あまり広くない片側一車線の交差点で、前の信号は赤だがあたりに車は全く見えない、というような状況で、あなたは交差点を渡りますか?
状況によってどちらもあるが70%くらいは渡る、というのが自分の行動である。他に待っている人がいると渡らないことが多いがそれでも渡ることもある。子供が待っているとまず渡らない。
世界的に見ると日本人は渡らない人が非常に多いと思う。おそらく渡らない人の比率が世界で一番高いのではないだろうか。なぜ渡らないかといえば「それがルールだから」である。ニューヨークなどでは車が見えていても自分の判断で渡る人が少なからずいて交通の邪魔になっている。だから日本のほうが安全だと言える。それでも車を運転しているときには赤信号でも渡る人はまずいない。罰則があるからだろう。
世界では、赤信号でも車が進む場合もある。私が国際会議の議長をしていた頃、フランスのニースで会議があり翌週にはイタリアのトリノで会議があったことがあった。フランス人の人がアルプス越えで車で行くというので同乗させてもらった。特に観光する訳ではなく、曲がりくねった山道を越えてイタリアに入る。その人は慎重な運転をする人で、信号が黄色だと私が「自分なら行くな」と思うようなタイミングでもまず止まる。イタリアに入って車の居ない田舎道で赤信号で止まっていると後ろから「プッ」やられた。運転していたフランス人は「そうか、ここはイタリアだった」といって発進した。「イタリアでは赤信号でも明らかに問題ない時は進んで良いんだ」と説明してくれた。
総体的に、日本人は「ルールは与えられるもので、理屈なく守るべきだ」と考えている人が多いように思われる。日本人以外はアジアの人も含めて、「ルールは他人との摩擦を回避するための物で、摩擦が起きない時は自分の判断で行動すれば良い」と考えているように思う。皆がルールを守っていると摩擦が起こることはずっと少なくなる半面、個人の判断力が鍛えられないのではないかと思う。国際標準化団体、それもできたばかりの国際標準化に参加していてそれを感じることは少なからずあった。
国会の審議などを見ていても、日本人のルールの決め方はあまりうまくないように思う。もっと子供の頃から自分でルールを考える訓練が必要なのではないかと思う。
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