帰京して、賑わいの戻ったアメ横界隈を歩きながら、バッグの中をまさぐっていたら、東京メトロの回数券が出てきた。
6枚残っていて、使用期限は5月17日。
アウトだ。
春休み中に、国会図書館に通うため、回数券を買っていたのだ。
ところが、緊急事態宣言で外出自粛、というより国会図書館が閉館。
それが5月いっぱいつづいていたので、こちらも使っていない回数券のことはすっかり失念していた。
期限の切れた切符ほど、持っていて無意味意なものはない。
しかもそれが未使用なら、持っているだけで嫌な気分になる。
悔しまぎれに破いて捨てようと思った。
が、なぜか気を取り直して、そのまま財布にしまった。
その時は、捨てない理由が浮かんだわけではないが、歩いているうちに、もしかしたら、払戻しできないだろうかと思ってきた。
ただ、通常の払戻しは、鉄道側のトラブルが原因の場合で、今回は曲がりなりにも、地下鉄は運行されていた。
総理大臣自ら国民に向って外出自粛の要請をしていたが、要請であって強制ではない。
う〜ん、弱いな。
でも、学校や会社も自宅待機になったのだから、乗車する理由がなくなった人たちがいるはず。
定期だったら、払戻しされておかしくない。
帰宅して、いちるの望みをいだいて、東京メトロのサイトを開いた。
すると、緊急事態宣言期間中の定期券のほかに、回数券も、払戻しの対象になっていた!
払戻し期間は、解除後1年間。
ただし手数料が、回数券でいうと1枚分強とられる。
それでもいくぶんが現金が戻ってくるだけでうれしい。
あの時、破り捨てないでよかった。