ウィトラのつぶやき

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「ここ一番」で強くなる日馬富士

2016-07-25 16:41:11 | 生活

大相撲の名古屋場所は横綱日馬富士の優勝で幕を閉じた。大関の稀勢の里が星一つの差で続いており、千秋楽には「逆転優勝なら横綱に推挙」と言われていた。私は日馬富士が白鵬に勝って良かったと思っている。稀勢の里が12勝3敗で優勝し、1回だけの優勝で横綱になったとしたら後味の悪い横綱推挙になっていたと思う。

横綱への推挙は2場所連続優勝が基本で、ここ10年くらいは鶴竜以外は皆2場所連続優勝で横綱になっている。鶴竜の場合は14勝1敗(優勝決定戦で負けて準優勝)、14勝1敗で優勝と続いて横綱になった。稀勢の里はこの2場所は13勝2敗の準優勝なので、全勝か、14勝1敗くらいの優勝なら横綱でも良いが、12勝3敗の優勝では、「甘い」という印象を禁じ得ない。来場所優勝したとしても12勝3敗の優勝ならやはり私は「甘い」と感じる。来場所あたりは照の富士が復活してきて、稀勢の里は苦しくなるのではないかという気もしている。

稀勢の里と日馬富士は実力的にはほとんど変わらないと思う。日馬富士との対戦成績は24勝34敗と負け越しているが、接戦である。横綱の鶴竜には30勝14敗と勝ち越している。白鵬は頭一つ抜けていると思うが、続いて日馬富士と稀勢の里が続き、更に鶴竜が続いているというのが現在の相撲界の実力だという感じがしている。しかし、日馬富士は優勝8回、鶴竜は横綱になっていて優勝2回と、実績では優勝無しの稀勢の里と差がついている。この差は、「ここ一番」という大一番に強いかどうかだと私は考えている。日馬富士は「ここ一番」に強い感じがするが、日馬富士だけでなく、朝青龍、白鵬、鶴竜のモンゴル勢は皆、「ここ一番」になると普段の取り組み以上の強さを発揮する。逆に稀勢の里は「ここ一番」になると固くなって力を発揮できない感じがする。

過去の日本人横綱を振り返っても「ここ一番」で強かったのは千代の富士、先代の若乃花くらいで、他は名横綱でも「ここ一番」でも普段の実力を発揮できた、という感じだと思う。曙や武蔵丸といったアメリカ人の横綱にもこのような強さを感じなかったので、モンゴル人特有のメンタルの鍛え方があるのかもしれない。そういった点を学べないものかと思う。

最近の横綱や優勝はモンゴル人ばかりで、日本人力士で一番実力のある稀勢の里を横綱にしたい気持ちは分からない訳ではない。しかし、NHKのアナウンサーや解説者がそういうことを公言するのは私には引っかかる。稀勢の里に横綱になって欲しいと言わせるのなら相撲関係者以外のゲストに言わせるべきだと思う。


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