ウィトラのつぶやき

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中国の富豪が北海道の土地を買い占め

2011-01-13 08:46:22 | 社会

先日、NHKのクローズアップ現代で北海道の土地、それも広大な面積の山林が外国人に買い占められている、とい話題をやっていた。買主はバミューダ諸島にある会社でそこにはオフィスも何もなく私書箱のコインロッカーがあるだけ、という話である。怪しいと思って調べていくとその会社の実態は香港にある会社で、その香港の会社は中国人の富豪のお金を運用していることがわかった。

買われた山林は水源地であり北海道庁は水源を抑えられてしまうのではないかと心配しているとのことだった。しかし、買った本人がインタビューに応じて「すぐにどうこうしようと言うつもりはない。単なる投資の一環」と答えており、それは事実だと思う。中国では土地の私有権は認められておらず、土地は国家のものである。中国で買えるのは長期の借地権があるだけである。そこで私有権が認められてイメージの良い北海道の土地を買っておけば、余剰資産の活用方法の一つとしてあり得るのではないかという発想のようである。中国には現在は相続税は無いが、政府は相続税の導入を検討しているそうだから、相続税対策という意味もあるかもしれない。一般的には中国人が日本に投資することは歓迎すべきである、という意見も出ている。

すぐにどうこうする必要はないが、例えば北海道の面積の8割が中国人の所有になればどうなるか? 気にする必要はないという意見もあるだろうし、「北海道は中国のものだ」、と主張されるかも知れないという意見もあるだろう。政府としては一応シミュレーションしておく必要があると思う。ただし、外国人の日本に対する投資を排除するというイメージをもたれないように注意深く考える必要がある。

現在の日本経済にとっては外国人の投資を呼び込むことは重要である。しかし、その結果がどうなるかというイメージは持って、将来の問題に対策を考えておく必要があるだろう。投資を呼び込む方策は官僚が考えて、呼び込むことのメリット・デメリットを総合的に考えるのが政治家の役割、というような分業が必要だと思う。