「横須賀共済病院」の裏手にある 細い坂道の入口に 目立たない標柱。
道の先に続く 石段を上っていくと・・
これが「お穴さま」
鎌倉へ向かう途中の 日蓮上人が、37日間 籠ったと伝わる岩窟。
中に 御像が祀られています。
崖にへばりつくような 恐ろしく急な石段を 更に上っていくと・・
「猿海山 龍本寺」
日蓮宗のお寺です。
説明板によると;
1253(建長5)年 房州から鎌倉へ 布教に出立した 上人の船が 遭難し
沖の豊島(今の猿島)に 辿り着いたとき、一匹の白猿が現われました。
この白猿の導きで 対岸のこの地に 上陸しようとしますが、遠浅で
船が近づけず 難渋していると、夢のお告げにより 上人を迎えに来た
石渡左衛門尉という人が 上人を背負って 無事に 岸までお運びしたとか。
上人は 浜近くの岩窟に籠り 祈願の業を行った後、鎌倉へ向かいました。
その岩窟が 先程の「お穴さま」です。
その後、日蓮宗に帰依した石渡氏が 人々と諮って建てた草庵が
「御浦(みうら)法華堂」(=現・大明寺)で、その奥の院として
この龍本寺が 建立されたと いうことです。 現在の本堂は
天明年間(1781~1788)のもので、明治初期に 茅葺が瓦葺に。
本堂を飾る木彫が 大変すばらしい!
扁額「聖人垂跡」
明治・大正期の書壇の巨匠 中林悟竹氏の墨跡。
上人を背負った石渡氏の足が サザエで傷ついているのを
見た上人が、お題目を唱えると 傷の痛みはなくなりました。
それ以来 この浜でとれるサザエは 角がなくなったそうです。
また 嵐のとき、船底に開いた穴に ぴったり貼り付いて 浸水を
防いだという アワビとともに、当寺の霊宝と なっているとか。
石渡氏のご子孫は、現在も 市内にお住まいだということです。
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