ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

最近目につく日本企業の海外企業買収

2011-04-25 08:10:22 | 経済

最近、日本企業が海外の企業を買収するニュースを良く目にする感じがする。

グリー、マネックス証券、東洋ゴム、コニカミノルタ、大正製薬、東芝などなど。東芝が2000億円、マネックスが300億円程度を除くと、ここに列記した会社の買収はたいてい100億円以下であるが、それでも個々の企業にとっては大きな決断だろう。インターネットバブルの2000年頃には株価経営で自社株を釣り上げておいて株式交換で企業を買収する手法がはやったものだが、今の日本企業の株価は低いのでおそらく現金で買っているのだと思う。

これは日本市場が先行き不透明というか、拡大が見込めないので海外に打って出る必要性があるということと、最近の円高が背景にあると思う。地震の影響で日本国内の市場はますます不透明さを増しているが、この種の検討には少なくとも1年くらいかけるのが普通なので、地震の影響は最終決定を後押ししたということはあっても、直接的なきっかけではないと思う。

これは良いことだと思う。世界で事業をしないとじり貧というのは明らかだし、どのくらいの時間がかかるかは分からないが将来必ず円安になるとも思う。ただし買収してうまくいくかどうかは別である。日本企業は外国人を使うことには慣れていない(特に幹部級の人材)ことが多いので、7-8割は失敗するだろうと思う。それでも何割かの企業が成功してグローバル企業に脱皮できれば、日本全体としては成功だろう。失敗する企業が成功する企業の2倍以上あったとしても成功だと見るべきだろうと思う。

個別企業の買収などは個々の企業が判断することだが、国全体として政府が海外企業の買収をどう捉えるかが全体論である。成功1に対して失敗4くらいあっても政府は後押しを続けるべきだと思うのだが、この種の事柄について政府の判断基準はどうなっているのか、失敗が多いと委縮するということにならないことを願っている。

日本には9割成功で1割失敗でもその、1割の失敗を取り上げて全体が失敗だというような言い方をする人が多い。そうならないことを願っている。