夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

ある高級介護付き老人ホーム、私は魅了され、いつ日にか入居したい夢のような施設は・・。

2016-02-23 14:34:02 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の老ボーイの71歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

家内は私より5歳若く、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。

私たちは幸運にも大病に遭遇しないで過ごしているが、
やがていつの日にか齢を重ねれば、介護にお世話になる日がくるので、 漠然としながらも介護施設には注視してきた。

昨夜、新潮社の総合ニュースサイト【ディリー新潮】を見ていた時、
【 高級老人ホーム/イマイマイズム見聞録[第47回]】
と題された見出しを見て、購読している『新潮45』の1月号に掲載された寄稿文であり、
確か昨年の2015年12月18日に発売されて、当日の夜に読んだことが思いだされた・・。

ライターの今井舞(いまい・まい)さんの『イマイマイズム見聞記』シリーズに於いて、
本号は『高級老人ホーム』と題して、ある老人ホームを訪問して、軽妙な文体で的確に実態を表現された寄稿文で、
私も多々教示させられた。

そして私は、昨今も介護施設に難題が加速している為、
今井舞(いまい・まい)さんの寄稿文の『高級老人ホーム』の中で、ひとつ老人ホームに、
私はいつ日にか入居したい夢のような施設を、改めて再読したりした・・。

そしてネットに公開された記事でもあり、転載させて頂く。
            

《・・老人ホームでの暴力や虐待のニュースが急増する昨今。
自分はもちろん、親のことも含めて、老人ホーム選びは、今や国民的関心事だ。

「いい老人ホーム」って、いったいどんなとこ? 
何を基準に選べばいいの? 
答えは簡単。「金」である。

てなわけで今月の取材先は「高級介護付き老人ホーム」。
お邪魔したのは、練馬区にある「アズハイム光が丘」。
敷地面積3000平方メートル近く、3階建てで居室80室以上、都心にしては大きなホームだ。

インターホンで玄関を開けてもらい、クリスマスの飾り付けがされた広々としたホテルのようなエントランスで、
すぐにスリッパに履き替える。

セキュリティとウイルス、両方への対策が見て取れる。
壁やドア、置かれた家具などもシックで落ち着いた色合い。
訪れたのは丁度昼食時で、スタッフの人がテキパキと配膳中。

この日は私も、実際にホームで出されているお昼をご馳走に。
ホッケの塩焼き定食は、しっかりした量で、味付けも丁度良く、食べ応えがあった。
ご馳走様でした。

食後のコーヒーを頂きながら、担当者の方から説明を受ける。
            

まずは料金だ料金。
頂いた資料に目を落とすと、「入居一時金」をいくら払うかで異なる3プランが。

一番スタンダードな約18平方メートルの個室の場合、入居一時金ナシのプランAは、月額使用料が約35万円。
入居一時金を780万円払うプランBだと月額約22万円。
入居一時金1110万円のプランCは月額約16万円。

……ひぃーッ。
予想はしてたが。悠々自適な老後って、本当に、普通の人間には手が届かない世の中になったんだなぁ。

介護スタッフ一人の受け持つ人数が少なめで、
更に仕事に集中できるよう、洗濯や炊事、配膳、運転などにあたる人材は、別に雇用。

機能訓練指導員常在でリハビリのアプローチあり。
毎日開催される豊富なアクティビティ……。
このホームで、日々どんなに手厚いケアが行われているのか、いろいろ説明を受けるが。

とにかくこの金額が払える人ってのは、そういう待遇なんだろな、の感しきり。
            

このサービスの質をキープするために、何より気を遣っているのは、良質な人材の確保だそうな。
居心地よくやりがいのある現場を目指し、サークル活動を会社側で支援したり、
子育てや介護中の人でも働きやすいシフトを組み込んだり、
採用面接に一緒に働くスタッフも参加したり、現場の声がすぐ上に通るよう常時工夫したり。

「対人間」の仕事のストレスを出来る限り軽減するべく努力を続けているそうだ。
それは何かこう、しみじみと伝わってきた。

明るいオバチャン系の人から、二十歳そこそこの若者まで、
ここには性別年齢いろんな人がいっぱい働いてて、感染症予防のためほぼ全員マスク姿だったが、
その上からでも笑顔なのがわかるくらい、皆明るく快活だった。

あー、親を老後こんなところに入れられたら、これ以上の親孝行はないだろうなぁ。

と脳内孝行しているうち、やがて本日のアクティビティ「音楽療法」の時間となり、
見学のため30平方メートルほどもある大きなリビングダイニングへ移動。

各階にこの部屋が二つ(!)あり、食事やプログラムはここで。
大きな仕切りもなく、車椅子の居住者でも気楽にぷらっと来てくつろげるオープンな雰囲気。

今は壁際の電子ピアノに向けて椅子が配置されており、開始10分前には満員御礼状態。
待ち時間にポロロン、と療法士がピアノを鳴らすだけで、嬉しそうに体を揺らす老人たち。

これは、少し認知症の症状がある人中心に行われるプログラムだそうで、
大きな声でのじゃんけんやグーパー体操、早口言葉などの後、
老人になじみのいい、「もみじ」等の昔ながらの唱歌を伴奏と一緒に。

皆楽しそうに大声で歌っている。
間々に職員が入り、ニコニコ一緒に手拍子しながら、入居者同士の手足がぶつかったりしないか、常に目を配っている。

居室が空くこの時間は、リネン交換や掃除などのチャンスで、スタッフが忙しく行き来している。
プログラムに参加せず、通りかかっただけの入所者にも声掛けが。
常に人と目が動いている印象だ。

各個室も、ドアを閉め切らず、代わりに暖簾をかけている部屋が多く、入居者同士も開放的。

あー、親を入れたいったら。
            

今回は、居住者の方にインタビューできるということで、その方の部屋へ。
「車椅子なもので、座ったままでごめんなさいね」と、上品な白髪の老婦人が迎えてくれた。

Oさん88歳。10畳以上あるスタンダードタイプの部屋は、手すり付きの広いトイレが標準装備。
介護タイプの大きなベッドが中央に、脇のチェスト上には仏壇、
テーブルには犬の写真などが飾ってあり、すっかり我が家な雰囲気。

入居者の平均年齢86歳よりも少し上のOさんであるが、
「ここへ入って2年と2ヶ月目です」と、立て板に水の見事な語り口。

ご主人を十数年前に亡くし一人暮らしだったが、脊椎を悪くして車椅子生活になったのを機に、ホーム入所を決断。
ここを選んだのは、近郊に住む二人の息子さんで、長い廊下でゆっくり歩行器を使ってリハビリできたり、
ご飯も美味しく、いろんなプログラムで毎日楽しく忙しく、ここでの暮らしにはとても満足しているという。

しかし入所して半年ほどは、気を遣うことが多かったそう。
「同じ年寄りといっても、認知症でも身体はピンピンしてる方、
頭はハッキリしているけど、体が言うこときかない方、いろんな方がいらっしゃるでしょ」。

ふんふん。
            

「近い部屋に認知症の方がいらしてね。誰々に物を盗まれた、なんて騒ぐのはしょっちゅう。
でもああいう方は、なだめるだけじゃだめ。
新聞の切り抜きなんかお持ちしてね、昔のことをお話しすると、びっくりするほどちゃんとなさるの。

戦争の時の空襲の話とか、この前も原節子さんが亡くなったでしょう。
すると『あの映画は素晴らしかった』なんて盛り上がってね。
そんなことを重ねてると、揉めごとも減るんですよ」。

ほ、ほほう。

「ああして欲しい、こうだったらいいのに、なんて小さいこと言ってたらキリないでしょ。
でも私、命に関わることだけは、キチッと申し上げることにしてますの」と、
風呂の床が滑りやすかった時、苦言を呈した話が出た。
即マットが敷かれ改善されたという。

うーむ。
この人の言うことなら、誰もが耳を傾けるだろうな。
語彙も豊富で機知に富んでる。米寿を過ぎた女性で、こんなに面白トークができる人を今まで見たことがない。

何でも、長年編み物の先生をしていて、たくさんの生徒を見てきたそうで、なるほど年輪! 
同席したホームの広報担当の人も「全て参考にさせて頂きます」と感心しきりであった。

他にも興味深い話がいろいろ。
「老人ホーム入居指南」をテーマに講演したら客呼べると思う。

新潮社で声掛けてみちゃどうか。

金があるところには、やっぱりいろんな意味で、優れた人間が集まるということを指差し確認し、ホームを後に。
            

もう十分「高級老人ホーム」は堪能できたわけだが、
今回はもう一件取材を申し込んでいたのだ。
超ド級セレブホーム「ヒルデモアたまプラーザ」に。

たまプラーザ駅から徒歩十数分。緑の多い広大な敷地に悠々と建つ大きな建物。
ビル一棟ブチ抜く吹き抜け。大浴場。最先端の機器が入るジム。床は全て天然木。
屋上庭園にはハーブが育ち、スタンダードな居室は約40平方メートル。

入居一時金は、年齢によって変わり、約2千5百~7千万(若いほど高い)。
これとは別に要月額約26万。一時金なしの場合は、月額約73万円~。

・・いやもうね、次元が違うというか、惑星が違うというか。
皆居心地良くて部屋から出てこないのか、豪奢な敷地内に誰もいなくて、SF映画見てるみたい。

たまーに見かけても、職員と気安くおしゃべりしたりせず、ホールで新聞読んでたり、一人で食事してたり。
その横顔には、人の上に立ってきた人間のオーラが感じられた。

政治や経済界のお歴々とか、大物芸能人の親とか、
とにかく、入居してるのは、めったにいるレベルの金持ちでないのは確か。
職員も、「介護職」というより「コンシェルジュ」に近い佇まいだったし。

光が丘を見たときは「よーし、散財せず貯金して親をあそこに入れるぞ!」という心持ちになったが。

たまプラーザの後は、何だろう。
何かコツコツやるのがアホらしくなって、帰りにたまプラーザの駅ビルでブーツ買っちゃった。
暖かくてとても重宝している。
親の老後より、まず自分が無事この冬を越すことの方が優先だ。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

もとより私が魅了されたは、最初に紹介された練馬区にある「アズハイム光が丘」である。
こうした施設内のスタッフ、介護士、施設内の整備された共同スペース、そして個室・・を学び、
このような介護付き老人ホームだったら、私は魅了され、いつ日にか入居したい夢のような施設であった・・。

しかしながら私たち夫婦として難題は、無念ながら総費用である。
どちらかが『おひとりさま』となり、やがて介護要の身となった時、
一番スタンダードな約18平方メートルの個室の場合、入居一時金1110万円のプランCは月額約16万円、と学んだ。

月額利用料の明細として、プランCの場合、家賃(非課税)10,000円、管理費(非課税)70,000円、
水光熱費(税抜)20,000円、食費(税抜) 60,000円である。

これだけ設備、サービスを享受できるだから、充分納得できる費用と思っている。
            

問題は介護施設であるので、当然ながら月額利用料以外にかかる費用である。
少なくとも『介護保険』の自己負担(非課税)は、要介護5となれば28,750円となる。

そして有料サービス費用(税抜)として、入浴介助(週4回以上)1回・・1,000円、
リネン交換(週2回以上)1回・・500円、協力医療機関以外への通院付添介助30分・・500円、
買物代行(週2回以上)30分・・500円、ケアプラン以外での施設外付添介助30分・・500円などもある。

或いはその他費用として、入居者や家族の個別的な選択により、医療費(訪問診療費・医療機関受診費・歯科診療受診費など)、
薬剤費、定期健康診断、介護衛生用品費(おむつ費用など)、理美容費、通信費(居室に電話を取り付けた場合)、
新聞購読費(希望された場合)、レクリエーション参加費(有料と無料のものがある)なども必要な場合要する。

こうした月額利用料以外の諸費用を十二分に配慮しないと、安息した介護生活が出来ない、
と思い重ねると、私は溜息を重ねたりした。

そして私にとっては、やはり夢のような介護付き老人ホーム施設かしら、と苦笑したりした。
            

やむなく私は介護になる身を出来る限り避けたく、
せめて自宅周辺3キロ範囲をひたすら歩き廻り、認知症だけは勘弁してょ、と心の中で呟きながら、
ときおり歩いているのが、実態となっている。

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コメント (4)
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