先月末、博物館講座「三浦半島の民族探訪」で「神楽」に関する講義がありました。
「神楽」とは・・
場を清め神霊を迎え、時には芸能を披露しながら鎮魂・飲食・神託を得て
神霊を送る神事。大まかに4つに分類され、複合して行われることもある。
「採物神楽」・・鈴・扇・榊・剣・弓などを持って舞う神楽。
出雲・佐陀神能が有名で「出雲系神楽」ともいう。
「湯立神楽」・・釜で沸かした湯を神に献上し、参拝者にもふりかけて
穢れを払う神楽。 自然や神が衰弱する霜月に魂振の
儀式を行い、魂を再生して新年に備えるというもの。
秋田・横手市保呂羽(ほろわ)山の「霜月神楽」が有名。
「獅子神楽」・・獅子頭に神を招き舞う神楽。多くは家々を回って厄除・
火伏の祈祷を行うもの。岩手の「早池峰神楽」が有名。
「巫女神楽」・・巫女が鈴や榊を持って舞う神楽。「浦安の舞」が代表的。
鎌倉・鶴岡八幡宮で職掌八家(しきしょうはちけ)と呼ばれる神楽奉仕の神職8家に
よって今に伝えられている湯立神楽を「鎌倉神楽」といい、これは、800年以上前に
京都・石清水八幡宮から伝えられたとされているが詳細は不明。 三浦半島では、
藤沢・白旗神社や葉山・森戸神社の神職が 各地に出向いて奉納することもあり
細かい所作や演目など多少異なる点もある。 湯花神楽、潮神楽とも呼ばれる。
でもって 今回は、実際に湯立神楽の見学に行きました。
「手子神社」
普段は無住なので、今日は横浜・瀬戸神社の
神官が出向いて神事が行われるようです。
社殿内では既に神事が始まっており、境内の釜も湯気を上げています。
私たちは外から見学。 祝詞や笛・太鼓のお囃子は聞こえますが・・
時々あちらこちらから社殿内を窺う形で、神楽の進行を見学しました。
やがて 神官が外へ。 釜場の御祓い。
中の祭壇の御祓い。
釜場で「掻湯」
御幣で湯を掻き混ぜます。
次第に激しく掻き回し、熱湯が渦を巻きます。
「射祓(いはらい)」
四方に矢を放って 邪気を払います。
いよいよクライマックスです☆
「笹舞」
釜の湯に笹を浸し、参拝者の頭上に湯を振りまきます。
湯玉を浴びると、災厄が清められるといいます。
「剣舞」
天狗の面をつけて舞います。
今回は山神(猿面)の登場はありませんでした。
最後に、参拝者に釜湯のお振舞。
頂いた白湯を飲み、活力再生・健康を祈念します。
これで「湯立神楽」は 滞りなく終了しました。
数年前 鎌倉で、五所神社の「潮神楽」を見学したことがありました。
その時は 殆ど神楽の知識はありませんでしたが、今回講座に参加して
いろいろ教えて頂いたおかげで、多少理解が深まったように思います。
博物館の瀬川先生 ありがとうございました
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