スニーカー履いて

‘猫’も歩けば・・・今日はどんな出会いが?

池子遺跡群資料館

2017-03-25 | 鎌倉・逗子・葉山


「池子の森自然公園」の池子側出入口に、3階建の建物。

「池子遺跡群資料館」

米海軍家族住宅地区造成に先立ち 1986(昭和61)年に実施された環境調査で
見つかった出土品などを、3階展示室で見ることができます。(入場無料)


撮影OKとのことで、さっそく展示室へ。

ほかに見学者の姿はなく、時代毎に分類展示されている品々を
添えられた解説を読みながら ゆっくり見学して廻りました。



《シロウリガイの時代》
シロウリガイは 深海底の地殻の割れ目に生息する「生きた化石」。
現在も日本海周辺で見ることが出来るそうです。

シロウリガイ類化石地層断面

池子のシロウリガイ類化石は、440万年前 古相模湾の水深1,000mに
群生していましたが、海底地滑りで砂泥と共に深海に堆積し堆積岩を
形成したと考えられます。 その後 海底の岩盤が地殻変動によって
隆起し、約50万年前に地上に現われたものです。(資料館栞の説明文)

(下はパネル写真)




《旧石器・縄文時代》
縄文前期頃までの遺物はあまり出土せず、約3,000年前に海岸線が
退き陸地が広がったのに伴い、人々の活動範囲が広がったようです。

独鈷石

緑色片岩 製
用途は不明ですが、呪術的な道具と考えられています。



《弥生時代》
人々は川近くで生活し、川底から木製農具が多数出土している
一方 鹿骨の釣針なども見つかり、半農半漁の暮らしが窺えます。


広鍬                         叉鍬
    
アカガシ亜属 製



鹿角 製


火きり臼

カヤ 製
火きり臼の窪みに木棒をあて回転させると、摩擦で煙と
木屑が出て木屑に着火し、火種が出来るという仕組み。



この時代の生活は 自然の力の影響を受け易い不安定な
ものだったため、呪術や祭祀が大変重要だったようです。
卜骨

猪(左)・鹿(右)肩甲骨 製
先端を焼いた棒を骨に押し当て、表面に生じたヒビ割れや
焦げ具合によって 吉凶を占っていたといわれます。

高杯                          小型鉢
    
内外を赤彩し、脚部や外縁などに縄目模様が見られます。

組み合わせ式高杯脚部
    
ケヤキ 製                      イヌガヤ 製
脚部の上・下・杯部をはめ込む部分には、其々丁寧な細工が施されています。
弥生中期以降は土器の高杯が増え、木製は出土数が少なく珍しいそうです。



《古墳時代》
勾玉・剣・鏡などが多数出土しており、このような非実用品が盛んに
使われたことから、何らかの儀式が行われていたと考えられています。

はそう

古墳時代に 渡来人により大陸から伝えられた須恵器の器のひとつ。
胴部に穴があり、上部から液体を入れ この穴に 節を除いたストロー
状の竹を挿して注ぐもので、祭祀に使われたと考えられています。



《奈良・平安時代》
この時代の竪穴住居や掘立柱建物の跡が見つかっています。
また 文字を墨書した土器・木履・鞍の一部と思われる木製品・
帯金具などが出土し、有力者の存在を示すものとされています。

木履(ぼくり)

クスノキ 製
長さ25cm 内法22.5cmの木靴です。



《中世・近世》
山裾の崖面に「やぐら」と呼ばれる石窟遺構が多数発見されています。
また近世の建物跡や井戸の遺構が検出され、ムラの様子が窺えます。

第3号やぐら発見時の様子
(パネル展示)

一部崩壊していましたが 五輪塔が横に3基並び、それが
4列あったものと思われます。ほかにカワラケ片が多数。


遺跡群の発掘調査で検出された 嘗てこの地に暮らした人々の生活の
痕跡の一端に触れることができて、興味深くおベンキョウしました☆





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