今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

降雪時の露点温度の挙動

2023年02月10日 | お天気

東京が降雪中、それが露点温度でどう表現されているか、私設”本駒気象台”(東京都文京区)のデータを紹介する。

2日前からの経時データの方がわかりやすいし、露点温度は気温と湿度の両義的な指標のため、気温との比較が必要なので、それらを示す(上図が露点温度、下図が気温)。

まず露点温度のグラフから、2月8日から9日に移る時点で、一挙に10℃低下して寒気がどっと入ってきたことがわかる。

露点温度だけだと乾燥空気の流入とも解釈できるが、8日の最低気温と9日の最低気温の違いで寒気流入と判断できる。

だが、9日の気温(下図)を見ると、晴天だったため、日中は太陽光の力で気温が上昇した。
なので気温だけ見ると、寒気が弱まったと判断してしまうが、その間も露点温度は低下しているので、寒気の流入は気温上昇中も続いていたことがわかる。

そして9日から10日に移り、午前8時の点線に近づくと、気温が急激に下がる一方、露点温度が急上昇した。
この気温と露点温度の逆の動き、言い換えれば両者の値の接近が、今回の降雪を意味する。

一般論として、気温と露点温度が接近する(両者の値が近くなる)ことは、相対湿度の上昇、すなわち降水の可能性を意味する。

ただし、露点温度が上昇しても氷点下のままで、気温が0℃に近づくと、その降水は雨ではなく、雪を意味する。
本日10日の午前8時に至る気温の低下(9日の最低気温よりさらに低い)は、入ってきた寒気の滞留を意味し、露点温度の反転的上昇(ただし氷点下を保つ)は、降水を可能にする湿気の流入を示している。
細かいことだが、10日に日が換わってからしばらく気温が下がらなかったのは、夜間の放射冷却が起きなかったことを意味し、上空が雲に覆われていることを示している。またこの時点で寒気の流入は底をうって、露点温度はむしろ反転して、湿気の上昇を示唆している。
この二つの逆方向の動きのバランスと気温の絶対的値(0℃より上か下か)によって、東京の降水が雪になった。
露点温度は”可能な最低気温”も意味することから、このまま露点温度が上昇し続け、0℃を超えると、雪は雨に換わる。


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