夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

90歳の入居者が激白!介護ホームの“悲惨なる日常”を学び、私は涙を浮かべて、やがて・・。

2016-02-19 16:11:05 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅に住む年金生活の老ボーイの71歳の身であるが、
今朝、家内は独り住まいの家内の母宅に介護に行く日であったので、4時過ぎに起床した。

やがて6時少し前、私は門扉の近い道路に降り立って、家内を見送くったりした、
この後、配達された読売新聞の朝刊を煎茶を飲みながら、30分ぐらいで読んだりした後、
ネットでニュースを見ようとパソコンを立ち上げたりした。
           
私はトップページとしては【YAHOO! JAPAN】に設定しているが、
トピックス・ニュースとして、10ばかり見出しが紹介されているが、
この中のひとつに、【 90歳の入居者が激白!介護ホームの“悲惨なる日常”】と明記されていた。

私はいつの日にか介護にお世話になるか解らないが、やはり高齢者の身であるので、
漠然としながらも介護施設には注視してきた。

過ぎし2014年11~12月、川崎市幸区の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」に於いて、
入所者の男女3人が相次いで転落死したことに、動顛させられたりした。

そして最近、転落死させた容疑者が、たとえ過酷な業務で疲れ果てていても、魔を差したといえども、
人としての世界から逸脱し、魔界の行為に私は震撼させられたりしてきた。

このような心情を秘めてきた私は、クリックして精読した・・。
            

今回の記事は、健康社会学者・河合薫さんが、理性的で渾身ある難題を明示された寄稿文であり、
無断ながら転載させて頂く。

《・・川崎市幸区の老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、
殺人容疑で逮捕された同施設の元職員の男は、
「(介護に)手がかかる人だった」
「ベランダまで誘導し、男性を抱きかかえて投げ落とした」といった供述をしているそうだ。

介護のいかなる状況にあっても、暴力や虐待は許されることでない。

だが、「他人事ではない」・・・・。
介護現場で働く人たちは、口をそろえる。

「・・誰にでも、実はそういう事件を起こしてしまう立場にあるんだなぁって・・」


いや、働く人たちだけではない。
ホームに入所している“高齢者”の方も、だ。
現在、90歳。ご主人が要介護となり、ご夫婦で入所されている方から寄せられたメッセージを紹介します。
介護現場のリアルを「我がごと」として、一緒に考えてみてください。
            

「Sアミューユ川崎幸町で起こったことは、他人事ではないような気がしています。
殺害なんて絶対に許されることではないし、虐待も暴力もいかなる場合も許し難いことです。

でも、入所者の中には大声で喚き散らす人、たえずヘルパーを呼びつける人、自分が判らなくなってしまった人、
思うようにならないとヘルパーの手をかみつく人など、さまざまです。

そんな人達の家族に限って 面会に来ることがなく、ホームに預けっぱなしなのです。


私は夫とともに、毎日、食堂で食事をしているのですが、
食事は終わったのに、食べた感覚がなく「食事を早くください!」「死んでしまいます」と大声でわめいている女性がいて、
若いヘルパーが優しく対応している姿に頭の下がる思いがしています。

ヘルパーさんたちがあまりに大変そうなので、食器を運ぶくらいお手伝いしようと申し出ました。
でも、絶対にやらせてもらえません。
ナニかあったときに、施設の責任になるからです。
            

先週、またヘルパーが二人辞めてしまいました。
理由は『給料が少なくて結婚できないから』ということでした。

離職者があとを絶たず、その補充もなかなか見つからないので、
残ったヘルパー達が、過重労働を強いられているのが現状です。

ホームには各部屋にインターホーンが設置してありますが、
認知症の進んだ入所者が、ひっきりなしに夜間押すこともしばしばです。

夜勤ヘルパーは、その度に対応しなくてはならない。
就寝前に投薬が必要な人もいるので、夜勤の仕事はかなり重労働です。

ヘルパーの中には夜勤はしない、という条件で勤務している人が、かなりいるので、
限られたヘルパー達が順番でやっているのです。

すぐに順番がやってくるので、真面目なヘルパーは
体重は減るわ、顏はやつれるわで見ていて可哀想になります。

私はいつもそんな彼等に感謝と激励の言葉を送っていますが、そんな感謝の言葉だけでは、彼女・彼らが報われません。

みなさん、献身的にやってくださります。
でも、・・人間には限界ってものがありますよね。
            

政府は施設を作る、と言っていますが、その前に、ヘルパーの待遇を改善すべきだと思います。
ヘルパー不足は、入所者へ深刻な影響をもたらしているのです。

オムツ交換が4回だったのが3回になり、夜間見回りもなくなり、
適性があろうとなかろうと、採用するしかない。
悪循環です。

高齢者へ3万円支給する余裕があるなら、介護関係に回すべき、だと思います。

ここはまさしく姥捨山です。
入居者たちはみんなそういっています。


入所者は家族が介護の限界にきたために、本人の意志でなく入れられた人が多いので、
私のように発言できる入所者は、滅多にいないと思います。

私のコメントがお役に立つようでしたら、こんな嬉しいことはありません。
どうか薫さんのお力で、たくさんの方に現状を知ってもらってください」

・・これが介護現場のリアルです。
            

介護職の方たちの多くは、「おじいちゃんやおばあちゃんに、少しでも笑顔になってほしい」と献身的に働く人たちが多い。
だが、そもそもそういう方たちでさえ、常に心の葛藤に襲われるのが、介護の世界だ。

だって、関わるのは全員「人生の大先輩」。
それぞれの人生、価値観で長年過ごしてきた高齢者の方に、注意するのは、とても気を使う。
自分の親でさえそうなのだから、他人であればなおさらだろう。

「本当にこれでいいのだろうか?」
「他にもっといいやり方があったんじゃないのか?」
そんな不安に苛まれる。

相手が“人”である以上、10人いれば10通りの問題が起こる。
一つひとつは小さなトラブルで、ちょっとした対応で処理できるかもしれない。

だが、「ホントにコレで良かったのかな?」と不安になる。
特に高齢者の“変化”は突然起きるので、対処が実に難しい。

本来であれば、そういった不安を現場のスタッフたちで、分かち合えればいいのだが、
全員が自分の仕事で、いっぱいいっぱいで時間的にも、精神的にも、余裕がない。

他の職員を気にかける余裕など微塵もない。
おまけに夜勤、早番、遅番とシフト勤務なので、顔を合わせることも少なくなる。

介護の現場というのは、実に「孤独」なのだ。
            

さらに、平均月収は21万円程度で、他の職種より10万程低い。
ただ、これには施設長や看護職員など、比較的高い賃金の職種の方たちも含めた数字なので、
実際には10万程度という人もいる。

この低賃金を一般平均である30万程度にするには、
年間1兆4000億円ほど必要となり(NPO法人社会保障経済研究所算出)、
労働人口で単純計算すると「ひとりあたり年間3万円弱の負担」が必要になる。

ご存じの通り、昨年、4月から介護報酬が2・27%引き下げられたが、
これは2006年の2・4%の引き下げから2回目のこと。

介護施設の人権費率は約6割、訪問系介護は7割と大きいため、報酬引き下げはダイレクトに労働力不足に影響を及ぼす。
前回の引き下げで、労働力不足に拍車がかかったにもかかわらず、
再び引き下げを決めたのは、狂気の沙汰としか言いようがないのである。

「月額1万2000円引き上げるっていってたでしょ?」
そのとおりだ。
だが、それが本当に労働者にちゃんと支払われているかどうかは、確かではないのが実情なのだ。

また、前述の女性のメッセージからも、人手不足なのは痛いほどわかるのだが、
2020年代には、さらに約25万人もの人材が不足するとされている(厚労省算出)。

重労働、低賃金、超高齢化社会・・・。
この先どうなってしまうのだろう・・。

「高齢者へ3万円支給する余裕があるなら、介護関係に回すべき」という、
“高齢者”からの意見を、どう政府は受け止めるのか。
            

もし、質の高いサービスを望むなら、もっともっと介護保険料を国民が負担すべきで、
それができないのであれば、サービスの質を下げるしかないと思う。

食事、排泄、入浴のニーズに対応するためだけのサービスと割り切り、現状の劣悪な環境を変え、当然、残業はゼロ。
1人でも離職者を減らし、1人でも多くの人たちが介護士さんを目指し、
1人でも多くの高齢者がケアを受けられ、1人でも多くの家族が自分の仕事と両立できるようにする。

「でも、それじゃあ……」
うん。それでは・・だ。

だが介護現場は、頑張りすぎた。
頑張らないことから、議論し直す。
崩壊するよりその方がまし。

だって、このまま質を求め続ければ、介護業界は破綻する。

これ以上の甘えは、暴力と同じ。
崩壊も、虐待も、破綻もイヤ。

誰もが老いる。親も老いる。自分も老いる。
その人生最後の終の住処が、こんなにも悲惨な状況じゃ誰1人、幸せにならないのではないか。

そして、私も、もっとこの闇の解決策を現場に耳を傾け探して行きたいと思っています。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

私が涙を浮かべたは、90歳の入居者が理性的に介護ホームの悲痛な実態を語り、
そして介護士が私が思ってた以上に、余りにも低賃金で過酷な責務を負わされていることであった。

そして今回、《・・この低賃金を一般平均である30万程度にするには、
年間1兆4000億円ほど必要となり(NPO法人社会保障経済研究所算出)、
労働人口で単純計算すると「ひとりあたり年間3万円弱の負担」が必要になる。・・》学んだりした。

そして労働人口は、働いて下さる方が対象と理解するが、
やはり不幸にして介護の身となった方を少しでも改善させるには、
高齢者が介護保険料をお互いに負担を増して、介護士の賃金、労働条件の待遇向上を図り、
介護士に従事して下さる方を増加させる・・。

こうしたことが私が思い立った当面の対処案であり、
肝要の厚生労働省、そして政府、介護の実態を掌握して、迅速に政策に反映して頂きたい、と切望したりしている。

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コメント (2)
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