日々改善

今日の問題を明日に残さない!問題解決を図って行く様をリアルに描写していきます。経営コンサルの視点で物事を見ていきます。

翻意(ほんい)

2010-06-10 | 経営改善
守秘義務がありますので詳しくは書けませんが
「事業を辞めたい…。」
そんなご相談がありました。

夕方6時半から始まった相談は
終わってみれば9時半過ぎになっていました。

ご相談者の事前情報は「売上増進」方法の指導でした。

一生懸命に業界の現状やこれからの経営に対する心構え、戦略などをお話していたのですが
妙にご相談者の態度が否定的なのです。

何を言っても「できない」「やれない」の繰り返しです。

万策尽きたと感じ始めた頃
仲介の方がポツリポツリと経営者様の今の考えを話してくれました。

それまでの私の指導はとんでもなく相談者の思いと違った方向の話でした。
「もう事業を辞めたい」
其の一点張りだったのです。

そのまま話は事業断念の話になって行くかと思いきや
後半の方で奥さんにも参加して頂きました。

できないからと言って事業は簡単にやめられるものではない事
借入の返済ができなければ連帯保証人に迷惑が掛る事などをお話しすると
「やっぱりやるしかないか…。」という答えに変わってきました。

最後にはもう半年やってみる
頑張ってやるしかない
そんな言葉を放ち、笑顔で相談会場を後にされました。

私たちの仕事は経営者様に勇気を与え、安心感を与えることと理解しています。
今後のサポートをして行って差し上げたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

既得権益

2010-06-10 | 危機管理
既得権益とは、国や地域・組織などが、法的根拠に基づき、
以前から獲得している権利と利益をいいます。

あまり、歓迎される言葉で無いことは周知のとおりですが
古い体質の業界に新たに参入する人たちにとっては高い高い障壁になっている事実もあります。

ここ数年国家的プロジェクトとして進められた
公認会計士と弁護士の量産(失礼)
結果としてたくさんの合格者を輩出したものの
合格しての就職先すらないという事態に陥ってしまいました。
従って、試験制度の見直しをしなければならない事態になって来ているようです。

それでは私たち税理士はというと
年間の登録者と廃業(死亡を含む)の数がほぼ拮抗しています。
その数、2千数百名その半分以上が退官組と言われる方たちです。
そして、税理士受験を本業にしているような若者と
大学院を出る事によって一部科目免除してもらう免除組
コツコツと税理士事務所や一般企業の経理に勤めながら
受験という人たちが合格しにくくなってしまっています。

ただ、最近疑問に思う事があります。
「俺は税理士になれれば一生安泰だ」
「俺は税理士になれれば勉強しなくても左うちわだ」
なんだかそんな風に考えているのではないかと思える節がチラチラ見えるのです。

合格することと経営する事は違います。
合格すればお客さんが大挙して押し寄せて来るなどと考えているのではないでしょうか?
そんな業種などこの世にはありません。

大型事務所ほど抜けて行く顧問先を留める事に四苦八苦しています。
小さな事務所ほど増えぬ関与先に頭を抱えています。
今しなければならない事
それは、自分の得意分野を明確にする事です。

まさか「安さ」は得意分野にはなり得ません。
その専門性を明確にする必要があります。

士業は既得権益に守られているように見えます。
残念ながら、そのような業種こそ他からの攻めには弱いものです。
既得権益という見えないバリアーを信じて防御する事すら考えていないからです。

今こそ競争の中に生きているのだという自覚を持って
日々の業務の水準を上げて行く必要がありそうですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする