今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

大口真神式年祭に参列

2023年04月29日 | 東京周辺

武州御岳山(920m)の頂上にある御嶽神社(東京都青梅市)は、狼を「大口真神(おおくちまがみ)という御神体として祀り、その信仰圏は関東一円に広がっている(写真:右の樹木のある山が御嶽神社のある御岳山。左の鋭峰が奥の院。2006年日の出山より撮影)。
※:御嶽神社そのものの公式な祭神は記紀神話系だが、本殿奥の最奥に大口真神社がある。

昨年6月にここを訪れた折り、今年の4月15日から5月21日まで「大口真神式年祭」が開催されると知り、楽しみにしていた。→記事

その神社で販売していた書籍『オオカミの護符』(小倉美恵子)、『オオカミは大神』(青柳健二)を買って読み、御嶽神社と秩父の三峯神社を2大中心として関東山地周辺に広がる狼(ニホンオオカミ)信仰への興味に火がついたから。

もっとも、元は高校生の時、西多摩にある全寮制の高校近くの畑に立っていた黒い狼が描かれた大口真神のお札を見た時が興味の始まりだった。

御岳山は都内では高尾山と並ぶ山岳信仰の聖地で、高尾山がそうであるように、御岳山も修験道の影響を受けてはいるが(昨年の記事はこちらの視点)、この狼信仰は修験道とは別個のオリジナルな信仰である点で注目に値する。
山岳信仰において非修験要素が強いのは珍しく、そういうわけで、この時期(GW)に限って大口真神像を拝観できる式年祭に、是非参列したくなったわけだ。

 今年の長いGWも天気がいいのは4月30日くらいしかないようなので、名古屋から帰った翌30日に早速、早起きして御岳山に行くことにした。

昨年同様8時頃に家を出て、新宿・青梅で乗り換えてJR御嶽駅に着く。
そこからバスとケーブルカーを乗り継いで、山上の歩道で御師(おし)の家々の軒先を通り、最後に長い石段を上ると(階段でない女坂があるのを失念)、御嶽神社に11時開始の部に間に合うタイミングで到着。

参列料2000円を払って、式年祭のお札(参加証代わり)と宝物殿の拝観券をもらう。
社殿隣の信徒待合室に行くと、参加者は私を含めての4人(参列希望者が行列を作っていたらどうしようという心配は杞憂だった)。
案内に従い、建物内の地下をくぐって、拝殿内に座る。

神官が二人出てきて、太鼓が強く打たれ、また我々参列者が頭を下げ(揖という姿勢)、神官の修祓を受ける。
そして拝殿奥の本殿に向かって神官が「おー」と狼の遠吠えのような発声の警蹕(けいひつ)とともに、階段を作法通り(一段ずつ両足になって)上って本殿の扉が開かれる(その間、参列者は揖の姿勢のまま)。
※:小倉美恵子氏の表現

神官と共に参列者も二拝二拍手一拝の拝礼をし、その後拝殿内を進んで、その先端で階段の上にある扉が開かれた本殿を仰ぎ見る。
そこには3体の「おいぬ様」(オオカミ像)がそれぞれ作りも色も異なって並んでいる。
普段は固く閉じられている扉内の、この大口真神像を拝観することが参列した目的。
その場で賽銭を投じて、改めて大口真神像に直接拝礼をする。

拝殿の席に戻り、ついで「おー」という警蹕とともに扉が閉められ、太鼓がなって、最後は神官のお言葉で終わる(締めて25分)。
こういう儀式に参列することにこそ意味がある。
とりわけ神道では、神とのコンタクトが宗教経験としての全てで、それだけで心が浄化される(教義などの理屈は不要)。

終了後は、本殿奥の大口真神社(写真は、狛犬の代わりの狼の石像)、さらに御岳山信仰の本体といえる奥の院(男具那峰1073m)を遥拝し、宝物殿を見て、参道沿いの店で名物の蕎麦を食べた。

下りはケーブルを使わず、舗装されたつづら折の坂道を降りた。
この下りで、前回は慣れない靴のため足を痛めたが、靴が足に馴染んだ今回はスタスタ降りれた。
御嶽駅前で名物の刺身こんにゃくと地元産の山葵を買って、今晩の肴にする(こんにゃくをわさび醤油につけて食べる)。


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