夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

今宵は、雨も降り、花冷えとなり・・♪

2008-03-28 18:28:00 | 定年後の思い
東京郊外の調布市に住む私は、
5時過ぎから小雨が降りだし、ときおり風が吹き、
花冷えとなった・・。

私は玄関庭の軒下で、樹木・草花を眺めながら、
今宵お花見を予定されている方たちは、お気の毒と思いながら、
15年前頃の現役時代が思いだされた。


私は中小業のサラリーマンであり、業界内の会社間の合併で、
初めての春を迎えていた。

人事異動、新入社員の歓送迎も終えた時期であったが、管理部門畑の大半で、
会社の最寄の公園で、第二次の懇親会としてお花見大会を予定していた。

都心のビルの多い中で、それ程広くない公園であったが、
私なりに懇親会を楽しみにしていた。

金曜日の夜、7時に開催予定であったが、夕方の4時過ぎに、
雨が降りだして、風も吹いてきたので、
やむえず、お花見の懇親会は中止となった。

私は今宵は公園で酒、ビールを呑みながら、
懇親できる状態であったので、
私達はそれぞれのグループに別れ、最寄の居酒屋に行った。

私も10数人で居酒屋の2階で懇親したが、
窓辺から観える雨の降る中の満開の桜を、
ときおり眺めたりしていた・・。


このような時のことが思いだされ、
今宵お花見を予定されている方たちは、
月曜からの激務に耐え、解放された金曜日の夜のひととき、
せめて今宵ぐらいは、と思ったのである。

桜の咲く時節は、不安定な天気が各地で見舞われるが、
天上の気候の神々はご機嫌が悪いのかしら、
と私は夜空を見つめていたりした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜・満開の中、散策すれば・・♪

2008-03-28 08:08:00 | 定年後の思い
東京郊外の調布市に住む私は、
昨日、快晴に恵まれ、満開となった桜の中を散策した。

私の住む地域では、この時節になると、
染井吉野(ソメイヨシノ)ではじまり、山桜(ヤマザクラ)に移り、
そして八重桜(ヤエザクラ)で4月下旬で終るのが平年である。

私は駅前に向かい、旧街道を歩いて、
坂道に雑木林の残った所に、白っぽい花に気付き、
ここにも桜があったのだ、
と教示させられた・・。

私は55年前頃、小学校の下校時、
少し遠回りをして、この旧街道の坂道を幾度も下ったのであるが、
桜があったのは気付かなかったのである。

私は立ち止まり、煙草を喫いながら、
しばらく見つめていた。

私は家内と都立の公園にお花見、
地方の評判ある桜の名所を幾度も訪ね、旅行に行ったりしていた。
或いは亡き家内の父と生前の時、
私達3人で新宿御苑で何度も花見をしていたことも思いだされた・・。

こうした大きくない桜の2本ばかりの花を観たりしていると、
わざわざ遠方に行かなくても、歴然とした美が享受できるので、
何だったのかしら、と思ったりした。

こんな思いでいると、日本文化史上燦然と点を残した江戸前期の俳人の一句が
脳裏をよぎったのである・・。


さまざまの 事おもひ出す 桜哉(かな)

        詠み人・芭蕉


こうした名句を口ずさめば、私は山桜の3分咲きこそ美である、と長年こだわってきたが、
どうでもよいと思えたのである。

早春に日本水仙が咲き、しばらくして白梅の花を誉(ほ)め、
そして桜の花を眺めることができるのは、
何より今年も生を受けている証(あかし)と微笑したのである。

そして、私は静寂な坂道から歩き出して、人の賑(にぎ)わう商店街をめざした・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする