私の、最初のケーキ屋さんでの後輩…パティシエとしては、最初で最後の、たった一人の後輩の子と、何年かぶりに会いました。
(自分より後に入った人に教える…というのはあと二人ほどいたけれど、年下の子はこの子だけだったのでなんとなく…)
お昼に、ごはんでもよかったけど、その子が「おいしいケーキが食べたい」というので
じゃあ、「ジャマン」行きたい!と。
茨木市。高槻市のお隣。高校はここまで通っていたので、思い出深い土地です。
阪急茨木市駅にけっこう前からある、小さなフレンチのお店「ジャマン」は、遠方から来られる方も多い隠れた名店でした。
そこが、去年、二階にサロン・ド・テを開店。
あの「ジャマン」のデザートが食べられる…ということであっという間に人気のスポットとなりました。
あの「カフェ・スイーツ」でも見開きで特集されたりして、ますます遠方からのお客様も集めているようです。
いつもいつもさー…、おいしいケーキが食べたいがために東京行ってんだよ、うちは。
東京近くにいる人には、絶対わからないだろう情熱で。憑かれているといってもいいくらいのそれで。
それはうちが選んだことだから、別にいいの。行きたくないなら我慢すればいいんだから。
だけど、やっと!やっと!自分のテリトリーに、東京の方にも自慢できる場所が!!
ざまーみさらせ!!(えー)
…失礼いたしました。
要するに私が東京に行くのは「食べたいから行ってる」というわけで、
ここなら「食べたいなら茨木来てください」と言えるな、うれしいな♪ということです。
それにしても「ざまーみさらせ」は下品ですね。
それにしても東京にお住まいの方はうらやましいです。
…じゃあ住めよ!
というわけで、「サロン・ド・テ・ジャマン」!
ちょっと急で怖い階段を上がると、大変優雅な空間が出現。
マダム・デジュネが談笑するにふさわしい、落ち着いたサロンでございます。
まったくマダムではない24歳の私と、ピチピチの21歳の後輩の子は…そうですね、微妙に浮くかもしれません。でも大丈夫。やわらかなソファーに座れば、その場だけでもプチマダムになれます(……)。
メニューには、4種類の皿盛りデザート。どれもおいしそう。ケーキはショーケースから選べるとのこと。あと、ケーキにアイスやシャーベットをオプションでつけることもできるらしい。お、おいしそう…。
ショーケースには、美しいケーキがずらり。ま、迷う!
なんか、どれも微妙に大きめな感じが…。「繊細で、ちっちゃい」東京のケーキをさんざん見てたからかもしれない。
悩んで悩んで「オペラ」と、「ペーシュ・ブラン」という器に入ったデザートを頼む。
デザートには、フォンダン・ショコラとか、バナナのミルフィーユ…そうそうこれがすごいんです!カフェスイーツにも載ってるけど(立ち読みしてください←おいっ!本当に元・書店員か)、このミルフィーユにはカスタードクリームが使われていないのですよ~。じゃあ何が入っているのかは…お楽しみ!茨木まで確かめに来てください♪
(すいません。カフェスイーツに載ってます。
複雑な組み合わせで覚えてません。でも前回来た時に食べたらめっちゃおいしかったんです!)
ここのケーキ、頼んでから最後の組み上げをするそうです(フォンダン・ショコラは頼んでから焼くんだと思います)。だからちょっとだけ待つのですが…待ってる時間も愛しい!!
だって!こんなんで出てくるんだもん!
えー… すいません。ちょっと興奮しすぎて全くちゃんと撮れてません。(しかもいつもの「デジカメ専用ケータイ」を忘れたためちょっと写りが悪い…)
全体図も写すべきでした。…でもこのソースに感激しちゃって、もー!
四角い、大きい白いお皿にのって出てきました。奥の二つがうちの頼んだケーキ、右手前にはフルーツが盛られています。透明なジュレと一緒に、あくまでもさりげなく。
そしてソースが!
デセールやったことある方、教えていただきたいです。これ、チョコで細く線を描いて、その中に2種類のソース(たぶんパッションとフランボ)をしぼり出したんだと思うのですが…、写真では見づらいですが、すごくプクッってなってるんです。こんなキレイにいくもんなんでしょうか?なんであふれないの?なんで細いとこまでキレイにソース入ってるの?
とりあえず、超かわいい。
2人とも興奮したまま、ケーキを口へ。…おいしい。おいしい~!!
オペラ、表面のグラサージュは固まっていないものだった。こういうタイプ、本当に久々に見る気がする…と思いつつ、ぱくり。うん、オペラだ。バランスのいいオペラ。食べた後に、ふわっとコーヒーの香りが残る、理想的なオペラ。
ペーシュ・ブランの方は…(なんだったか覚えてないんですが…)
桃と、なんとかっていうおいしい紅茶のゼリーと…キューブ状になった、あれは…ババロワ?
うん、おいしかった。
こんなお店がこんなところにあることに、感謝。
もう、うち3回目やねんけど…まだ行くとも!
なにかあればまた、新しい人を連れて行く!そんでジャマンの名を広めます!
焼き菓子とかもどれもおいしそうで、さんざん見ながらレジの方に行ったんだけど…
なにやら、お会計の間、シェフがずっと後ろでいてはって「ありがとうございました」って…
もしや、いやもしやじゃないな…3回目って、ばれてますか?(笑)
結構見てるもんなんだよね、お店の人って。自分が接客やってたからわかる。
ファンです!って言えばよかった(えー)。
で、もう1軒、候補があったんですが…
話の流れでそこへも行くことに。…もう2軒くらいじゃうちの胃はびっくりしません。余裕です。
阪急茨木からエキスポランド行きのバスに乗り、「南春日丘」で降りる。(はずが、勢い余って一つ前で降りたアホは私です。ごめんよ後輩Yさん。近くてよかった…)
「カフェ ヴィーナー ローゼ」
…あ、よく考えたら、ここも東京の人に自慢できるお店だ。
ここのオーナーさんは、元は辻製菓の先生です。でもうちが習った、とかじゃなくて…もっとずっと前の先生。現トップの川北教授らと、辻製菓の立ち上げに携わったそうです(辻製菓は調理よりもずっと後にできた)。
証拠(?)に、辻製菓が出してる「プロ調理の基本シリーズ」の洋菓子の本の最初に、川北先生の次にお名前が…!
初めて行ったのは、高校生の時で。この元・先生の道のりと、このお店を紹介したタウン誌の切抜きをずっと大事に大事に持っていて。思えば…辻製菓、という名前を意識したのは、このお店を知ってからかもしれない。好きなことを仕事にすることに憧れ、こだわりを持つお店を開くことに憧れた、最初のきっかけは、このお店だった。この先生だった。
自家焙煎のおいしいコーヒーと、日本人向けのアレンジをしていない正統派ウイーン菓子のお店。
現在は不定休、ということだった。店内の張り紙にはしばらくは土日祝のみの営業とのこと…
あ、あぶねー!すごい運、よかった!!
やってるだけでもありがたい。土日祝だけでもいい。好きなんです…!お願いやめないで…!!(切実)
私はここのザッハトルテがめっちゃ好きなんですが、今日はありませんでした(夏だからかも)。
あのねー、ここのザッハはねー…ちゃんとチョコがジャリってするんですよー!!大好き!!
で、今日は!
「パパゲーノトルテ」が出てた!わーい!!
マジパンの入った生地にみかん!オレンジでなくみかん!一応辻製菓時代のレシピを確認すると確かに「マンダリン」となっている。(…マンダリンはみかん?オレンジよりかは、みかんってことかな?)
その生地の上にチョコクリームと、生クリーム…
えへへ、写真撮り忘れました~(役立たず!)
後輩Yさんはカルディナールシュニッテンを。…パパゲーノもこれもさあ、辻の講習以外で食べれるってだけでうれしいよ!
♪パ・パパパパパパパ パパゲーノ♪パパゲーナ♪ ←この歌好き
コーヒーをいただきたかったけど、暑すぎたのでアイスコーヒーに。…でも普段飲むのとぜんっぜん違う!香りが!香りすら濃いよ!!おいしい~~!!
そしてケーキは…どちらも、びっくりするくらい、おいしいんだよね、これが!
ドイツやウイーンのケーキって、合理的っていうか…フランス菓子に比べると、見た目の華やかさでは完全に劣るんだけど、…食べるとものすごくおいしいんだよね!もちろん店にもよりますが!ここのはもう、めっちゃおいしい!!あーもー!おいしい!!
ちょっと遠いのと、なかなかいい日がなくて足が遠のいていたことを、後悔しました…!
通う。通うとも。ジャマンと一緒に、一般の方にもこの良さを知っていただきます!!
おみやげに(もちろん自分への、だ!)、大好きなバニラキッフェルンを!
今、食べてます。おいしいです。最高です。
ああ、茨木ってなんてステキな街なんでしょう!
…ただひとつ不満なのは、ここも「私の街」ではないってとこか!!
なんで茨木なの!なんで高槻に、ないの!せこい~~~!
…じゃあ住めよ!
うーんでも、高槻はちょっと、離れがたいんだよね。大好きだし。
天は二物を与えず?