12月最初の週末土曜日、師走相場を検証したいと思います。
まず、月末にかけての相場にブレーキをかけそうなのが、昨晩 発表された米の
11月雇用統計でした。失業率は9.8%(市場予想、9.6%)と予想を下振れて
おり、民間主導の雇用者数が、本格的な回復基調に乗るには、時間が かかり
そうです。
ただ、10月製造業新規受注や11月ISM非製造業景気指数など経済指標は、
予想を上回り、週末 NY市場の雇用統計の悪化を補完し、小幅上昇で終了して
おり、底堅さが確認された格好です。
一方、日本市場にとっての懸念は、為替の円/ドル水準。 雇用統計発表前に
批判が出ていたFRBの追加緩和措置(QE2)も、雇用統計発表後にQE2妥当性
を容認する雰囲気で、為替が再び、ドル安/円高水準になっています。
月末にかけて「掉尾(とうび)の一振」を実現するために、円高水準の是正が必要
と思われます。
そこで、12月相場を占う意味で、過去を検証して見ることにします。
11月は、前月比プラスや月足陽線となり、近年不振の目立った11月相場も
無難にクリアーして、12月相場に突入しました。
12月相場について見ると、過去の日経平均の月足陰陽線を「勝敗」で表すと、
直近5年間の12月相場は、「4勝1敗(勝率80%)」。直近10年間では「7勝3敗
(勝率70%)」。直近20年間でも「13勝7敗(勝率65%)」の結果になっています。
(下表は、過去10年間の結果です。)
12月相場と年間相場の関係
年 度 12月 月足 年 足 12月月足と年足の一致
1999年 ○ ○ ○
2000年 ● ● ○
2001年 ○ ● ×
2002年 ● ● ○
2003年 ○ ○ ○
2004年 ○ ○ ○
2005年 ○ ○ ○
2006年 ○ ○ ○
2007年 ● ● ○
2008年 ○ ● ×
2009年 ○ ○ ○
2010年 ? ? ?
表を見ると、「12月相場の騰落」と「年間相場の騰落」の方向性が一致するケース
が非常に多い事がわかります。直近5年間で4回一致(勝率80%)。直近10年間で
8回一致(勝率80%)。表に示してないが、直近20年間で16回一致(勝率80%)。
過去相場を振り返ると、80%の確率で、12月相場と年間相場に相関があります。
一方、2006年の相場のように、12月の上昇分の寄与だけで年間騰落をプラスに
転じさせた例もあり、04年にしても、11月以降の2ヶ月で、年間プラスに転じさせて
います。
結局、今年の年間相場の高安は、12月相場の動向に掛かっていると言えます。
海外主要市場を見回しても、年間パフォーマンスがマイナス所は、少ない状態で、
「現地通貨ベースでの最出遅れ市場」として、外国人投資家がポジション積み増し
対象とする可能性も想定されるところです。
12/30(大納会)終値が10654円を超えると年足陽線。10546円超えで、前年
比プラス。ともに時価からは十分手の届く位置にあり、今年も季節習性発揮による
年間上昇フィニッシュとなる「掉尾の一振」に期待したいが、相場は、どう答えを出す
でしょうか。 (出典:日本証券新聞10/11/30)