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夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

若葉の彩(いろど)る頃の青森紀行・・。【2010.5.24.~6.2.】  ③

2010-06-03 17:21:27 | 
         第3章 深浦海岸から青森市、そして竜飛崎

5月27日
『黄金崎 不老ふ死温泉』の観光ホテルに別れを告げ、
私達は送迎バスで五能線のウェスパ椿山駅に向った時、
道路際には芽吹きが終わり新緑に染まり、中には早くも若葉となった落葉樹の中、
ときおり八重桜(ヤエザクラ)が観られ、私はこの地にも春到来を感じ、和(なご)んだりした。

10時35分発の『リゾートしらかみ』で青森駅に向ったが、
深浦駅を過ぎた後の海岸の幾重かの奇岩が美麗な状景を観せたり、
陸奥高田駅の頃からは、田植えの終えた田んぼ、或いはリンゴの果樹園が広がり、
そして彼方に里山の光景となっていた。

この後、弘前駅を停車したが、やはり地方の街の雄であることを感じたりした後、
青森駅の終点に近づくと、やはり地方都市の状景となったりした。
午後1時32分に到着した後、
青森駅の午後3時44分発の電車で津軽半島の海沿いの蟹田(かにた)、
そして終点の三厩(みんやま)津軽腺に乗るまで、
市外の港に繋留されている青函連絡船だった『八甲田丸』に寄った。

私はたった一度だけ1962(昭和37)年に北海道に修学旅行の時、
上野駅発の夜行列車に乗り、翌朝に青森港から青函連絡船に乗り、
函館が観えた時、やっと北海道に来た、と感動を受けた思いもあったりした。

こうした想いも重ねたり、船内の実物の数々を拝見したり、
或いは展示された明治の頃からの変貌に新たに青函連絡船の歴史を学んだりした。

http://www7.ocn.ne.jp/~hakkouda/hakoindex.html
☆青函連絡船メモリアルシップ『八甲田丸』ホームページ☆


遅い昼食をコーヒー・ショップでサンドイッチの軽食した後、
青森駅の午後3時44分発の津軽腺で津軽半島の海沿いの蟹田駅に向ったが、
車中は高校生などの下校時の生徒が多く、
私達は隣席した婦人、高齢の漁師の方と談笑をしたりした。

そして、蟹田、これら向う三厩(みんやま)の戦後の時代のうつろいを学び、
東京首都圏はゆるやかに中産階級は崩壊しつつ、
地方の街は時の景気に大波、小波で翻弄されることが私の感じてきた昨今の思いが、
好悪に関わらず実情であることが認識させられたのである。

終点の三厩駅に午後5時10分に下車し、
路線バスで竜飛岬の漁港前まで乗車したが、竜飛岬近づくたびに、
どんよりとした曇り空、そして夜のとばりがまもなく迎える頃も重なり、
住居の殆どはつつましく最果ての集落と感じ、わびしい心情になったりした。

いずれにしても私達は、この地の竜飛崎温泉の観光ホテル『ホテル竜飛』に3日間宿泊し、
周辺を散策する。
このような思いでぼんやりとしていると、
ホテルの送迎用の乗用車が近づいてきた・・。

そして、私達は『ホテル竜飛』の3階の中央部にある部屋に通され、
洋上が正面に、彼方に北海道・・と戸惑いながらも明確に観え、
左側には竜飛漁港、そして帯島の美景となっていた。


http://www.hoteltappi.co.jp/
☆『ホテル竜飛』ホームページ ☆



                                  《つづく》


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若葉の彩(いろど)る頃の青森紀行・・。【2010.5.24.~6.2.】  ②

2010-06-03 15:12:00 | 
         第2章 『黄金崎 不老ふ死温泉』

打ち寄せる波のまじかにある海岸の露天風呂で、
日本海の落陽を眺め・・として名高い観光ホテルであるが、
3泊4日をしたが、雨時々曇りの日々となり、夕陽が洋上に沈む光景は無念ながらめぐり逢えなかった。

しかし、雨が止んだひととき、館内から海岸に向う歩道を百メートルぐらい歩み、
波打ち際に、ひょうたん形の露天風呂がふたつある。
右手は女性専用、左手に男女混浴があり、私は男女混浴の湯船に身体をゆだねたりした。

2日目の午前10時過ぎ、ひとりだけ60代の男性がいるだけで、
長野県の茅野市の方で独り旅で北東北の温泉を廻りながら、旅を楽しまれている人であった。
とりとめない旅先の温泉のことなどを談笑を重ねたりした・・。

館内の大浴場からの日本海の眺めも良く、隣接しているパノラマ展望風呂は、
屋根がある小さな露天風呂のような感じで、洋上の情景がゆったりと眺められるので、
私は朝夕のひとときは、身も心もゆだねたりした。

そして、ロビーの片隅で、青森県の地方紙のひとつの『東奥日報』を読んだりし、
今回の旅の終わりまで何かと愛読したりした。


食事に関しては、日本海のこの地の周辺で獲れる地魚、貝づくしの幸を十二分に賞味でき、
見た目より遥かに美味しく、鮮度抜群が味の基本であることを改めて認識させらた。

私が何よりも魅せられたのは、部屋からの眺めである。
たまたま東館の二階の中央部にある部屋に宿泊したが、
窓辺にある椅子に座り、朝、昼、夕に幾度も眺めたりしたのである。

日本の海岸に多い防波堤のコンクリートやテトラポットなどはなく、
日本海の波が海岸に直接に打ち寄せ、海岸からまじかな洋上の周辺に、
小さな岩が集積して、あたかも小さな列島のように点在し、
こうした列島が幾10か観られ、波を受けたり、しぶきをあびたりしていた・・。
そして引き潮、或いは満潮の時に、うつろいながら変貌した情景を観せていた。

こうした風景を眺めたりしていると、室町時代の頃からの石庭など景観よりも、
遥かに深く魅了させられ、私は飽きずに眺めたりしていた。



                                  《つづく》

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若葉の彩(いろど)る頃の青森紀行・・。【2010.5.24.~6.2.】  ①

2010-06-03 12:10:19 | 
         序章 私達夫婦の35年目の記念旅行

私は東京郊外の調布市に住む年金生活6年生の65歳の身であり、
家内との共通趣味は旅行であるが、私達は海外旅行は苦手なので、
ときおり国内旅行で各地の四季折々の情景、
その地でめぐり逢えた人たちから風土、文化など学んだりすることが多い。

たまたま私達夫婦の結婚して35年目となり、
記念旅行と称して北東北地方の青森県の一部を周遊した9泊10日間の日程となった
ささやかな紀行を記したものである。



         第1章 旅のはじまりは小雨の中

5月24日
早朝の3時半に起床すると、小雨が降り続いていた。
天気情報に寄れば、この先の数日は雨時々曇りと報じて折、
梅雨の時節の前の長雨が続く走り梅雨かしら、と私は苦笑した。

昨日、予約していたタクシーに自宅に6時に来て頂き、
最寄の成城学園前まで利用し、この後は電車で東京駅に着いたのは6時50分で、
早くも通勤される諸兄諸姉の忙しい姿を見ながら、
申し訳ない、と心情でコーヒー・テラスから眺めたりした。

私も現役の頃は、数多くのサラリーマンと同様に、多忙な身であったので、
平日にのんびりと旅行ができるのは、夢の世界のひとつであった。

『こまち』は定刻通り8時56分に東京駅を発車し、盛岡駅経由で秋田駅方面に向った。
途中の福島駅を通過した頃からは、
小雨降る中をまじかに田畑、少しばかり遠方の里山は霧につつまれ、
そして彼方の山嶺は雨と霧でかすんでいた・・。

盛岡駅を過ぎてまもなく、畑と雑木林、そして里山が車窓が観られ、
ときおり清流の状景が眺められ、墨絵のような情景が展開したりしていた。


『こまち』は午後1時前に予定通り秋田駅に到着し、
私は愛煙家なので、早速喫煙ルームに駆け込んで、煙草に火を点け、
JR東日本の各線は原則として全面禁煙となっているので、
どうしてなの、とぼやきながら乗車時間の4時間ばかり耐えた解放感に充たされた。

こうしたしぐさの私をプラットフォームのはずれで見ていた家内は、
苦笑を重ねていた。

この後、『リゾートしらかみ』の午後2時12分発まで、
秋田駅でJR周遊の特典である駅弁の受け取り、
構内の売店で私は地酒の300ml、家内は熱い煎茶ペットボトルを買い求めたりし
待合室で昼食とした。

地酒を呑みながら、その地の食材を中心にした駅弁を頂き、
その地に住まわれる会話を聞きながら、ひとときを過ごしたのであるが、
まぎれなく文化のひとつと深めたりしていた。


『リゾートしらかみ』は秋田駅から青森駅を結ぶ路線で、
大半は五能腺を走る特急であり、座席もゆったりとし、喫煙室もある優美な列車である。

秋田駅を定時に発車し、能代駅を過ぎ、あきた白神駅の手前の頃から、
日本海の状景が車窓から眺められ、
以前に秋田の竿灯祭りと青森のねぶたを観る為に団体観光バスで車窓から見た情景と、
私なりに重ね合わしたりした。

この後、私達夫婦はウェスパ椿山駅で午後4時20分に下車し、
駅前で待機していた宿泊先の『不老ふ死(ふろうふし)温泉』の送迎バスに乗り込んだ。
小雨の降り続ける中、日本海に面した黄金崎(こがねざき)にある観光ホテルには、10分たらず到着した。

そして、この観光ホテルの新館に3泊としていた。


http://www.furofushi.com/ 
☆『黄金崎 不老ふ死温泉』ホームページ☆

                                  《つづく》


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