昨今の世界各地の気象状態は、「気候変動」※と言われている現象(1年現象の”異常気象”とは区別すべき)だったら恐ろしい。
※:専門家の間では「温暖化」ではなくこの表現が使われている。
今年の夏は特に欧州・北米・中国では降水量が減少し、渇水状態になっている。
一方でパキスタン・アフガニスタンでは国土広く洪水に見舞われている。
これらが単発の異常気象ではなく、持続的な「気候変動」だとしたら、世界の降水分布が変動することを意味する。
地球表面の水収支は一定なので、どこかが減れば、別のところが増える。
日本は降水量が増えているので、後者に属す。
全てを破壊する水圧の力は恐ろしいが、事前に逃げればいいのでなんとかなる。
生物の生存にとっては渇水の方が深刻。
ヨーロッパやアメリカ、中国が気候変動して乾燥地帯になれば、文明の交代に等しい世界史的な出来事となろう。
その代わりに砂漠地帯が熱帯雨林化し、寒冷地が温帯化するかもしれない(十〜百年スケールだと温暖化しているが、千〜万年スケールだと氷期に向かって寒冷化する)。
明確な国境などなかった近代以前は、気候変動が起きれば適地を求めて民族レベルで移動した。
南極以外の地上が全て国土として管理されている現代、戦争の理由が増えるかもしれない。