石原慎太郎氏の訃報に接して、私も「巨星落つ」という感に浸った一人だが、
その巨星とは、一般には政治家(とりわけ元都知事)としてだろうが、私にとっては”左利き”の巨星でもあった。
一般に左利きは、右脳が優位なので、ダ・ビンチを筆頭に画家などのイメージ芸術系の有名人※が多い。
※:他にモーツァルト、ダーウィン、アインシュタイン、チャップリン、ポール・マッカートニー、ジミ・ヘンドリックスなど
逆に左脳にある言語能力は右利きに比べると不得意になりがちで(私もその一人)、その理由で作家などの言語芸術系は稀。
そんな中で、慎太郎氏は、左利きの作家(文筆家)として、なんと大学生で芥川賞作家となり、その後政治家になってからも、最晩年まで作家であり続けた稀有な人である。
すなわち、”左利きの作家”として巨星なのだ。
都知事時代の都のディーゼル車規制での会見で、ペットボトルを開けて中の黒い煤を振る映像があるが、右手にペットボトルを持っているのは、左手で蓋を開けるためだ。
昔は、テレビで出演者が左手で箸やペンを持つ映像を流すと、抗議の電話が殺到したという。
「左手なんか使わせるな」と。
左利きの人が有名人になって、左手を使う映像を繰り返し流すことで、左利きに対する偏見を減らすことができる。
氏は自らそれを実践してくれた。
ちなみに利き手は遺伝素因がある(私の祖母が利きで、その4人の息子は全員右利きだが、孫では5人のうち私を含めた2人が左利き)。
なので氏の四男の画家の方は、左利きかもしれない。