「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

「赤毛のアン」のいいセリフ・31話~32話

2015-07-11 23:53:35 | 赤毛のアン
第31話「不運な白百合姫」より
私、このエピソード異様に怖い印象があって、タイトルだけでかなりびびってたんですけど、見てみるとそこまで怖いシーンないんですよね…(いや舟が浸水してくる場面は怖いっちゃ怖いけど)。それでわかった、多分「本」の方の印象が強いんだ。挿絵がめちゃ怖かったんだよ…。本編でも誰かが言いますけど、舟の上に死んだふりして横たわるとか、本当に死んじゃいそうだよね…。
というわけで「物語クラブ」が起こす最大の騒動(多分)、白百合姫の回です。白百合姫(これは物語クラブの創作ではなく、本当にあるお話)を1シーンを劇で再現してみようとして、ボートで一人川を下る、亡き白百合姫演じるアン(1話しか経ってないけど、アンの髪は元通り伸びる期間が過ぎたそうです)。しかしそのボートは底に穴が開いていて、水が…!!もう演技どころじゃなく慌てて飛び起き、パニックになるアン。水を手ですくうけど、全然間に合わない。周りにも人はいない…!(ダイアナたちはアンを迎えるためにずっと先の岬に走って行ってしまった)
橋に近づいて行く舟。アンは早口で神様に祈ります。
「ああ神様、どうかお願いです。この舟をあの橋のどの棒杭でも結構です、近づけて下さい!真ん中を通したりしないで下さい!!」
後ろを振り返って、おそらくどんどん増えているのだろう水の量を見て、悲鳴をあげるアン。そしてこう続ける。
「その前に、もう一つお願いがございます!!あの橋に近づく前にこの舟を沈めないで下さいまし!お助け下さい!あたしのできる限りのことはいたしますから!!今すぐに!!」
そして必死で手で水をかき、橋の方へ少しでも早く着こうとするアン…!ていうかこんな緊急事態やのに神様には丁寧やね…!いやまあここはさすがに笑っちゃいかん。これ以降、恐怖で嗚咽みたいのしか出てこないアンの声優さんの演技がほんと、すごすぎます…。
アンの祈りは神様に届いたらしく、なんとか橋の棒杭にしがみつくことができました。だけどここから登れるわけもない。ダイアナたちはもっと下流で舟が沈む瞬間を目撃してしまい、パニックで号泣しながら助けを求めに走って行ってしまったのでアンの叫び声は届かない…。
そこに、ボートで釣りをしている人を発見するアン。必死で呼んだその人は…、なんとギルバート・ブライスだった。ギルは驚いて即、助けに来てくれるんだけど…すんごい態度悪いアン(ていうかすごいそっけない。さっきまで号泣してたのに…)。岸に着くなりお礼だけ言ってさっさと歩き去ろうとするアンを、ギルは腕をつかんで引き止める。もう何度目かわからない謝罪の言葉を口にして、仲直りしよう、友達になろうと言う。真剣で、真摯なギルの表情をまっすぐに見るアン。そこで少しだけ、心は動いたように見える……だけど、あの時の、一番言われたくない言葉を言われた時の記憶がありありと蘇り、きっぱりと断るアン。さすがにギルも怒ってもう二度と言わないって……。でもこれギルえらいよね…「せっかく助けてやったのに!」とか、一言も言わないのよね…。
まあ、…アンにしたら本当にそれだけのことだった。冗談だったとか、もう何年も前の話だからとかで、許していいことじゃなかったってことなんだろうね…。昔見た時は「助けてもらっといてアンひでえ」って思った気がするけど…これは仕方ないかもな…。
その後、ギルと同じように怒ったような感じで歩いてたアンの、歩調が変わる。何もセリフはない。アンの表情は…ちょっとうつむいていて、何か考えてる感じ。そこで今まで半狂乱だったダイアナ達と会って、ギルに助けられたことを言うと、ジェーンが(アンが無事だったことの安心感もあったんだろう)とてもロマンチックだ、と感激する。その瞬間のアンのすごいギロリってにらむ顔って…今まで見たことないくらい怖いです…。
アンが一番大事にしている「ロマンチック」って言葉を、二度とあの人のことで使ってほしくないと…吐き出すように言って、アンは泣き出す。悲しいとか悔しいとか怖かったとか、そういう単純な涙じゃなく、色々な感情が入り混じった複雑な涙です…。
部屋でも思いっきり泣いて、ようやく神経の高ぶりがおさまったアン。マリラが、いつになったら分別がつくようになるんだと呆れて言うと、大丈夫だと答える。分別のある人間になれる見込みは、むしろ高まったんだって。
「あたしグリーンゲイブルズに来てからいろんな失敗をしたわ。でもその失敗のおかげで、あたしの欠点が一つずつ治っていったんだもの。今日の失敗でまた新たに私の欠点が一つ治るはずよ?」
「……ふう。何が治るのかね。」
「ロマンチックになりすぎるのが治るのよ!」
ここはアボンリー。美しいけど、物語の中の世界とは違う。ロマンチックなことを考えてもろくなことにならない…。アンが自分の口でそう言う。マリラは半信半疑な感じで部屋を出て行くんだけど、その後、ずっと黙って話を聞いてたマシュウがアンの前にやってきて、こう言うのでした。
「…アン。お前のロマンスをすっかり捨ててしまうんじゃないよ、アン。」
「マシュウ…!」
「いやその…ロマンスは少しある方がいいよ。ありすぎても困るが、その…少しゃ残しておく方がいいよアン。少しはな。」
「…ありがとうマシュウ。今言ってくれたこと、ずっと忘れないわ。」
嬉しそうに言うアン。満足そうにうなづくマシュウ。いいシーンだな…。
これからどんどん素敵になっていく(って毎回書いてる気がしてきたな!?これフォローしてるつもりじゃないんですけども!?)アンが、大きくなっても「ロマンス(ロマンチック)」を完全に捨てずにいられたのは、この時のマシュウの言葉のおかげって思うと、すごいよね…。ありがとうマシュウ!

第32話「生涯の一大事」より
…すごい。この回全く記憶になかった。おかしいな…うち大人になってからこのアニメ一通り見てるハズなんだけど…??
あ!いや、昔アンがやってたときにテレビのリモコンがなくなるというそれこそ生涯の一大事があったんだった!(生涯…?)録画容量がいっぱいになっても見たのを消せなくなっちゃって、それで録り損ねた回が…あったかもしれない…。それだったのか?
まあこの回はアンの結構有名なセリフがあるので、その辺は知ってたんだけど…っていうかアレ??うち、本持ってるよな…?赤毛のアン、何度も読んでるよな…?? ま、まあともかく、アンと一緒に様々なものに驚きながら見れて、おもしろかったです!!
ジョセフィンおばさんからの、「博覧会」を見に泊まりにおいでという招待を受けてシャーロットタウンへ向かうアンとダイアナ。アンは最初、マリラが反対するに決まってるって言うんだけど、予想外にもマリラはあっさり行っていいと言った。「あんたもそろそろ大きくなったんだから、少しは世の中を見て回るのも悪くはないだろうね…。」って。アン大感激。ここらへんの「ダメって言われるに決まってる→…あるぇ!?いいの!?」っていう流れはすごいわかるわー。自分がそう思った時のことすごい覚えてるし、多分これからも忘れないし。なんていうか、…大人が、子供のことを「大人」と判断するようになるポイントって、子供本人にはようわからんのよね。でもまあ、なんかあるんだろうな。単純に年齢だけの話じゃなくて…(まあうちの場合は「成人」がポイントだったような気もするが…)
それはともかく、でした!(これはいいセリフピックアップの記事でした!)マリラお手製の新しい服(ややふくらみ袖)を来て、ウキウキと町へ向かうアン。馬車で美しい景色の間を進んでいくとこの、ナレーションが素晴らしい。
「町までの道のりは長かったが、アンとダイアナは退屈するどころではなかった。どこを通っても二人には、興味を引く話題に事欠くことはなかった。」
…これ!!すごいいいよね…!「話題」って言っても色々あると思うけどさ、例えば誰かの噂話とか、悪口とか…そういうのじゃなく、「今、見えてる景色」でどんだけでもしゃべりあえる同士って、すごいうらやましい…!ただ見えてる景色の感想じゃなくて、それ見て思い出した最近の良かったこととかでもいいやん…そういうのがしゃべりたい!つかうちがめっちゃそうやからここにこんな反応しちゃうんやろな…!目の前のことばっかり話すもんな…。それはいいんやけど(そして友人達はニコニコと聞いてくれるけど)そればっかりになっちゃって、帰りの新幹線やら飛行機やらの中で「(あれっ?そういや近況とか聞くの忘れたな…)」とか気づく羽目になるんよね…。まあ、途中で思い出したとしても、どう聞いていいかわかんないんですけどね!!(最低だ…)  ってだからなんでこんな話題があっちゃこっちゃ行くのかしらね! 
シャーロットタウンの郊外、どでかいお屋敷がジョセフィンおばさんの家。今回アンとダイアナはとっておきの客用寝室に泊めてもらいます。約束でしたからね(19話、懐かしい。回想で見ると確かに二人は大きくなってる)。つーか天蓋付きのベッドっていいな!憧れだ…!
どこもかしこも豪華なお屋敷。こういうのを見るのは本当に初めてのアンは驚きっぱなしです。
「あたし、こういったものをずっと夢に描いてきたわ。でも、いざとなると『居心地がいい』っていうわけにはいかないみたいね…。この部屋には何もかも揃っていて、それがみんな素晴らしいもんだから、想像を働かす余地がないわ。…はぁ…。貧しくて想像するものがたくさんあるというのも、幸せなことかもしれないわね…。」
なるほど…そうかもしれない…。深いセリフだ。
それはそれとして楽しむアン。さっそくメインの目的の博覧会の会場へ。…「博覧会」ってよくわからないんだけど…農作物とかを出品して出来のよさを競うものでもあるらしい。なんと、ジョーシー・パイがレース編みで一等!あいつ、すごいんだな…!そしてリンドさんもバターとチーズで一等賞。あの人も本当にすごかった…!リンドさんは会場にいてアンたちと話すんだけど、競馬を「不健全な娯楽」だと言ってあっさり誘いを断るのが、とても、「らしい」。
んで競馬を見ながら、アンの語りが入ります。帰宅した後にマリラにしゃべってる形で。競馬はあまりに魅力があるから、しょっちゅう行くべきとこじゃないと思った、って。んでノリノリのダイアナが賭けをしようって言ったけど、断ったんだって(ダイアナ、全体的にいつもよりテンション高いです)。
「…ミセス・アランに何から何まで話したいと思っていたし、そんな話をするのはよくないと思ったの。牧師の奥さんのお友達がいるってことは、良心をもう一つ余計に持っているようなものだわ。」
このセリフ、すごく好き。私にはさすがに牧師の奥さんの友達はいないけど、「こんなことを、例えば親友に話せるか?」って考えてブレーキになる、っていうのはすごくわかる気がする…!もう一つの良心、って表現すごくいい…!
メリーゴーランドに乗ったり、気球に乗る人を見たり、アンにとっての生涯忘れられない日になった。マリラへの語りもずっと続く。
「それからマリラ、ジョーシーがレース編みで一等になって、あたしとても嬉しかったわ。そしてその嬉しいと思ったことがまた嬉しかったの。だってジョーシーの成功を喜べるなんて、あたしが良くなった証拠だと思わない?マリラ。」
あいつは本当にヤな奴なのにね…!(←赤毛のアンをこんなに熱心に見てるのに全く良くなってないわたし…)
夜、憧れの客用寝室で眠るアン。そこは本当に素敵、なんだけど。
「…でもね、客用寝室で寝るって、あたしが考えていたほどのことじゃなかったわ。…小さいときに欲しかったものでも、大きくなっていざ手に入ると、その半分も素敵に見えないのね。これが『大きくなる』ってことの一番困った点だわ…。」
また深いセリフ。だからもう何もいらん、ってことじゃなくて、「大きくなるって困ったこともあるんだな」っていうことなんだろうね。「素敵なこともいっぱいあるけど」ってのも、込みで。
音楽学校のコンサートに行き(これは本当に今の意味での「コンサート」だったみたい)、夜のレストランでアイスクリームを食べ、都会暮らしを楽しんだアン。ダイアナは自分は田舎暮らしよりこっちのがあってると思うと言う(テンション高かったのはそのせいもあるのね)。アンは?その場では即答できなかったアンは、一晩考え、翌日アボンリーへ向かう時に答える。こういう暮らしもいいけれど、自分はやはり田舎の暮らしが向いていると(いや、こんなはっきり言わないんだけどね。こっちでの生活は本当に楽しかったってことと、ジョセフィンおばさんに気を悪くさせてはいけないって思いがあるんだろうね)。夜には自分の部屋のベッドの中で、星がきらめいていることや森を渡る風のことを感じながら、ぐっすりと眠っていたいって…。
二人が行ってしまった後の寂しそうなジョセフィンおばさんの表情とこのモノローグがすごい。
「(マリラ・カスバートが孤児院から女の子を引き取ったと聞いた時、なんて馬鹿なんだろうと思ったけど、結局失敗でもなかったようだ。あんな子をいつも手元に置いておけるなら、私だってもっと幸せな人間になれるだろうにね。)」
………絶句、です。アンに対する最大限の褒め言葉であり、マリラに対する羨望の言葉であり…。…ジョセフィンおばさん…寂しいんだな…。寂しいってことに、気づいてしまったんだな…。アンの存在で…。
そしてそれはマリラもなのです。アンが帰ってきて、着替えるために一度部屋に上がっていった後、こう言います。
「ふう、帰ってきて本当に良かったよ。アンがいないととっても寂しくて、こんなに4日間が長く思えたことはなかったよ。」
夕食の後、マリラとマシュウの間に座って、たっぷり街での出来事を話すアン。その締めくくりの言葉。
「…本当に素晴らしかったわ。あたしの生涯の一大事だったんだって気がするの。でも、一番良かったのはね、…一番良かったのは、家に帰ってくることだったわ。」
そう言った後うっとりと目を閉じて、その素晴らしさを堪能してるアンがかわいすぎます。すごく楽しい事がたくさんあって、でもその中で一番は、グリーンゲイブルズに帰ってくることだった。楽しい事が終わってたその後に、大好きな家に、「自分の家」に、帰ってこれることだった……!!ああ、なんて素晴らしい回なんだ…;;

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