ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本に必要なのは若返り

2011-01-05 08:33:08 | 社会

この正月休みに日本の現状を様々な人が分析して、問題点を指摘していた。しかし言われていたのは問題点を指摘するか、「外交をしっかりやるべきだ」といったどうすれば実現できるか分からないような要求、良いものでも「こういう観点からみるべきだ」という視点の提言に留まっていて、「なるほど」と思うような話は無かったと思う。

国家予算は最大の赤字を出した昨年と同じレベルで、しかも費用を捻出するために様々な点で国民生活を締めつけ始めている。日本の国際競争力は昨年よりもさらに下がっただろう。このような状況下でどうすれば良いのか、私にも特に案があるわけではない。しかし、一つ言えることはお隣の勧告はそう悪くない、ということである。

韓国も女性が子供を産む率は日本よりも低いくらいで人口減少に向かっている。儒教の国で年長者を敬うしきたりは日本より強い。そんな韓国がIMFの管理下に置かれて以降、経済復活が著しい。文化的にもアジアではAKB48よりも少女時代のほうが勢いがあるそうである。どうやって復活を遂げたのか、それは大胆な若返りだと思う。韓国企業全体かどうかは分からないが、日本企業から次々とシェアトップの分野を奪っているSamsungは50歳くらいで役員に残れないと定年になってしまうそうである。その人たちはどうするのか、と韓国人の友人に聞いたらば、能力のある人は外資系企業に勤めるか、外国への移住、能力の無い人は焼鳥屋のおやじ、と言っていた。

50歳と言えばまだまだ働ける年齢だし、能力もそう落ちてはこないはずである。企業にとっては経験豊かな人を失うことに対して「もったいない」という意識は強いはずである。それをあえてそのようにして、しかも企業として成功しているのは、若い人の勤労意欲が大きく違ってくるからだろう。社会的にも問題を生じそうに思うが、大きな問題にはなっていない。

要するに社会全体の新陳代謝を高めるが大切だと思う。若い人に活躍の場を与えるのもその一つで、業績の悪い企業は退出するし、仕事のできない人は収入が下がる。できる人は若くても頭角を現すといった、入れ替わりをどんどん行う社会にする必要があるだろう。もちろん失敗した人に再チャレンジの場を与えることも大切である。本来はこれは能力に応じてやれば良いことなので、年齢で定年を決めるなどは逆差別ということもできる。しかし、日本や韓国のような風土では、こうでもしないとなかなか変わらないのかとも思う。

世界の人と付き合っていて日本特有(アジア的性格かとも思うが)と感じる点は会社内での上下関係が人生全体の上下関係のように日本では受け止められているという感じである。日本では部長と平社員は仕事を離れても上下関係があるようなイメージが強い。それがよその部の部長で、自分の業績査定には影響が無いような人でも、仕事を離れたら対等とはなかなかいかないように思う。こういった社会で新陳代謝を高めるために、定年を早める、というのは有力な方法かもしれないと感じている。

50歳で定年になればその後悠々自適とはいかないのが普通だから第2の仕事人生を探すことになる。それはそれで社会を活性化するかもしれないと思う。