ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本経済の再発展のために -グローバル対応-

2011-01-03 08:22:26 | 経済

今回で、日本経済に関して論じるのは一旦終わりにしたい。

前にも書いたがグローバル化を避けて通ることができないだろう。国内市場が拡大することはほとんど期待できないので化粧品とか、小売とかいった内需型産業も海外に出る動きを始めた。メーカは最初から世界出ることを検討する必要があるだろう。特に日本が強い分野は部品、素材などになってきているのでグローバル市場を目指して商品企画を立てざるを得ないし、実際のところ既にかなりそうなっていると思う。そうした分野では投資の判断力と日本国内のコスト高、関税などが問題になるだろう。トップに胆力のある人がいれば戦えると思う。

部品の分野には中小企業で強い会社が多い。こうした会社も強い所は既にグローバル化していると思うがまだまだ海外市場に出て行けば戦える余地はあるのではないかと思う。ただし、人材も資金も不足しているところが多い。技術力はあるので、こういう会社をサポートする仕組みが必要なのではないかと思う。今でも仕組みはあるのだろうが、私が不足していると思うのは強い企業が周囲の企業を飲み込んで大きくなっていくプロセスである。もっと積極的にM&Aを行って中小企業にとどまらない会社が出るような仕組みが必要なのではないかと思っている。

問題は家電、パソコン、自動車、食品、薬といった最終消費者につながる分野である。これは需要予測だけではなく、文化的な面も考慮する必要がある。会社の構成自体をグローバル化して取締役レベルにも外国人を入れるし、執行役員にも世界から人を入れるようにする必要があると思う。以前にも書いたが、そうなると自然に外国人社長が増えてくるのではないかと思う。そして本社を海外に移す会社も出てくるのではないかと思う。

最後に、昨年11月にEconomistが分析していた日本経済特集を紹介しておこう。Economistでは日本経済の課題を色々な側面から分析しているが、結論的には、人口減少で必然的に日本国内市場が縮小するのが課題だとしている。人口が減少するので国内市場は縮小する。企業は設備投資をできない、といった循環に入ってしまう。そのためにやるべきことは労働人口を増やすことだとしている。具体的には女性の活用、特に子供ができても会社を辞めなくても良い仕組みをつくることである。もう一つは移民の受け入れである。こうして内需拡大をすることが重要だとしている。

しかし、景気が上向いている時ならばともかく、デフレ下で労働人口を増やすのは現実的ではないと思う。給与水準の引き下げとセットにせざるを得ないだろう。最低賃金を上げる方向の現在の政策とは逆方向である。移民の受け入れはこういったことを少ない反発で実現するには効果があるかもしれないと思う。