。
読み始めてから、自分が本格的な「ミステリー小説」を全く読んだことがないことに気づき、大丈夫かなって不安になった(「相棒」はミステリーだから見てるわけちゃうし…えっミステリーじゃない?)。まあ読むの自体は大丈夫だったんだけど、ハラハラがず~っと続くまま読み続けるのってしんどいな…とちょっと思った…。
でもそれは最初だけで、章の区切りとかで「さて休憩~」と思って本を置いても、先が気になって気になってすぐに続きを読んじゃう…ってのを繰り返し、結局お休みの一日で読み切ってしまった。だいぶ序盤で色んなことの繋がりを匂わせる描写があったから「えっ、これまだこんなにページあるのに大丈夫?」って思ったけど、全然大丈夫でしたね。ていうか今書きながら気づいたけど、これって「相棒」見てる時と同じやな!「えっ犯人…!?いやまだ15分ある、おかしいぞ」みたいな。
最後の一行で涙が出そうになって、そこで初めて、ここまで一度も泣きそうにならんかったんや、って気づいた。悲しいシーンは何度もあったのに、ハラハラドキドキな緊張感がすごすぎて、泣いてる場合じゃなかったらしい。
うちってミステリーも結構いけるんやな!とわかって良かったです。やったぜ、読む本の幅が広がるぞ~(収拾つかなくなるような…)。ってかね、太田愛さんはこれが2作目の小説だったんですよね。どうやら世界は繋がっているらしく、ちょいちょいその前のお話の存在を匂わす描写があったので、1作目から読めばよかった…と思いました。まあいいねん。次1作目読むからいいねん。